防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   959号 (2017年7月15日発行)
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各地で記念行事


第9師団55周年
青森66周年
 第9師団(師団長・納冨中陸将)は、6月3日・4日の2日間、青森市内及び青森駐屯地(司令・坂本知司陸将補)において「第9師団創立55周年及び青森駐屯地創立66周年記念行事」を挙行した。
 3日には、徒歩行進部隊約350名、車両56両、航空機8機が参加して、今回で6回目となる市中パレードを実施した。陸海空3自衛隊が所在する青森らしく、海上自衛隊大湊音楽隊、航空自衛隊北部航空音楽隊、第9音楽隊による各自衛隊を象徴する行進曲を演奏してのパレードの後、眼光鋭いレンジャー部隊に続いて、水色のベレー帽とマフラーが鮮やかなUNMISS派遣施設隊、そして第21普通科連隊の精鋭が堂々とした徒歩行進を行った。引き続き師団各隷下部隊に加え、第4地対艦ミサイル連隊、第5高射特科群の車両部隊が重量感ある行進を披露。しめくくりは、第9飛行隊、第2対戦車ヘリコプター隊の航空機5機の見事な編隊飛行の後、海上自衛隊SH-60、青森県防災ヘリコプター「しらかみ」及び海上自衛隊P3-C航空機がパレード会場上空に飛来し、来場者から大きな歓声が上がった。
 また、新中央埠頭では、第9師団の主要装備をはじめ第4地対艦ミサイル連隊の地対艦誘導弾、第5高射特科群の改良ホーク、航空自衛隊のペトリオットの展示に加え、海自大湊警備隊の「水中処分母船」の一般公開、さらに昨年度も好評であった消防車両等関係部外機関の装備も展示された。今年は、高機動車の試乗に加え、戦車など一部の装備品を実際に動かす動的展示を初めて行い、会場は来場者の驚きと歓声に包まれた。
 一方、青い海公園では海自大湊音楽隊、空自北部航空音楽隊及び第9音楽隊による音楽演奏が披露され、訪れた観客は3自衛隊音楽隊の軽快な演奏を手拍子とともに楽しんでいた。
 さらに、ねぶたの家「ワ・ラッセ」において開催された前夜祭では、県外等から訪れた多くの招待者に対し、青森ならではの津軽三味線の生演奏、ねぶた囃子、そして第9音楽隊の演奏を展示されているねぶたとともに味わってもらった。
 翌日は、駐屯地において師団長及び駐屯地司令からの感謝状の贈呈に引き続き、記念式典、訓練展示、祝賀会食を実施した。
 青森県知事をはじめ、国会議員、北東北3県の首長等の臨席を得て開催された式典では、師団から南スーダンへ派遣された全隊員を含む師団隷下各部隊を前に、師団長より、今般のUNMISS派遣施設隊の任務完遂を含む日頃からの支援・協力に感謝の意を表する一方で、第9師団が一丸となり引き続き地域の安全と安心の獲得のため全力を尽くしていくとの力強い決意を示した。
 また、訓練展示では、来場者に国土防衛作戦に対する理解を深めてもらえるよう、各部隊が密接に連携し総合戦闘力を発揮した攻撃の場面を披露し、戦車・火砲の空包射撃を含め、目の前で繰り広げられる戦闘の迫力に驚きと大きな歓声があがった。
 引き続き行われた祝賀会食は、来賓、各協力団体会長、歴代師団長等による鏡開きが開始されたが、今年は師団創立55周年を記念して、55kgの大間産本鮪が振舞われた。その他、駐屯地内各会場において、戦車試乗、音楽演奏、子供広場コーナー、パネル展示等の各種イベントを実施し人気を博した。
 生憎の空模様にもかかわらず、本記念行事には延べ8800名(3日‥約5300名、4日‥約3500名)が来場し、国土防衛・災害派遣・国際平和協力活動等あらゆる任務に即応する第9師団及び青森駐屯地に直接触れてもらい、一層の理解の促進と信頼強化を図ることができた。

第22航空群 60周年
 第22航空群(群司令・大町克士海将補=大村)は、5月20日・21日、大村航空基地開隊60周年記念日行事を実施した。5月20日は、中村法道長崎県防衛協会会長・長崎県知事及び園田裕史大村東彼防衛協会会長・大村市長をはじめ、国会議員等多数の来賓の臨席を得るとともに、今回初めて隊員家族を招き、記念式典を執行した。
 記念式典は、儀仗隊による栄誉礼、国旗・自衛艦旗の入場に続き、臨席の来賓から祝辞を得るなど厳かに行われた。
 また、式典終了後には、平素から地域社会における自衛隊に対する理解の促進及び防衛意識の高揚に積極的に尽力し、第22航空群の防衛基盤の育成に貢献した後藤敏之大村東彼防衛協会青年部会長に対し、第22航空群司令から感謝状が贈呈された。
 続いて、平成28年度第22航空群優秀隊員として選考された海曹士隊員2名が表彰された。本表彰は、第22航空群に所属する隊員等のうち、知識、技能及び勤務成績が優れ、他の隊員の模範となる隊員等に毎年度贈られるものである。また、大村航空基地開隊60周年記念事業の一環として実施したロゴマークの募集に作品を応募し、選定された隊員1名に対し、群司令賞が授与された。開隊60周年記念ロゴマークに選定されたマークは、60という数字をデザイン化し、ロゴマーク中央に護衛艦から飛び立ち護衛艦とともに任務を行う哨戒ヘリコプターを配置したものであり、第22航空群の任務を的確に表現するデザインとなっている。
 一連の行事の後は、小月教育航空群所属の第68期航空学生によるファンシー・ドリルの展示、哨戒ヘリコプター6機編隊による一糸乱れぬ統制のとれた祝賀飛行と輸送救難ヘリコプターによる迫力ある救難展示及び新型化学消防車による放水展示の披露を行い、来賓も驚きと頼もしさを隠せない様子だった。また、大村基地開隊60周年記念行事に先立つ5月16日には、基地内において自衛隊協力団体の代表及び関係者を招き、記念植樹祭を挙行した。
 植樹木‥八重桜(「豊かな教養」、「善良な教育」の花言葉がある)
 翌5月21日には、基地一般公開が実施され、県内外から過去最大の約5100人を超える来場者が訪れた。陸空自衛隊機を含め10機種の航空機が地上展示され、多くの来場者が航空機を間近で興味深く見学していた。また航空機の牽引車両に飾り付けを施し基地内を周遊する花電車や、消火を体験するミニ消防車などの子供向けのイベントは、多くの親子連れに人気を博した。来場者からは、質問に対して丁寧かつ気さくに対応する隊員の姿に感激したとの声が聞かれた。
 基地公開の最後は、他部隊から飛来していた航空機が次々と離陸、中でも岩国航空基地に所在する第71航空隊所属の「US-1A」は、救難任務を主とした海上自衛隊唯一の救難飛行艇であり、ひときわ大きい機体を見た来場者からは「海上自衛隊への期待と頼もしさを感じた」などの感嘆の声も聞かれた。
 来場者アンケートでは、隊員の来場者に対する対応、基地内の清潔さ、また、大人から子供まで楽しめる各種イベントの豊富さ等、「益々、海上自衛隊に魅了された」や「ぜひ、来年も来たい」と喜ばしい感想や意見が数多く寄せられ、海上自衛隊の広報活動に大きく寄与することができた。

滝川 62周年
 滝川駐屯地(司令・関谷拓郎一陸佐)は、快晴の下、6月17日には滝川市内商店街において市中パレードを、翌18日には駐屯地において創立記念行事を実施した。
 市中パレードにおいては、第11音楽隊を先頭に、指揮通信車等に乗車した連隊本部、UH、AHによる観閲飛行、情報・狙撃小隊、本部管理中隊、各普通科中隊、新隊員等約250名による徒歩行進、装輪装甲車、戦闘支援車両等31両による車両行進を行い、約1300名の観衆が見守る中、威風堂々の行進を実施した。
 記念行事においては、観閲式、第1空挺団による自由降下訓練展示、AH、戦車等に支援された普通科中隊による戦闘訓練展示、戦車体験試乗等を実施し、来場した来賓、地域住民、隊員家族等との信頼関係を深化すべく、駐屯部隊の能力の一端を披露した。

島松 65周年
 6月25日、雨の中、北海道補給処・島松駐屯地(司令・大森丈義陸将補)創立65周年記念行事が行われ、約1400人が来場した。記念式典に先立ち、ラッパ隊と各支所等が所在する17自治体の旗が入場し、その後、駐屯地司令大森陸将補の式辞、長原田裕恵庭市自衛隊協力会会長・恵庭市長の祝辞を受けた。
 訓練展示では、走行不能になった車両の回収、弾薬など物資の補給を隊員がきびきびとした動作で行った。また、ポスターやチラシに「自衛官募集」のお知らせを入れ自衛官募集を呼びかけた。

「防衛技術博物館の設立を実現する議員連盟」設立
防衛装備品の保存継承を目的とした技術博物館の早期設立を目指す

 城内実衆院議員の呼びかけに応じ、元防衛大臣中谷元衆院議員を中心とした有志国会議員は、2017年6月14日(水)、静岡県御殿場市に国産戦車・装甲車を中心とする防衛装備品の保存継承を目的とした防衛技術博物館の設立を目指す「防衛技術博物館の設立を実現する議員連盟」の設立総会を開催した。
 総会では、中谷元議員が会長に、石破茂衆院議員が会長代行に、ほか小野寺五典衆院議員など歴代防衛大臣経験者が役員に就任した。
 若林洋平御殿場市長、和田篤夫静岡県議会議員等と共に出席した小林雅彦NPO法人防衛技術博物館を創る会代表理事から、「1917年(大正6年)わが国にまだ国産自動車がなく、輸入自動車が走っていた頃、わが国は軍用自動車調査委員を英国に派遣し戦車を購入。そして10年間で国産戦車第1号を完成させた。その試験走行を市中で実施し、昔も今も戦車のメッカである御殿場の地に「工業技術や歴史を継承する施設」として自衛隊の車両等を「動態保存」したい」との構想の説明がされました。
 中谷会長は、「防衛技術博物館設立は戦後初の試みであり自衛隊60年の歴史、旧世代から新世代への継承の方法を皆で考える場にしたい」と抱負を述べ、若林市長からは「3個駐屯地が所在する御殿場市として、東富士演習場の長期安定使用の為に博物館の実現に取り組みたい。技術遺産は子供たちに残さなければならないし、1400万人の交流人口のある御殿場市は地方創生に積極的に取り組んでいる地域であることから関係各位のお力添えを賜りたい」と御殿場の地に博物館を創る事への意義と必要性を訴えた。
 質疑応答では、用途廃止となった装備品を動態保存するためにクリアしなければならない課題や法的問題に対し、広報目的による無償貸付制度の活用、海外に残る旧軍車両の里帰りの実現方法など、質問や意見交換が活発に行われた。
 最後に石破会長代行より「防衛技術は戦争のためのものではなく、平和を守るためのもの。地方創生の観点から、自衛隊駐屯地を有する他の自治体とも連携して取り組めば平和教育の一環になる。国の施策として実現する価値があるのではないか。より具体的な構想と予算見積もりを準備して、皆で議論を深めて一歩でも進めよう」と力強い檄が飛んだ。
 今後は、NPO、自治体、国会議員、政府での協議を重ね、早期実現にむけ活動を行う予定である。

【本件お問い合わせ】
NPO法人防衛技術博物館を創る会 事務局
担当:吉田
〒412-0039 静岡県御殿場市竈717-6
TEL:0550-82-2854 FAX:0550-84-0917
E-MAIL:tank@k-m-d.co.jp
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