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自衛隊ニュース   983号 (2018年7月15日発行)
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防災訓練

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18普連
 第18普通科連隊(連隊長・渡邊孝太郎1陸佐=真駒内)は、6月17日に、札幌市東区東雁来町の豊平川河川敷において、北海道庁、北海道開発局及び札幌市等の主催で行われた「平成30年度石狩川水系豊平川総合水防演習」に参加し、連隊の災害対処能力の向上及び各関係機関との連携を図るとともに、併せて連隊が保有する装備品を展示し、地域住民の自衛隊に対する理解の促進に努めた。
 本演習は、国土地理院北海道地方測量部、北海道警察をはじめ公的機関など関係機関31団体人員約900名が参加した大規模災害演習である。各機関のヘリコプター及び土砂崩落による埋没車両に実機・実車両を使用し、道路封鎖や避難住民の受入れ状況等、事前に撮影した映像を2台の大型車載オーロラビジョンにより放映するという、大規模かつ実践的なシナリオで行われた。訓練内容は「土砂災害対策訓練」に引き続き、「洪水対策訓練」が実施された。
 当初、連隊は「洪水対策訓練」に参加。豊平川の増水による堤防周辺での水害を防止するため、小隊長・佐藤3陸尉の指揮の下、水防工法のひとつである「釜段工法」(漏水箇所が堤防から離れた部分で発生した場合に使用される工法)により迅速・確実に土のうを積み上げた。
 じ後、連隊の野外炊事車により400名分の白米を炊出し、赤十字奉仕団の支援のもと、約800個のおにぎりを作成して、演習参加者に配布し好評を得た。
 また、演習会場内に設けられた「地域交流会場」においては、災害発生時に用いられる連隊の装備品である車両、偵察用ボートを展示するとともに、高機動車の体験試乗を行い、本演習を盛り上げ、任務を完遂することができた。
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松本駐屯地
 松本駐屯地(司令・岩原傑1陸佐)は4月27日、首都直下地震を想定した災害派遣の応急出動訓練を実施して、駐屯地及び駐屯各部隊の即応態勢を確認するとともに、各種問題点を改善してその即応態勢強化を図った。
 この訓練は、首都直下型の大地震により東京都周辺に甚大な被害が発生し、第13普通科連隊及び第306施設隊(隊長・佐久間忍2陸佐)等の駐屯主力部隊が即時救援活動のため被災地に出発するまでの準備状況を確認・検証したもので、毎年1回、人事異動後に行われている。
 朝5時に電話及びメールにより緊急登庁の命令を受けた隊員は、速やかに駐屯地に登庁、各部隊長の指揮のもと出動準備に取りかかる。
 まず常時1時間以内に派遣できる態勢にあるFF(ファストフォース)が出動準備を完了。
 続いて主力の各部(中)隊毎、被災地の救援活動に必要な装備品、糧食、水などの補給品、人命救助に必要な各種資材の積み込みを実施した。またこれを支援するため、松本駐屯地業務隊(隊長・花里圭祐2陸佐)の補給科がフル稼働、積み込み時の混雑を避けるために、あらかじめ考案されたラウンド方式で各部隊に短時間で各種補給品の払い出しを終えた。
 この間、駐屯地指揮所では被災地の被災状況や前進に関わる各種情報の収集や分析が行われ前進要領が決定され次々と命令が下達。
 派遣部隊の「前進準備完了」の報告を受けた岩原司令は、訓練を一時中止し、準備された車両や積載物品を一つひとつ確認・指導して訓練を修了した。
 今回は首都直下地震を想定した訓練であったが、松本駐屯地は長野県全域の災害派遣を担当する唯一の自衛部隊としてあらゆる事態に即応できる態勢を維持・強化するとともに各対処能力の向上のための訓練を実施していく。

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