防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1008号 (2019年8月1日発行)
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ノーサイド
北原巖男
おじんの品格

 予断を許さない現下の国際情勢や外交問題。そして先日の参議院議員選挙など、国内外のさまざまな事象や動きを伝えるテレビ報道を見ていて、ふと気になる言葉が浮かんで参りました。
 「品格」
 どうすれば「品格」を身に着けられるか、「品格」のある人・政治家・国家とは。
 これについては、沢山の本が出版されています。「男の品格」、「女性の品格」、「議員の品格」、「政治家の品格」、「国家の品格」等々。
 まさか、この「品格」の問題が、僕自身にも突然降りかかって来るとは思いもよりませんでした。年齢を重ねるに従い、少なくとも「下品」とだけは思われたくない。そんな気持ちが年々強くなって来ているのですが…。
「先ほどのウエイターさん、一緒に居た○○さんには"Sir"を付けていたけれど、あなたには付けていなかったわ。人を見て使い分けているのね」
「そうかなぁ?全然気が付かなかった。僕がこんなラフなシャツを着ていたからじゃないの?」
「○○さんもポロシャツ。服装の問題じゃないよ。品格の違いだと思う。品格」
「……」
 驚きの格安海外ツアーで一緒になった○○さん夫妻。同じテーブルで歓談しながら夕食をしました。その直後に妻が発した最初の一言でした。思い当たるのは、僕は前かがみになって珍しい異国料理を食べることに夢中だったことぐらいなのですが…。
 いづれにしても妻が、そんな僕と○○さんを見比べ、明確な"差"を付けていたとは…。
 怖ろしいというか、恋人同士の時代だったらと思うとゾッとしました。僕を見ていたとき妻の視線や心中は、絶対に知りたくありません。熟年ナントカは、ひょっとするとこんなことがトリガーになるのかも知れない。気持ちはどんどんデフレスパイラルになって行きました。
 僕は、日本に帰るまで○○さんの一挙手一同が気になって仕方ありませんでした。そんな僕から見ても、彼は仕草がどことなく上品であり、小柄ですが背筋はピンと伸び、穏やかな話し方をされ、笑顔も素敵な方でした。食事時も背筋は伸び、優雅さが漂っているようにさえ見えて来ました。
 同時に僕自身のことも見えて来ました。僕は、今からでも彼のようにありたいと決意するに至りました。「品格」や「気品」、「上品さ」は、一朝一夕で身に着くものではありません。でも、それに向けた努力をするのに遅すぎることもまた無いはず。
 ここまで読み進んでくださった「防衛ホーム」の読者の皆さんは、「品格」の問題をどのように捉え、ご自身をどう見ていますでしょうか?
 妻に宣言しました。
「これからは意識して背筋を伸ばし、姿勢を正して行く。いつもイライラすることもしない。おじんの品格だ」
「そうよね。…これまでの全ての姿勢を正すこと。おじんの品格が、おじんのひんしゅくにならないようにね」
 
北原 巖男
(きたはらいわお)
元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

令和元年度感染症患者受入訓練
東京都と初実動訓練

<中央病院>
 7月6日、自衛隊中央病院(病院長・上部泰秀防衛技官=三宿)は、「令和元年度感染症患者受入訓練」を実施し、一類感染症対処能力の向上及び東京都福祉保健局、世田谷保健所、東京消防庁との連携要領の確立を図った。
 平成29年4月に、東京都から第一種感染症指定医療機関の指定(都内で4番目)を受けて始まった本訓練も、今年度で3回目。東京都主催の「一類感染症患者受入訓練」の枠組みで行われた。感染症患者受入訓練で東京都や関連機関と共に実動訓練を行うのは初めてのことだ。また、昨年三宿地区に移駐した対特殊武器衛生隊も初めて訓練に参加した。
【患者受入〜入床】
 13時30分、東京消防庁が保有する感染症患者専用車両からは、半透明のカバーで外部と隔離するアイソレータに収容された患者が運び出される。搬送したのは、東京消防庁隊員、世田谷保健所職員、東京都職員だ。玄関先で待ち構えているのは中央病院の医官と看護官。速やかにストレッチャーを移し変え、保健所職員から看護官に患者情報等の申送りがされた。玄関の脇にあるエレベーターは感染症病棟直通のものだ。他患者との接触を避ける経路で入床させた。
 中央病院は、一類感染症に対応する病床を2部屋(2床)保有している。陰圧構造で室内の空気が外に流れ出ることがない。今回初めて2部屋を使用して訓練を行った。1部屋は搬入直後を想定。バイタル測定、点滴等処置、行政検体採取等を行った。採取した検体は、別の場所で保健所職員との受け渡しが行われた。もう1部屋は搬入3日後、病状が悪化したと想定。カテーテルを挿入し、透析治療等を行った。
【指示が難しい
PPEの脱衣介助】
 一方、患者を引き渡した消防隊員らは、救急室除染室でPPE(personal protective equipment‥個人用防護具)の脱衣を行った。中央病院の看護官が介助しながら厳格な手順を踏んだ。PPE着脱の慣れには個人差があり、PPEにもメーカーごとの特徴がある。また、マスクで耳と口が塞がれるため指示が聞き取りづらくなる等、想像以上に時間がかかった。事後の意見交換会では、改善策が今後の課題としてあがった。
【医療従事者への負担と
その対策】
 危険度が非常に高い一類感染症の現場では、安全を確保するためのPPEはかなりの重装備となる。つなぎスーツ、ガウン、マスク、二重手袋、足カバー、ゴーグル、フェイスガード…。当然、普段と同じスピードでの動作はできない。二重手袋は手先の動きを制約する。密閉状態により、ゴーグルの曇りが視界を狭める。PAPR(電動ファン付き呼吸防護具)を試したが、大きくて重い等、改善の余地がありそうだ。
 そして何よりも医官・看護官への体力的な負担が大きく、2時間を越える連続での活動は体力が続かない。また、初めての試みとして、治療中に意識を失ってしまったスタッフの容態確認と最低限のPPE脱衣、搬出するまでの訓練も実施された。
【各機関との連携
目的は達成できた】
 訓練後の意見交換会では、研修として参加した内閣官房、厚生労働省、防衛省、部外医療機関等の約70名が活発な議論を約1時間行った。上部病院長は「東京都で感染症対処に係わる機関が一同に会し、この場で情報を共有したことは非常に大きい」と総括し、本訓練の意義を強調した。また事後のインタビューでは、関係機関との連携について「目的は達成できた」と振り返り「各機関がそれぞれの技能向上に資する訓練ができた」と評価した。平素の医療と訓練の両立について聞くと「両立するには時間は確かに足りない」としながらも、救急搬送された高齢者が実は結核や他の感染症に感染していたという実例から「日々危機感を持って勤務することが重要で、訓練のベースともなる」と述べた。

感染症対処基幹要員養成訓練
<札幌病院>
 自衛隊札幌病院(病院長・大鹿芳郎陸将)は、6月4日・5日感染症対処基幹要員養成訓練を実施した。
 本訓練は、新型インフルエンザ等の強毒性感染症対処における初動態勢を確立することを目的として、院内の基幹要員及び北方の衛生科隊員(計45名)がPPE(personal protective equipment‥個人用防護具)の着脱要領を演練した。
 参加者は、PPE及びN95マスクそれぞれの正しい装脱着について反復演練し練度向上を図った。
 また、感染症対策用陰圧式エアテントシステムの展張要領を演練し、テント内の空気が外にもれない様に陰圧に保ち、HEPAフィルタによるろ過、紫外線による殺菌(多目的空気清浄機)や、病室等の広範囲な環境表面を消毒できる、超微粒子噴霧除菌消毒機(シャットノクサス)などの使用方法を学び、強毒性感染症によるパンデミックへの対処の実効性向上を図った。

女性隊舎を改修
<板妻駐屯地>
 板妻駐屯地(司令・深田満男1陸佐)は7月16日、板妻駐屯地女性自衛官宿舎を改修し新たな受け入れ態勢を確立した。
 女性自衛官宿舎は、これまで25号隊舎3階西側の半フロアを使用し、第34普通科連隊等の営内者用に2個居室8名、第3陸曹教育隊の学生用に3個居室12名を割当ていたが、昨今の女性活躍推進施策等を踏まえて、第3陸曹教育隊における女性枠の増加や女性予備自衛官召集訓練等に対応するため、3階全フロアを改修し、今後は学生用の6個居室24名、営内者用の4個居室16名とそれぞれ2倍に増員するともに、外来用2個居室12名を新設し新たな受け入れ態勢を確立した。外来については、これまで駒門や滝ヶ原駐屯地での宿泊を余儀なくされていたので、入浴・宿泊ともに当駐屯地のみで対応可能となり利便性が向上すると上野業務隊長は語る。
 更には、フロア中央にWiFi付自動販売機の導入(女性自衛官宿舎フロア内への設置は富士地区では初)も計画しており、引き続き営内生活環境の魅力化を追求していく。

中・重砲長距離射撃訓練
<第22即応機動連隊>
 第22即応機動連隊(連隊長・大場智覚1陸佐=多賀城)は、6月27日から7月11日までの間、「令和元年度中・重砲長距離射撃訓練」を矢臼別演習場(北海道別海町)で実施した。
 本訓練は、火力支援中隊(辻3陸佐)を基幹とし、長距離機動・長距離での普段なかなか機会のない射撃錬度の向上を図る事を目的として実施した。
 長距離機動(多賀城駐屯地〜弘前駐屯地〜東千歳駐屯地〜矢臼別演習場)は、約1100kmを整斉と行動し、長距離射撃においては、各級指揮官の明確な企図のもと、基本・基礎動作の確行が徹底され、火力戦闘部隊として迅速・正確な火力発揮について演錬した。
 参加した各隊員は緊張しつつも、真剣に訓練し取り組み、更なる戦力化への躍進を誓い北の大地を後にした。

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