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自衛隊ニュース   957号 (2017年6月15日発行)
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南スーダン派遣施設隊 隊旗返還式
施設部隊として最長の5年5ヵ月間活動
安倍首相「歴史的意義を持つ」

 5月27日、南スーダン派遣施設隊第11次要員で最後に撤収した約40名が無事に帰国した。国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に対し平成24年1月に第1次要員が派遣されてから、5年5ヶ月間(施設部隊としての派遣では過去最長)で延べ約4000人が派遣され、道路補修約260km、側溝整備約72km、用地造成約50万平方メートル、施設構築等97ヵ所の成果を残した。

■帰国行事
 第9師団(師団長・納冨中陸将)は、5月27日、青森駐屯地において南スーダン派遣施設隊(隊長・田中仁朗1陸佐)の帰国行事を実施した。
 午前11時に青森空港に到着した田中隊長以下約40名の隊員は、空港で中央即応集団司令官、東北方面総監、第9師団長、各部隊長等に迎えられたのに引き続き、青森駐屯地でも各協力団体及び大勢の隊員の大きな拍手に出迎えられ、任務完遂の安堵感もあり満面の笑みを浮かべていた。
 その後、統合幕僚長、陸上幕僚長他の列席の下、国会議員、青森県知事、各協力会会長をはじめ多くの来賓の前で、家族の見守る中、田中隊長から若宮健嗣防衛副大臣に対して派遣任務完了報告が行われた。
 防衛副大臣からは「過去最長・最大規模であった南スーダン派遣施設隊の最後を締めくくった第11次要員の皆さんには、国際平和協力の歴史の新たな一歩を切り拓いたことを大いに誇りに思っていただきたいと思います」と労いの言葉が送られた。
 引き続き国連メダル授与式が行われ、防衛副大臣、統合幕僚長、陸上幕僚長他各指揮官から派遣隊員一人一人に対しメダルが授与された。
 その後、家族を交え慰労会食が行われ、来賓から慰労の言葉が述べられ、防衛副大臣、統合幕僚長及び陸上幕僚長が派遣隊員及び家族と親しく懇談し、南スーダンにおけるPKOの任務完遂を祝った。
 これらに先立ち、防衛副大臣は儀仗の後、田中隊長から南スーダン派遣施設隊の成果報告を受け、活動実績等を確認した。
 昨年11月の出国行事の際に師団長から示された「誇りと自信を胸に任務を完遂せよ」との要望通り、派遣各隊員は、各部隊そして日本の代表として活動したとの誇りと、日頃より練成した高い能力をもって任務を完遂したとの満足感を胸に漲らせつつ、本派遣間を通じて得た知識と経験を糧に、さらなる部隊精強化の原動力となるべく、それぞれの部隊に復帰した。
■隊旗返還式
 5月30日、防衛省で安倍晋三内閣総理大臣臨席のもと、稲田朋美防衛大臣をはじめ防衛省自衛隊高級幹部のほか、国会議員、歴代の南スーダン派遣施設隊隊長が参列して、隊旗返還式が行われた。式には田中隊長以下第9師団から約350名の隊員が参加した。
 田中隊長から稲田大臣に帰国報告が行われた後、隊旗が返還され、稲田大臣は、5年余りの重みが詰まった隊旗をしっかりと受け取った。その後、安倍首相から第11次派遣施設隊に、特別賞状及び国際平和協力本部長賞が授与された。
 自衛隊最高指揮官である安倍首相は訓示で、「過去最長と同時に過去最大規模の実績を残してくれました。また、第11次隊の諸君は、平和安全法制に基づく新たな任務を担ってくれました。いずれも歴史的な意義を持つものです」「平和のために黙々と汗を流す自衛隊の姿を、世界が賞賛し、感謝し頼りにしています。与えられた任務を全力で全うする隊員諸君は、日本国民の誇りであります」と大きな賛辞を贈った。
 稲田大臣は、労をねぎらうとともに、「今回の貴重な経験を活かし、国際社会の平和と安定のためにそして自衛隊が築き上げた伝統を守りながら、厳しい安全保障環境の下、求められた役割を適切に果たすため創造の精神を持って引き続き各々の任務に精進されることを大いに望みます」と訓示した。
■田中隊長に第1級賞詞
 翌日31日、稲田大臣から田中隊長に対し、第11次派遣施設隊隊長としての功績を讃え、第1級防衛功労章を添えて第1級賞詞が授与された。


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