防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   986号 (2018年9月1日発行)
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LIFEHACK CHANNEL
待望のセカンドシーズンスタート!
新CM「それぞれの思い」公開中
〈陸幕人事教育部募集・援護課〉
 待望のセカンドシーズンがスタート!前年度、陸幕人事教育部募集・援護課がお届けした「LIFEHACK CHANNEL」。自衛隊に伝わる、いざというときに知っておくと役立つ知識やノウハウを惜しみなく公開した動画は、多方面で話題となり好評を博した。そして8月8日からスタートしたSeason2では、五輪メダリストを輩出する自衛隊体育学校が全面監修し、泳ぎ方からメタボ対策まで健康的な生活を送るための自衛隊LIFEHACKを公開していく。
 その第1弾はこの時期にぴったりの「スイムハック」。泳ぎが苦手な人必見、クロールや自衛隊式!平泳ぎの水泳上達方法をわかりやすく解説。また、海や川に落ちたとき、服を着たまま上手く泳ぐ方法も公開。これを見ていればいざというときに慌てずにすむかもしれない。
 今後も「雨の多い季節に役立つ土のうの作り方」「メタボ対策にばっちり?な自衛隊式ダイエット法」など、ユニークかつ実践的な知識やノウハウが満載の動画を順次公開予定だ。
【自衛隊LIFEHACK】が書籍化
 前年度公開された動画の内容を含む、災害時や日常生活に役立つ100のテクニックを収録した『自衛隊防災BOOK』(マガジンハウス社 1296円)が8月9日に出版された。防災グッズと一緒にいかがだろうか。
【平成30年度自衛官募集CM〜「それぞれの思い」篇〜公開中】
 本年度の募集テーマは「あなたの思いが、この国を守る力になる」。いざというとき、国民を守るために日々訓練を積む自衛官。新CMでは、そんな彼ら彼女らの思いをインタビューと活動紹介の映像で、もっと身近に感じてもらうことができるだろう。自衛官募集HPやテレビ、各媒体で見ることができる。
 「LIFEHACK」や新CMが視聴できる自衛官募集HPは、(http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/)

総火演バックヤードツアー
大学生・協力者約120名が「裏側」を研修
〈東京地本〉
 自衛隊東京地方協力本部(本部長・荒井正芳陸将補)は、大学生や協力者を対象に「総火演バックヤードツアー」を行った。出席者は3日間で約120名という大人気ツアーだ。
 8月26日に開催される「富士総合火力演習」を違う角度からみてみようというこの企画。
 今回は富士教導団の特科教導隊の支援を受けて行われた。155mm榴弾砲FH70が数十m前に10数門配置されている場所でマイクロバスを降り、そこで実弾射撃を目の前で研修した。参加した人からは「爆音、爆風が凄い」「あの弾丸、どこまで飛ぶのかな?」などの声が聞かれた。155mmりゅう弾砲FH70の曳火射撃の陣地を見学して説明を聞き、射撃陣地の発射音、弾着の曳火の光、弾着音等が入り乱れ、「距離感が解らなくなる」という経験もした。
 また、303観測中隊では、温度や湿度、風向き等を計算して射撃の命中率を高めたり、敵の発射位置や着弾位置を計算するなどの説明を受け、熱心に聞き入っていた。富士総合火力演習が行われる前から泊まり込みで準備をし、国民の自衛隊に対する理解を得るために、様々な工夫をしながら頑張っている隊員の姿を目の当たりにした。宿営地で聞いた「演習中、不自由なのは当たり前で、その中で如何に心地良く過ごすか工夫している」という言葉に「災害派遣などでの活躍も似た気持ちなのかな」との感想が聞かれた。
 「演習場に入るまで、街灯も目印も何もない、演習場の外も演習場だね」「何日も前からこんな過酷な毎日を送っているなんて知らなかった」「災害派遣で活躍している自衛官に憧れていたが、通じるものがあるね」など様々な感想を持ち帰路に着いた。

ノーサイド
北原巖男
エッ、そういう意味なんですか?
 隊員の皆さんが、日常何気なく使っている言葉。通常、発言者が念頭に置いている言葉の意味や思いと、その言葉を受け取る人の受け止め方や理解の間に大きな齟齬を生ずることはありません。
 もし、発言者の言葉が理解できない方言などであった場合、受け取り側は、その意味を質問すれば足ります。例えば、私のふるさと長野県伊那地方で当たり前に発せられる「ごしたい」は、妻のふるさと大分県では「よだきい」。いずれも「疲れたなぁ」の意味。お互い意味を知って「あっ、そう」程度の受け止め方ですが、誤解を生ずることはありません。もちろん私は、「ごしたい」の方が疲れたときの実感がよりよく出ていると確信していますが、大分出身の隊員の皆さんは、「そりやぁ、よだきいだよ!」でしょう。
 むしろ怖いのは、普通の言葉です。地方や使う人によって意味や思いが異なりとんでもない誤解を生じたり、傷ついたり、頭に来たり、人間関係をおかしくさせかねないときがあります。読者の皆さんも、少なからずそんな体験があるのではないでしょうか。私が経験した一例は…
■「むごい」
 母「なんつう、むごいことをするだい」 妻「えっ…」 妻に叱られ泣いている幼い孫を抱き上げた母が言った「むごいことをする」。妻はとても落ち込みました。自分を責めていました。しかし、しばらくして、母は「むごい」を単に「可哀そう」の意味に使っていることが分かりました。妻にも笑顔が戻り、今や姑となった妻は、「むごいね」と言いながら孫をあやしています。
■卑怯
 伯母「うちの□□は、小さい頃は卑怯な子だったが、大きくなって変わった」もちろん伯母は「気が弱い」の意味で使っていたのですが、我が子を卑怯と断じたときはびっくりしました。辞書には気が弱い意味も書いてありますが、一般の受け止め方は、まさに卑劣。親以外の人が発したら大変なことになる言葉です。気を付けましょう。
■「…しましょうね」
 沖縄に赴任し那覇市役所に住所変更届を提出に行きました。多くの隊員の皆さんも経験があると思います。とても親切な窓口の女性でしたが、彼女の発した言葉に、実はカチンと来ました。曰く「ここに書きましょうね」。まるで子供を諭すような言い方。大人に対して失礼じゃないか、と瞬間的に反発の気持ちを抱いたのです。でも、2年間の沖縄在任中、「…しましょうね」と何度も親切に言われる中で、むしろ沖縄の皆さんの温かい気持ちが込められた丁寧な言葉であることに気づいたのです。
 心に響く言葉です。
 しかし同時に、私自身の経験から、沖縄の皆さんが本土に行かれたときに、この言葉は最も誤解され易い危険を持つ言葉ではないか、あらぬ反発を招きかねない言葉ではないか、理由も分からないままに発した自分がひどく傷つくことがあり得る言葉ではないか、との率直な心配を今も禁じ得ません。くれぐれも気を付けてください。
■「AVO(アボー)」
 東ティモールの言葉で、AVOは、おじいさんのこと。私もAVOと呼ばれています。(ニックネームは、AvoKiikOan:じっちゃんあんちゃん)同国に住んでいたとき、人々が「AVOがいる!」と大騒ぎしながら橋の上に詰め掛けて行きました。「さては、おじいさんが川の中で倒れているのでは」と急いで駆けつけました。そこで見たのは、大きな1匹のワニ。東ティモールには、ワニが洋上に止まって出来た国とのワニ伝説があります。人々が、ワニのことをAVOと呼んで、とても大切にしていることを、その時初めて知りました。ちなみに、AVOに食われる事故も起きていますが、東ティモールでは、「食われる人が悪い」ことになっています。
■DAME(ダメ)
 東ティモールのDAME(ダメ)は、日本語のダメ、NOではありません。ダメはとても大切な言葉。「平和」を意味します。発音は同じでも、日本語と東ティモールの言葉とでは、全く意味が異なります。早とちりすると大変なことになります。世界には、このような言葉も多いかもしれませんね。
北原 巖男
(きたはらいわお)
中央大学。70歳。長野県伊那市高遠町出身。元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長

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