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自衛隊ニュース   1009号 (2019年8月15日発行)
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「警備犬キュー号」安らかに
空自国際救助犬のパイオニア
<第7航空団管理隊>

 令和元年7月、第7航空団管理隊(百里)の警備犬キュー号(牡)が胃捻転のため死亡した。享年9歳(人間だと50歳相当)であった。
 平成24年2月に中警団管理隊(入間)に配置されたキュー号は、ハンドラーと呼ばれる警備犬のトレーナーの隊員とともに厳しい訓練を重ね、難関の国際救助犬認定試験に3回目で合格、空自初の国際救助犬となり、後に続く後輩国際救助犬の先駆けとなった。
 キュー号は、ハンドラーの異動に伴って、平成28年10月からは7空団管理隊に配置され、引き続き日々厳しい訓練を重ねていった。国際救助犬としての真価を発揮したのは、平成30年7月の西日本豪雨災害の現場において、空自の警備犬として初めて災害派遣活動に従事するとともに、同年9月の北海道胆振東部地震の現場においても昼夜問わず活動に従事した。キュー号は先天的に肌が弱い体質であったものの、過酷な環境下においても懸命に行方不明者捜索を行った。この活動によりキュー号には防衛大臣から褒賞状及びご褒美が授与された。その後も災害派遣が予期される大規模災害時においては、いつでも出動できる態勢を整えていた。
 キュー号のハンドラーとして、苦楽をともにしてきた7空団管理隊の竹山空曹長は「手探り状態から初めて試験に臨み、訓練を重ねてようやく国際救助犬認定試験に合格したことも懐かしい思い出ですが、一番記憶に残っていることは、昨年の西日本豪雨災害の災害派遣活動に一緒に従事したことです。気温が35℃を超える厳しい環境の中でも諦めることなく、行方不明となった方々を懸命に捜索してくれたキュー号の姿に私自身が勇気づけられました。心から感謝しています」と述べた。

 キュー号、本当にありがとう。安らかに。


菅島野外行動訓練
<第1輸送航空隊>
 令和元年6月1日及び2日、第1輸送航空隊(司令・船倉慶太空将補=小牧)は第2輸送航空隊と合同で三重県鳥羽市菅島町において野外行動訓練を実施した。
 本訓練は、野外行動要領の基礎的知識の習得及び野外行動に必要な気力、体力の体得並びに昭和58年に発生した菅島航空機事故の風化防止を目的として毎年実施しており、菅島事故の概要について事前に教育を受け訓練に臨んでいる。
 今年は第1輸送航空隊副司令が指揮官となり、先発隊と本隊の2グループに分け訓練を実施した。訓練1日目、菅島到着後から日没までの間、行進経路の環境整備を行った。経路上には2m近くある木が何本も倒れており、また、生い茂る草が通行の妨げとなっていたため、施設隊の隊員がチェーンソーで撤去作業を行った=写真。夕食は菅島町内会の住民と共にし、墜落直後の貴重な話を聞くことができた。
 訓練2日目、朝6時過ぎに菅島にあるしろんご浜に流れ着いてきた海藻や流木の撤去を行った。海藻を砂に埋める作業は大変過酷であったが、日頃から慰霊碑周辺の環境整備に尽力している菅島の住民への感謝の気持ちを込め全力で取り組んだ。
 本訓練を通じて、菅島事故の悲惨さを学ぶことができた。二度と同じ事故を起こさないためにも風化防止に努めるとともに地上及び飛行安全を誓い、任務に邁進しなければならない。

航空教育集団調理競技会
静浜基地が最優秀賞
 令和元年5月30日、「航空教育集団調理競技会」に静浜基地業務隊の小林2空曹が参加し、焼津の桜エビ、鰹、藤枝の椎茸を使用した、皆様ご存じの静浜空上げ3種盛りで勝負に挑んた。参加基地8基地がそれぞれの自慢の空上げを競い合い、結果堂々の「最優秀賞」!
この様子は地元テレビや新聞でも報道され、静浜基地の給養能力のレベルの高さや基地の地元愛を大いに知らしめることができた=写真。静浜基地司令からの「隊員の健康と士気向上にこれからも努めてください」との訓示に、基地隊員、特に業務隊において士気が大いに上がった。
 小林2空曹は来年開催される航空自衛隊調理競技会に向けて、日々精進中だ。

陸軍墓地ボランティア 清掃に参加
<岐阜基地>
 岐阜基地連合幹部会は、2月24日、岐阜県隊友会が主催する陸軍墓地の清掃作業にボランティアとして参加した。この活動は、岐阜基地近郊(各務原市那加桐野町)に陸軍墓地があることを再認識するとともに、旧軍の郷土部隊である第3師団歩兵第68連隊等の慰霊を目的として、平成23年度から毎年、隊友会の清掃活動に協力しているもの。
 当日は、時折青空の覗く寒空の下、午前8時半に現地である陸軍墓地に集合した基地連合幹部会員61名は、隊友会会長の挨拶、事務局長の清掃方法説明の後、隊友会会員27名とともに墓地敷地内の落ち葉の集積にあたり、さわやかな汗を流した。今回は例年より若干落ち葉の量が多かったようだが、参加者の頑張りもあり、きれいに清掃ができた。清掃後は隊友会主催による慰霊行事が行われ、参加者全員で、同墓地に祀られている戦病没者299柱に対し慰霊を行った。
 岐阜基地連合幹部会は「今後も本ボランティアを通じて陸軍墓地の環境美化及び戦病没者の慰霊に協力していきたいと考えております。皆様も近くに立ち寄った際は、本墓地を訪れて手を合わせてみてはいかがでしょうか」としている。

第13期一般空曹候補生課程卒業式
<航空教育隊>
 航空教育隊(隊司令・小林努1空佐=防府南)は7月22日、第1教育群(防府南基地)及び第2教育群(熊谷基地)において第13期一般空曹候補生課程(601名)の卒業式を行った。
 航空教育隊司令は式辞において、「諸官は、名実ともに『き章』の輝く空曹候補生として立派に成長し、これから赴任する部隊においても、有望な人材として活躍するものと信じています。今後諸官はそれぞれの部隊、術科学校においても規則正しく真面目な生活態度を堅持し、いざという時に勇敢に振舞うことのできる航空自衛官を目指し、更なる精進に努めて貰いたいと思います(要旨)」と述べた。
 卒業式後に来賓や家族、基幹隊員が見守る中、卒業生による記念行進が行われ、学生は晴れやかな表情で堂々とした行進を披露し、たくさんの「おめでとう」という言葉と温かい拍手が基地内に鳴り響いた。
 卒業生達は約3カ月と3週間にわたりお世話になった教官や苦楽を共にした同期との別れを惜しみつつも、新たな任地へと期待を胸に巣立っていった。

近隣小学校にベルマーク寄贈
<空自幹部学校>
 7月12日、航空自衛隊幹部学校の上級空曹で構成される目黒准曹会(会長・畑准空尉=写真左から2番目)は、平成29年度から校内及び家庭で不要となったプリンターインクカートリッジを回収し、ベルマークに交換後、近隣小学校に寄贈している。今年度は、目黒区不動小学校に、収集したポイントを贈呈するため同校を訪問し、手渡した。

春日基地夏まつり開催
夏の夜空に華が咲く

 7月24日、春日基地夏まつりが開催された(主催‥春日基地・春日基地協賛会・春日基地協力会、協賛‥福岡地区自衛隊協力会)。
 ゲート前で入門を待つ来場者が多くなり、予定より6分早い17時24分に開門すると、子供達や浴衣を着た多くの来場者が勢いよく入門し、会場内のかき氷等の出店や、子供達を楽しませるストラックアウトゲーム等のブースに長い行列ができた。また、西部航空方面隊司令部・春日基地広報・厚生労働省麻薬取締部・自衛隊地方協力本部のブースも設けられ、来場者に向けての募集・広報活動も実施された。
 ステージアトラクションは、部外団体のダンスイベントから始まり、特に応援リーダー部の宙を舞うアクロバティックな演技と掛け声に来場者は大いに盛り上がった。その後、西部航空音楽隊が、楽曲「We Will Rock You」を演奏し、テンポの良いリズムに来場者が手拍子で合わせ、演奏と一体になった。続いて春日基地太鼓部の勇壮な演奏で夏の暑さを吹き飛ばした。主催者3人の挨拶の後、抽選会では、景品を求めて子供達が自分の抽選券を見ながら、主催者の引く当選番号に一喜一憂していた。日がすっかり暮れた後、大野城舞踊同好会による盆踊りが始まり、やがて多くの来場者も一緒に輪になって踊った。
 夏まつりは終盤を迎え、打ち上げ花火に期待が高まる中、轟音とともに夜空に花火が打ち上がり始めた。色鮮やかな花火が夜空に咲き、特に黄色の大輪が咲くと、来場者からは大きな歓声があがった。今回、春日基地がSNSを開設して広く夏まつりのイベントを宣伝した効果と、隊員のおもてなしの努力もあり、約1万3000人の来場者を迎え大成功を収めて終了した。


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