防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1001号 (2019年4月15日発行)
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読史随感
神田淳
<第27回>

脱亜論
福沢諭吉の絶望と慧眼

 明治を代表する思想家・福澤諭吉が、明治18年(1885)『脱亜論』を説いたことはよく知られている。曰く、「日本は西洋文明の東進に接し、国の独立を全うするため、体制を変革して国家国民的規模で西洋文明を受け入れた。しかし、近隣のシナ(中国)、朝鮮の二国は、百千年の古風旧慣に恋々とし、改進の道を知らない。日本との精神的隔たりはあまりにも大きい。教育は儒教主義で、一から十に至るまで外見の虚飾のみを事とし、実際においては真理原則の知見もなく、道徳も地に落ち、なお傲然として自省の念がない。この二国は文明東進の情勢にあって、独立を維持することはできないだろう。しかるに西洋人は、日本、シナ、朝鮮の三国を同一視し、シナ、朝鮮の評価で日本を判断する。その影響が現実にあらわれ、間接にわが外交上の障害となることは少なくない。日本は隣国の開明を待ち、共にアジアを発展させる余裕はない。むしろその仲間から脱出し、西洋の文明国と進退を共にし、シナ、朝鮮に接する方法も隣国だからと特別の配慮をすることなく、まさに西洋人がこれに接するようにやればよい。悪友と親しく交わる者も、また悪名を免れない。自分は心の中で東アジアの悪友を謝絶する(以上要点のみ)」
 福澤の脱亜論は、アジア蔑視論として当然中国、韓国に極めて不評であるだけでなく、戦後の日本の歴史家もこれを批判している。しかし、実際、この脱亜論は、朝鮮の近代化を積極的に支援してきた福澤の、挫折と失望の表明であった。福澤は近代化を進めようとする朝鮮の金玉均、朴泳孝などの改革派官僚に様々な支援をしていたが、改革派によるクーデターは、清国(中国)軍によって鎮圧され(甲申事変)、改革派官僚はその三親等に至るまで残忍な方法で処刑された。
 福澤は朝鮮とシナの固陋に深く失望し、朝鮮の近代化支援を断念した。そして、西洋列強の野望渦巻く過酷な国際情勢下で、日本が共にアジアを興す余裕はなく、日本の独立を全うするために、シナ、朝鮮と袂を分かつべきだという脱亜論となった。
 福澤はその後明治30年(1897)、朝鮮について「事実を見るべし」として時事新報社説に書く、「本来朝鮮人は数百年来儒教の中毒症に陥りたる人民にして、常に道徳仁義を口にしながら、その衷心の腐敗醜穢、ほとんど名状すべからず。上下一般、共に偽君子の巣窟にして、一人として信を置くに足るものなきは、我輩が年来の経験に徴するも明白なり。さればかかる国人に対していかなる約束を結ぶも、背信違約は彼らの持前にして豪も意に介することなし。すでに従来の国交際上にもしばしば実験したる所なれば、朝鮮人を相手の約束ならば最初より無効のものと覚悟して、事実上に自ら実を収むるの他なきのみ」、と。
 現在、韓国が慰安婦問題や徴用工問題で、また北朝鮮が拉致問題で国家間の約束を平然と無視することに日本はいらだっているが、今から120年前の福澤の文章に接して、福澤の慧眼に驚くとともに、朝鮮(韓国、北朝鮮)は全く変わっていないことに気づく。
 絶望した福澤が、日本の独立を全うするために結論した朝鮮との付き合い方は、現在でも有効ではなかろうか。福澤の時代もそうであったように、朝鮮半島・中国との関係は、日本の国の安全保障に直結している。今も日本に求められる最も大切なことは、ゆるぎない自国の独立である。
(2019年4月8日)

神田 淳(かんだすなお)
 高知工科大学客員教授
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』(https://utsukushii-nihon.themedia.jp/)など。


第1回学生交流会
<第1陸曹教育隊>
 第1陸曹教育隊(隊長・古越万紀人2陸佐=東千歳)は、3月15日に最先任上級曹長課程と陸曹候補生課程の学生249名による「学生交流会」を実施した。
 これは、両課程学生間の交流を深め、准曹最高学府の最先任上級曹長課程学生が陸曹候補生の学生に模範を示し、目標にさせることを目的とする第1陸曹教育隊初の試みである。最先任上級曹長課程学生が騎馬戦を企画し、各課程学生長が入念な打合せを実施して、今後伝統となるであろう記念すべき第1回学生交流会を成功させた。
 各教育中隊毎の口上合戦を皮切りに、全学生総当りによる騎馬戦の火蓋が切られた。最先任上級曹長課程学生は百戦錬磨の経験を踏まえた戦術・戦法を駆使し大健闘により決勝に勝ち残るも、若い力に敗れ第2位となり、後輩に花をもたせ、学生交流会は大いに盛り上がった。
 決戦の後は円陣を組み第1陸曹教育隊歌の合唱及び記念撮影により心を一つにして、最後に第1陸曹教育隊最先任上級曹長の立元准陸尉が「第1陸曹教育隊で教育を受けた同じ仲間(先輩・後輩)として、戦士(防人)としての高い誇りをもち、新たな時代へ突き進んで行こう!」と労いと決意を述べて、幕を閉じた。

過去最多の参加者 クリーン作戦
<北千歳駐屯地>
 3月19日、北千歳駐屯地修親会(会長・片岡義博陸将補)及び北千歳駐屯地曹友会(会長・渡辺陸曹長)の会員計390名は、隊友会千歳支部(支部長・岡昭雄氏)の有志6名の参加を得て、駐屯地周辺のクリーン作戦を行った。
 この活動は、隊員が駐屯地外柵及び駐屯地に隣接する町内の清掃を実施し、駐屯地周辺地域の環境美化を図る奉仕活動として、平成2年から続いている春の恒例事業となっている。
 参加した隊員は朝7時から担当各地区に分かれ、雪解けとともに顔をだした道路や歩道のゴミを拾い集め、約1時間の作業で、約50kgのゴミを回収した。
 曹友会会長・渡辺曹長は、集積されたゴミを前に「過去最多の参加者のお陰でこんなにもたくさんのゴミを集めることができました。これからも様々な活動を通じ、地域貢献と市民及びOB(隊友会)との一体感の醸成に寄与したい」と述べ、「市民と共生する北千歳駐屯地」として更なる活動の実施に向け意欲を表した。

正門門標の架け替え、案内看板新設の除幕式
<金沢駐屯地>
 金沢駐屯地(司令・梨木信吾1陸佐)は3月26日、駐屯地正門の「陸上自衛隊金沢駐屯」及び「第14普通科連隊」の門標架け替えと、駐屯地の所在を明確にする案内看板新設に伴う除幕式を行った。
 午前11時に開始された除幕式には、梨木司令、第14普通科連隊副連隊長の前田2陸佐及び各中隊長、3月23日に上番した連隊最先任上級曹長の階元准陸尉、駐屯地諸隊の各部隊長のほか、駐屯地研修に訪れていた石川県能美市家族会(会長・中正章氏)の会員15名が参加し、正門の門標2枚と新設された案内看板2箇所での除幕を祝った。
 架け替え以前の駐屯地及び14連隊の門標は、平成12年5月に石川県出身で当時の防衛庁長官、故・瓦力氏が初度視察の際に揮毫した木製の門標で、約19年間に渡って掲げられていた。その文字を形取っている新たな「陸上自衛隊金沢駐屯地」及び「第14普通科連隊」の各門標は、砲金製で、駐屯地と連隊の顔として光り輝き、耐久性に優れたものとなった。
 駐屯地正門に続く県道に向けて新設された案内看板には、北陸3県に根ざし、あらゆる任務に立ち向かう隊員の心意気が表現されており、災害派遣等で他県の部隊が駐屯地を目指して前進する際の目印として、また、各種イベント等で駐屯地を訪れる方々のアクセスを容易にするために新設された。

境川清掃ボランティア
<別府駐屯地>
 別府駐屯地(司令・山田憲和1陸佐)は、3月24日に実施された境川清掃ボランティアに修親会の幹部30名・曹友会の陸曹28名・陸士会の陸士21名・自衛隊別府病院2名の81名をもって参加した。
 本事業は平成30年より、毎年4月に行われるべっぷ鶴見岳一気登山大会(今年で32回目となり海抜0mから1375mの鶴見岳山頂まで車道を一切通らない日本唯一の大会)前に「駐屯地に接している境川をきれいにする」また「登山参加者に気持ち良く楽しんでいただく」事をねらいとし、あわせて、地域住民の方々に防衛省・自衛隊更には別府駐屯地への理解の促進を図る事を目的として、今年で2回目の実施となった。
 境川は、大分県別府市を流れ別府湾に注ぐ2級河川で3月下旬から5月5日までの間、川の両岸の間に多数のこいのぼりが飾られて春の風物詩となっている。
 清掃活動は、別府市の海岸清掃組と上流から下流へ下るコース、下流(海抜0m)から上流へ登るコースの3班に分かれて実施した。参加した隊員たちは、境川を守る会や周辺自治会の方々と連携しながら缶やペットボトルなどのゴミや川の中にあるゴミも拾い集めた。回収したゴミは約80袋(草刈りの草含め)もあり別府市の支援を頂き処理する事が出来た。清掃活動に参加した第2中隊・前田克之3陸尉は「境川清掃を通じて環境の美化を図るとともに、地域の方々と交流する事が出来ました。鶴見岳一気登山の際に美しい別府の街を楽しんでいただけたら幸いです。来年も是非参加します」とコメントした。
 今活動で地域住民との親睦を深め自衛隊に対する理解を深める事が出来た。

生活・勤務環境整備モデル駐屯地として看板をリニューアル
<施設学校>
 平成30年度は、陸上幕僚監部から「駐屯地における生活・勤務環境の整備(試行)」が通達され、陸上幕僚長からも施設学校に対しモデル駐屯地としてその施策を具現するよう命ぜられ、継続的な清掃等による「自ら整備する気概」、建物塗装等に代表される「使用者による整備の計画的推進」、「職種の特性を最大限活用した自隊施工の推進」及び「情報の見える化・共有化」を4つの柱として、これらをサイクルさせることにより、「精強な部隊隊員の育成」に繋げる各種施策に取り組んできました。
 この取組みの一環として、2月末に駐屯地看板をリニューアルしました。看板の製作にあたっては陸幕施設課の意見をいただきながら、訪問者等の見る側の印象(視認性)を考慮し、字体や余白等のデザインやバランス、材質にこだわり、今後の陸上自衛隊の看板の規準(一例)を具現できたものと思いを込めて、今後施設学校ポータルにおいて情報提供する予定です。
 また、エンジニアセンター内の茨城県殉職隊員の顕彰室扉を事務室仕様の簡素なものから落ち着きのある木製扉に交換し、ご遺族の気持ちに最大限寄り添う等、部外者目線を最大限考慮した環境整備も始めています。
 更に、従来から実施している自隊施工の推進においては、施設教導隊の訓練検閲に連接した構内道路舗装工事や構内排水路整備等を行い、駐屯地の基盤整備の促進を図りつつ、環境整備のサイクルを継続的に推進しています。
 新年度は、作成した中期計画を具現する初年度であり、「各部隊が実施する軽易な整備」の円滑な促進が図れるよう、施設学校ポータルにおいて生活・勤務環境整備に係る各種作業に資するマニュアルと、陸幕施設課と連携し情報収集する全国各部隊が実施した整備の状況の掲示等、生活・勤務環境整備のノウハウを蓄積・活用出来る情報発信サイトを順次整備する予定です。

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