防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   966号 (2017年11月1日発行)
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地域とともに周年記念行事


平成29年度 在外邦人等保護措置訓練(国外)
宇都宮、小牧、ジブチ等で実施
 自衛隊は、9月25日から10月2日まで、宇都宮駐屯地、小牧基地及びジブチ共和国等で「平成29年度在外邦人等保護措置訓練(国外)」を実施した。
 これは、昨年7月の南スーダン共和国の首都ジュバでの衝突事案に際しての邦人輸送、バングラデシュにおける事案を踏まえ、突発的に在外邦人等の輸送又は在外邦人等の保護措置のニーズが発生した場合においても、迅速かつ安全に対応できるようにすることが目的。実際に部隊及び装備品等を部外へ展開させ、さらに現地において各種訓練を実施した。
 日本国内においては、実動により陸上自衛隊の部隊の移動、航空機への装備品の積載及び輸送に係る各種調整を実施した。
 ジブチ共和国においては、陸上輸送訓練、航空機の運航等について訓練した。また、在ジブチ米軍の協力を得て、車両の航空機への搭載訓練並びに自衛隊と米軍との連携・調整要領に関して机上検討を行った。
 陸上輸送訓練では、ジブチ陸軍演習場内で陸上輸送及びそれに伴う措置といった、現地で想定される一連の活動等について実動訓練を行い、「在外邦人等の一時集合場所が暴徒に取り囲まれてしまった場合」、「唯一の輸送経路がバリケードで通行妨害にあってしまった場合」等における、武器を使用した対処等について訓練した。
 航空機の運航訓練では、エジプト・アラブ共和国及びエチオピア連邦民主共和国への運航を実施した。

福島駐屯地 64周年

 福島駐屯地(司令・黒羽明1陸佐)は10月1日、駐屯地創立64周年記念行事を挙行し、晴天にも恵まれ約6000名の来場者が訪れた。
 式典で黒羽司令は、「震災、台風、火山など災害にも迅速に対応できるように、技術や心身を磨いて国民の安全・安心を守る」と式辞を述べた。また、来賓を始め温かい祝辞が贈られた。
 引き続き、観閲行進では多くの来場者の前で堂々と行進を行うとともに、迫力ある訓練展示等で観客を魅了した。
 各ブースでは装備品展示、体験搭乗及びチビッコ広場など、多くの催しもので来場者をもてなした。
 来場者からは、「迫力ある訓練展示を見て興奮しました」「装甲車に乗れて貴重な体験ができました」など自衛隊を身近に触れ満喫する家族連れなどで賑わった。


高等工科学校 62周年
 10月15日、多数の来賓出席のもと、生徒の家族・保護者を含めて約3200人の来校者を迎え、陸上自衛隊高等工科学校(学校長・滝澤博文陸将補=武山)の創立62周年記念行事が、学校グラウンド等で開催された。
 式典において学校長は、創立62周年を迎え、歴代学校長を始めとする関係各位並びに協力諸団体及び武山駐屯地周辺の市民への感謝とともに、「生徒諸君は、多様化する国内外情勢の中で、還暦を越えた生徒制度の歴史と伝統における新たな牽引者であることを自覚して、我が国の平時の抑止力の一翼を担うことへの自負心をもって、より一層勉学に励むことを期待します」と式辞を述べた。
 また、入校から60周年を迎えた第3期生及び今年から定年退官を迎える第25期生も式典に参加した。
 第3期生は、昭和32年に入隊し、今年で60周年を迎える。入隊当初は、久里浜、土浦及び勝田で教育が行われ、武山に来たのは初めての者がほとんどであった。第1学年の生徒たちは、ちょうど60歳後輩にあたる。あいにくの雨の中であったが、戦闘服姿で整然と並び、凛として行進する生徒の姿を見て、当時の生徒時代のことを思い出し、涙を流しながら現役の生徒達を激励する場面も見受けられた。
 その後、生徒による創立記念パレード、生徒出身者の操縦による祝賀飛行が行われた。式典後のアトラクションでは、本年3月に逝去された校歌作曲者である米本稔氏を悼み、吹奏楽部による校歌演奏が行われ、その際、第25期生が全員起立し、校歌を大合唱し、生徒時代を懐かしむ顔が多く見られた。アトラクションの最後としてドリル演技が披露された。
 前日の14日には開校祭行事として、講堂において吹奏楽部・和太鼓部の他、4個文化クラブ(軽音楽部・弁論部・吟詠尺八部・英会話部)の発表、続いて4個体育クラブ(空手道部・少林寺拳法部・銃剣道部・柔道部)による武道展示を実施した。脈々と続く伝統を継承しながらも、新たな歴史の1ページを開く行事となった。

東北方面隊 57周年
 東北方面隊(総監・山之上哲郎陸将=仙台)は、昭和35年創隊以来、今年で57周年を迎え、9月22日から24日の間に優秀隊員表彰、音楽フェスティバル、感謝状贈呈式、記念式典等の記念事業を挙行した。
 方面隊は、9月24日、仙台駐屯地において記念行事を挙行した。今年は、方面隊が日米共同方面隊指揮所演習(YS)を担任する年度でもあり、年間を通じて米軍との共同訓練等を実施していることから、本記念行事には日米共同の証として米軍車両も参加することとなった。また、女性の活躍推進について防衛省・自衛隊としても推進しており、方面隊としても多くの女性自衛官が活躍する場面を多くの来場者に見てもらう絶好の機会となった。
 当日は、秋とは思えない残暑厳しい雲ひとつない空の下、午前9時の開場と同時に大勢の来場者が駐屯地を訪れた。多数の来賓が観覧する中、方面隊隷下部隊による力強い入場行進で式典が開始された。参列した観閲部隊(観閲部隊指揮官・第2施設団長・徳永勝彦陸将補=船岡)に対し、観閲官である方面総監は式辞の中ではじめに、東北6県の市民に対して、いつの時代も変わらない支援と協力への感謝の意を表し、隊員に対しては、何時・如何なる任務をも完遂し得る真の実力を備えた強靭な方面隊へのさらなる進化について訓示した。最後に、地域の市民を含めた国民に対して、地域とともにあること、そして自衛隊としての責務を果たすことを誓った。引き続き宮城県知事、東北防衛協会等連絡協議会会長から自衛隊・方面隊に対する感謝・期待が込められた祝辞が贈られた。
 観閲式が終了すると第1空挺団所属の空挺隊員による降下から始まり、全国で唯一の女性自衛官によるフラッグ隊演舞、第6及び第9偵察隊によるオートバイドリル展示、仙台駐屯地所在の女性自衛官等によるラッパ吹奏、第2施設団による油圧ショベルを用いた器材操作展示、最後に特科部隊・戦車部隊等の空包射撃を交えた模擬戦闘の展示と次から次へと匠の技を披露し、終始観衆を魅了した。
 その後は中央通りにて米軍車両(ストライカー)移動展示を含む車両による観閲行進等を整斉と実施し、次いで駐屯地上空を陸自ヘリに引き続きF-2戦闘機が一挙に通過した。最後に空自松島基地所属のブルーインパルスJr.による移動展示で全ての観閲行進等を終了した。
 イベント会場においては、野点や戦車体験搭乗、音楽隊ミニコンサート等盛りだくさんのイベントで多くの来場者で賑わっていた。普段見ることのできない装備品が一同に会した装備品展示においては、米軍車両(ストライカー)や空自装備品(PAC3)も加わり、日米共同、自衛隊の統合についても周知を図った。訪れた来場者は装備品の写真撮影や熱心に質問等をしていた。
 駐屯地には来場者の笑顔があふれ、各種行事を通じて方面隊についての理解を深めてもらい、地域の市民との絆をさらに深めることができ、来場者は笑顔で駐屯地を後にした。

パワー・ハラスメント防止講演会を開催
<防衛省>
 防衛省は、防衛省職員のパワー・ハラスメント防止に対する意識の高揚を図るため、10月10日から同月16日までの1週間を「防衛省職員パワー・ハラスメント防止週間」に設定し、その防止等に関する取組を実施した。
 当該週間に先立ち、9月29日、市ヶ谷庁舎A棟講堂において部外講師を招き講演会が行われた。講師は、怒りの感情コントロール専門家、安藤俊介一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。
 講演は、「怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング」と題し、(1)イライラしたときは6秒間待つ、(2)怒りの感情は自分の中の「〜すべき」という思いから生まれ、人によって「〜すべき」の境界線が異なること、(3)怒りの原因を分析し行動をコントロールする等、怒りをコントロールするための方法や怒りを理解することについて説明された。
 聴講者からは、部下を指導するときのコミュニケーションの取り方や職場にアンガーマネジメントを周知する方法等について質問があり、講師から具体的事例を踏まえわかりやすく説明された。
 約500人の聴講者は、終始興味深く耳を傾けており、パワー・ハラスメントの防止に関する意識の高揚が図られた。

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