防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   962号 (2017年9月1日発行)
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体験飛行抽選会 人気の入間は22.1倍
<航空自衛隊>
 8月9日、自衛隊記念日記念行事の一環として行われる「体験飛行」の抽選会が防衛省A棟19階A会議室で厳正かつ公正に行われた。
 今年の「体験飛行」は松島基地、入間基地、新田原基地、那覇基地の各基地で行われる。今回搭乗できる機体はCH-47J、定員は各基地120名、4基地合計で480名である。
 定員に対し応募総数は3515名、全体平均倍率は7・3倍となった。特に入間基地は都心からのアクセスが良く基地周辺の住人人口も多いため応募が集中し、定員120名に対し応募総数は22・1倍と人気の高さを誇った。
 抽選は、例年と同じでまず基地ごとに無作為に30人ごとの応募はがきの束を作る。それぞれの束に1から順番に番号を振る。はがきの束数に応じた番号を振ったピンポン玉を用意し、抽選箱から選ばれたピンポン玉の番号と同じ番号のはがきの束を当選とする方法である。抽選者は航空幕僚監部総務部長・荒木哲哉空将補と空幕広報室長・植森修1空佐が交互にピンポン球を抽選箱から抽出した。抽選結果は返信はがきの裏面に印刷の上、応募者に発送される。

行政文書の管理に関する合同研修
<空自・第4補給処>
 第4補給処(処長・岩城公隆空将補)は、8月1日から2日にかけて行政文書の管理に関する「合同研修」を入間基地において開催した。
 本研修は昨年度に引き続き2回目で、防衛省総括文書管理者(大臣官房長)の通達に基づき本処(入間基地所在)及び支処(高蔵寺、東北、木更津及び立川)の文書管理担当者等約60名を一堂に会し、行政文書の管理について理解を深めるために実施しているものである。
 1日目は、公文書等の管理に関する法律及び施行令のほか、行政文書の管理に関するガイドライン並びに訓令、細則及び航空自衛隊達を通じて行政文書の管理に関する基本的事項を確認した。
 2日目は、内閣府大臣官房公文書管理課及び独立行政法人国立公文書館から講師を招へいし、それぞれ約1時間の講義を受けた。
 公文書管理課の講師による講義では、公文書管理制度の概要(法律制定の経緯、目的及び役割等)に関する解説のほか、公文書等の管理におけるケーススタディーを通じて行政文書管理上のポイントを確認した。
 国立公文書館の講師による講義では、行政文書の移管・廃棄とレコードスケジュールの設定に関する解説のほか、国立公文書館の概要について説明を受けた。
 公文書等管理の中枢にある内閣府及び国立公文書館における実務担当者の講義を直接受けたことによって、行政文書の管理が国の諸活動を国民に説明する責務を果たす上でいかに重要かということについてより身近に感じることができたほか、各文書管理者による行政文書の管理の重要性について認識を深められた。
 参加した隊員からは、「講師による講義を受けて、我々現場レベルでの業務が、国家としての活動に寄与していることを知り、その重要性が理解できた。ぜひ来年度も開催してほしい」との意見が多く寄せられた。
 今後、本研修に参加した文書管理担当者等が中心となって各職場レベルでの教育により隊員一人一人の理解を深め、第4補給処としてより適正な行政文書の管理を目指し努力を継続していく。

海自施設関係者が米海軍施設技術極東地区本部司令交代式典に参加
 海上幕僚監部、横須賀地方総監部等の施設関係者は、7月27日、米海軍横須賀基地で行われた米海軍施設技術極東地区本部(NAVFACFE)司令交代式典に参加した。NAVFACFEは、日本、韓国、シンガポール、ディエゴ・ガルシア、その他の極東地域に配置された米海軍、海兵隊、国防省組織に対し、施設技術支援を行っている部隊であり、司令部は米海軍横須賀基地に所在する。
 式典は、現司令のバートゥ大佐から新司令のケニー大佐への司令交代行事であり、上地克明横須賀市長、コーカ施設技術太平洋地区本部司令官、越智文隆南関東防衛局次長等が列席するなか、盛大に行われた。式典では、杉本孝幸横監幕僚長(現航空集団司令官)から、海上幕僚長感謝状及び第2号防衛協力章がバートゥ大佐に手渡された。
 バートゥ大佐は、約2年間、NAVFACFE司令として勤務し、横須賀地区や佐世保地区の日米共同使用の促進など、海自の後方支援機能の充実強化に尽力した。
 なお、遡ること平成21年には、海賊対処のために派遣された航空部隊1次隊受入時のキャンプレモニエ(ジブチ共和国)施設管理部長として海自の部隊運用開始に際して多大なる協力をした人物でもある。
 式典後のレセプションでは、海幕、横監等の施設関係者と新旧司令、NAVFACFE関係者が懇親を深め、新司令のケニー大佐とは、海幕とNAVFACFEとの定期的な意見交換の継続や、横須賀基地業務隊(司令・桑原正明2海佐)との施設技術交流などを約束、日米施設関係者の連携強化を確認した。
 ケニー新司令と正寶敏彦海幕施設課長は、日米同盟深化のため、引き続きNAVFACFEと海自施設部隊との良好な関係を維持し、日米共通の問題の解決に取り組むことを確認した。

見事2連覇達成! 平成29年度名護ハーリー大会優勝
<海自・沖縄水中処分隊>
 沖縄基地隊(司令・佐々木輝幸1海佐)隷下沖縄水中処分隊(隊長・飴谷尚哲3海佐、以下「沖処分」)は8月6日に開催された平成29年度名護市長杯争奪全島ハーリー大会で昨年に続き2連覇を果たした。
 ハーリーとは、サバニと呼ばれる小型の木造船を漕ぎ手10名、船頭1名で規定のコースを周回するレースでチーム力の強さ、精神力、技術力が勝負の行方を大きく左右する競漕である。沖縄では、4月から8月にかけて県内各漁港においてハーリー大会が実施され、毎回熱戦が展開されており、熱狂的なハーリーファンが詰めかけ、沖縄の夏の風物詩となっている。
 この名護ハーリー大会は、今年度これまでの県内各地で優勝するなどした強豪チームが参加する代表的な大会でもあり、ハーリーの甲子園と言われている。この大会を、昨年も制覇している沖処分チームの優勝は、2年連続であり実質「沖縄一」といえる。
 沖処分チームは、チームワーク強化と体力練成のため3月から、ハーリー訓練を総員で実施してきたが、今年度ここまでの道のりは、決して平坦なものではなかった。
 沖処分は、ハーリーを通じて不撓不屈の精神を養い、一致団結、勝つための創意工夫をするなど大会に参加するごとにチームが成長し続けると信じ、訓練を実施してきた。
 今後もハーリーを通じ地域社会との交流を深め、海上自衛隊への理解を得られるように各種任務に邁進していく。

市長から感謝状
<海自・館山航空基地>
 館山航空基地海曹会(会長・第21航空群司令部先任伍長・久保田曹長)が7月24日、館山市長から感謝状を贈呈された。
 これは同海曹会が長年にわたり、館山市が主催する各種行事に多大な協力支援を行うとともに、市民との交流を積極的に進め、地域の活性化に貢献したことによるものである。このような市長から海曹会への感謝状の贈呈は初めてのこととなる。
 館山市では、「館山わかしおトライアスロン大会」をはじめ、「館山湾寒中水泳大会」「館山わかしおマラソン」「南総里見まつり」など、年間を通して各種行事が催されており、市民からも自衛隊のこれらの行事に対する献身的な支援に感謝の声が届いていた。
 久保田先任伍長は「この光栄な機会を励みとし、今後もより一層、地域に貢献できる活動をすすめていきたい」とその意欲を語った。

飛行点検を極めたい!
〜U-125操縦講習を修了して〜
飛行点検隊1空尉 樋田哲也
 今年の4月、私は飛行点検隊へ配置され、U-125操縦講習を受講し、この6月に無事修了することができました。ウイングマークを取得以降、C-130、その後T-7とプロペラ機ばかりを操縦をしてきた私は、実に約10年ぶりにジェット機を操縦し、改めてその違いを実感しました。今回は、操縦講習修了の所感及び今後の抱負等について述べたいと思います。
 さて、プロペラ機とジェット機には、様々な違いがあります。その中でも特出すべきは、皆さんもご存じのとおり、飛行速度の違いです。とにかくジェット機は速いです。そのため、U-125の速度に当初は久しぶりなためか、まったく頭が追いつきませんでした。また、離着陸の速度もやや速いため、滑走路を走っている間、慣れるまではやや恐怖すら感じました。また、U-125には、様々な電子機器が搭載されており、各種計器もかなりデジタル化されています。アナログ人間の私がこれらに慣熟するには、多大な労力が必要となりましたが、本講習を通じて、まだまだ未熟ではありますが、飛行に必要なものは修得することができたと思います。
 また、飛行点検隊は、航空自衛隊入間基地に所在しています。入間基地には、飛行点検隊以外にも、多数の飛行部隊が所在し、さらに基地周辺には、米軍、陸上自衛隊、他にも民間のものも含め多くの飛行場等があります。これらの飛行場等を離発着する航空機により、入間基地周辺の空域は大変混雑しています。航空法により、航空機の航行中の見張りは義務とされており、航空自衛隊でも規則化されていますが、この大変混雑する空域を飛行するには、飛行中の他の航空機に対する注意が特に必要だと実感しています。
 やや脱線しますが、私は飛行点検隊へ配置される前、約3年8ヵ月の間、防府北基地にある第12飛行教育団で、初めて飛行訓練に臨む学生を教育する教官操縦士として、勤務していました。当時「操縦士の卵」だった彼らが、その後各種訓練等のため、入間基地へ来基することがあります。基地の食堂等で会った際にあいさつしてくれる時、その大きく成長した姿を見ると、教官をやって良かったと、身に染みて感じるとともに、私自身も成長していかなければならないと、都度再認識させられています。
 私は現在、U-125の操縦の資格は有しているものの、任務のための運航はまだ実施できない段階です。よって、まずは任務に就くための資格を1日でも早く取得し、最終的には、やや先にはなりますが、一人前の機長となるべく日々精進しています。また、飛行点検隊は、数年後、新機種を導入する計画があります。飛行点検隊の中で最も飛行点検業務の経験のない私ではありますが、まだ誰も新機種の操縦をしたことはありません。よって、新機種の導入にあたっては、誰にも負けないくらい勉強をして、新機種の操縦、さらには飛行点検業務を極めていこうと決意しています。

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