防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   980号 (2018年6月1日発行)
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読史随感
<第6回>
立憲君主制が良い
 第二次世界大戦末期、ドイツの戦後処理問題を話し合うために、ポツダムに集まった連合国首脳の一人アーネスト・べヴィン(イギリス外相)はこう言った。
 「先の世界大戦(第一次大戦)後にドイツ皇帝の体制を崩壊させなかったほうがよかった。ドイツ人を立憲君主制の方向に指導したほうがずっとよかったのだ。彼らから象徴(シンボル)を奪い去ってしまったがために、ヒトラーのような男をのさばらせる心理的門戸を開いてしまったのであるから」
 今日世界では共和制をとる国が大半で、君主制の国は少ない。しかし私はいわゆる立憲君主制が、歴史の試練を経た最良の国家の統治形態だと思う。
 イギリス、オランダ、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどが立憲君主制の国であるが、政治は民主主義で安定しており、豊かである。そして、スウェーデン、ノルウェー、デンマークは社会福祉の先進国である。
 ヨーロッパの大国ドイツ、フランス、ロシアもかつては君主制の国であった。ドイツの君主制(皇帝)をなくしたあとの国の変化(不安定化)に対する、政治的に成熟した目をもつイギリス人の否定的な見方は前述した。
 フランスも君主制であったが、大革命で国王をギロチンにかけ、共和制となった。しかし、革命は皇帝ナポレオンを生んだ。その後王制復古、共和制、帝政(ナポレオン3世)、共和制と移り、現在はド・ゴールに始まる第五共和政である。私は、フランスも君主制を残してイギリスのような進路をたどった方が、深い文化をもつもっと良い国になったのではないかと思っている。
 ロシアはロシア革命でロマノフ王朝を倒し、ソ連となった。しかしこの社会主義共和国は独裁者スターリンを生んだ。共産主義による統治は、人々に豊かさをもたらさず、悲惨な体験をさせ、80年経たずして崩壊した。
 君主という世襲の元首の存在は国を安定させる。これは歴史を見れば明らかである。国の統治には、国の伝統を背負い、国民がうやまい、納得する権威と尊厳をもつ元首の存在が必要である。
 イギリスは清教徒革命で17世紀半ば、一時王制を廃した。しかし間もなく王制を復活し、名誉革命で君主制を維持した議会主権を確立する。以後イギリスは興隆する。議院内閣制、政党政治といったイギリスの議会政治は、世界における立憲君主制のモデルとみなされるようになった。
 日本も立憲君主国である。日本国憲法によって天皇は、「統治権の総覧者」から「国民統合の象徴」に変わったが、天皇が君主であり、元首であることは変わっていない。天皇は戦前の大日本帝国憲法においても、実体は象徴であった。
 皇室は、日本の国に大きな安定をもたらしてきた。天皇は「立憲」君主となるはるかに昔から、日本国を体現する存在であった。天皇は歴史の早い時期に、政治的統治者の上に立つ権威となっていた。このような長い伝統をもつ存在は世界に例がない。
 日本の天皇制は、国を安定させる立派な立憲君主制である。しかし、立憲君主制の成否は、国民の議会政治での成熟度に依存する。皇室という優れた伝統を生かすために、我々は議会民主主義による国家統治の成熟した能力をもちたい。
(2018年5月24日)
  
神田 淳(かんだすなお)
 高知工科大学客員教授
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』などがある。

地域と共に 記念行事
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49普連 14周年
 第49普通科連隊(連隊長・前野直樹1陸佐=豊川)は、4月1日、豊川駐屯地において連隊創隊14周年記念行事を執り行った。
 行事は、隊員の士気高揚及び団結の強化を図るとともに、隊員家族及び協力団体等と共に祝し相互の親睦を図ることを目的として行い、感謝状贈呈式、参加者全員での記念撮影、祝賀懇親会(バーベキュー形式)、連隊曹友会主催の各種アトラクション、職場見学などを実施した。
 行事開始に先立ち前野連隊長は、昨今の国内外情勢に鑑み「我々は何時如何なる場合においても、国民の命と平和な暮らしを守る責務をしっかりと果たさなければならない。本日から平成30年度が始まった訳であるが、あらゆる任務に即応すべく個人そして連隊の内外における連携を密接にし、個人又は部隊としての実力を涵養するとともに、日々のあらゆる場面において創意を尽くし進歩・向上を図ってもらいたい。今年度も常備・即自そして連隊が一丸となって任務の完遂に邁進しようではないか」と力強く語った。
 当日は、穏やかな天候に恵まれるとともに例年になく桜の花が満開の下での開催となり、隊員らは連隊後援会・OB及び隊員家族等(61家族186名)とともに、各種アトラクション(宝ひろい徒競争、ジャンケン大会、ビンゴ大会、三河陣太鼓演舞、常設のキッズパークコーナー)をはじめ、職場見学(ボルダリング、ロープ橋(低所)、制服等試着、装備品展示、体験試乗)など大いに賑わった。
 また、行事に先立ち定期異動に伴う転入家族オリエンテーション(部隊概要説明、共済事業説明など)も併せて行い、転入家族の部隊に対する信頼感の醸成を図った。
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北富士 58周年
 いまだ冠雪の残る霊峰富士の見守るなか、4月22日、北富士駐屯地(司令・林佐光1陸佐)は、創立58周年記念行事を挙行した。
 当日は、例年にないほどの快晴と、穏やかな陽気に恵まれ、山梨県知事、地元選出の国会議員6名、県内の市町村長や県議会議員など数多くの来賓が参列した。
 観閲式では、部隊が駐屯地司令と山梨県知事の巡閲を受けた後、司令の式辞と県知事をはじめとする来賓の祝辞へと続いた。特に林司令は式辞において、県内唯一の駐屯地であることと、防災関係機関との緊密な連携が必要であるとの認識を示したうえで「地域社会から愛される駐屯地を造り、我々の活動に対するご理解とご協力が更に得られるよう努力していく」と、訪れた約3300人の来場者に決意表明をした。
 訓練展示の第1部では、第1音楽隊と第1特科隊のラッパ隊に加え105mmりゅう弾砲を用いた礼砲とのコラボレーション演奏を実施し観衆を沸かせ、第2部ではオートバイによる陣地偵察、レンジャー隊員によるリペリング、155mmりゅう弾砲FH-70による火力戦闘を展示、迫力の4門一斉射3連発を披露した。
 また、今回初めての試みとして、吉田高校、富士北稜高校、富士河口湖高校の吹奏楽部と第1音楽隊の合同演奏を実施し、集まった観客や保護者をそのキラキラしたフレッシュな演奏で魅了した。
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6師団・神町駐屯地創立記念行事に参加
<20普連>
 4月15日、神町駐屯地で行われた「第6師団創立56周年・神町駐屯地創立62周年記念行事」において、第20普通科連隊(連隊長・直井卓1陸佐)は、記念式典の観閲式・観閲行進、戦闘訓練展示、連隊が保有する装備品等の展示を行い参加した。
 観閲行進では、徒歩による観閲行進を、陸軍分列行進曲「抜刀隊」の曲で20連隊が行進し、威風堂々と威容を示すとともに、戦闘訓練展示では、第1中隊長(小笠原茂幸1陸尉)の指揮により、支援部隊である第6特科連隊、第6戦車大隊、第6高射特科大隊、第6飛行隊、第6偵察隊などとともに、火力・機動力などの総合戦闘力を発揮した迫力ある戦闘訓練を展開し、訪れた観客を魅了した。
 当日は、駐屯地内の桜並木は満開の一歩手前で、ときおり強い風の吹く天候であったが、駐屯地には約8000人の来場者が訪れ、記念行事は盛大に行われ、大いに賑わった。また、中隊ごと懇談をする場を設け、訪れたOBの方々と昔話をするなど和やかな一日となった。

テーマは「覚醒」
陸上自衛隊高等工科学校
 4月29日、陸上自衛隊高等工科学校(学校長・堀江佑一陸将補=武山)は、体育大会を実施した。初夏の陽気な天候のもと、多くの保護者や関係者が生徒達の活躍を見守った。
 今年度は大会実行委員長・佐藤生徒をはじめとする62期生の3学年が中心となり、全生徒が胸の内に秘める力を発揮させ、新たな自分の発見をしてほしいという願いが込められた「覚醒」をテーマに実施された。開会式で堀江学校長は「目標を達成するため全力を尽くせ」「友情を育み、団結力を発揮せよ」「安全管理を徹底せよ」の3つを要望。「自衛隊生徒らしさを存分に発揮して、歴史ある体育大会の伝統を見事に継承することを祈念する」と訓示した。
 各学年の同一区隊(対称区隊)を1チームとして編成した全11コチームは、「パフォーマンス合戦」、1学年は制服、2・3学年は迷彩服を着て走るリレー「自衛官の道」、中央にある5本の棒を取り合う「Pull The Stick」、「騎馬戦」等10の競技で全力を尽くした。団結心・協調性を涵養するとともに、リーダーシップ、融和団結及び創造性を発揮させることを目的とする体育大会は、今年度も成功裏に閉会した。

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