防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   951号 (2017年3月15日発行)
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よせがき
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南スーダン派遣施設隊(第11次)
国連平和維持活動に参加して
第5普通科連隊 第3中隊(青森) 3陸曹 小原 正寛

 私は、警備小隊要員として国連平和維持活動に参加しています。日本での訓練を終え、南スーダンに来て2か月が過ぎました。私の原隊がある青森県では、雪が降り積もり、気温が0度を下回る時期ですが、こちらの気候はとても暑く、毎日のように40度を超え、暑い時には50度を超すこともあります。日本とは全く違う環境ですが、体調を崩すこともなく元気に過ごしています。
 私の主な業務は、活動中の日本施設隊の警備及び宿営地の警備です。現地の人達は私達に対して友好的ですが、気を抜くことなく勤務しています。海外派遣任務は、入隊してからの憧れであり、とても貴重な経験をさせて頂いています。日本の代表として任務に邁進し、日本で支えてくれている人達に、成長した姿を見せる事が出来るように、気を抜かず最後まで頑張ります。
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ビバ・アフリカ!
第9後方支援連隊 補給隊業務小隊(八戸) 陸士長 松田 萌
 PKOを初めて知ったのは小学生の頃で、国際舞台という大きなフィールドで仕事をする姿に遠い憧れを抱いていたのを憶えています。国際協力に携わることができたらどんなに素晴らしいかと思っていましたが、こうして派遣されて、驚きと嬉しさでいっぱいです。
 私は浄水装置の監視や水質検査、宿営地配水などの業務をしています。日々淡々とこなす必要がありますが、日本隊をはじめ他国の派遣要員の生活基盤を支える重要な任務であり、やりがいを感じられる仕事です。当たり前と思うものにはなかなか目を向けることがないですが、この給水活動を通じて日本のような蛇口から当たり前のように水が出る環境がいかに恵まれているかを思い知りました。
 また、宿営地配水に行くとインド隊やエチオピア大隊の人たちがご馳走を振る舞ってくれ、楽しい交流の時間を過ごしています。気さくで親切な人ばかりで、毎回行くのが楽しみになっています。気候も食べ物も全く異なりますが、住めば都、アフリカも素敵な所です。
 入隊4年目で国際平和維持活動に参加できたことは私の人生において大変貴重な、大きな経験であり、憧れが叶ったことでもあります。まだ器材の扱いに不慣れな所はありますが、感謝と誇りを胸に勤務していきます。
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派遣海賊対処行動支援隊(第7次)
チャレンジ

 第8通信大隊 第2中隊(北熊本) 3陸尉 濱田 玲子
 私は、第7次先遣要員として、ジブチ自衛隊活動拠点における通信システムの保守業務を行っています。私にとって、拠点の通信システムは今まで扱ったことのないものが多く、第6次要員の陸・海自の班員に教わりつつ、日々研究しながら業務に取り組んでいます。
 また、物品調達のため現地の業者と調整をする際は、言葉や文化の壁を感じつつも、ジブチの人々のおかげで拠点の運営が円滑に維持されているのだという感謝の気持ちを忘れないよう心掛けています。
 ジブチでの勤務は、初級幹部である私にとって日々新しいこと、学ぶことの連続であり非常に刺激的です。様々な困難や取り組むべき業務について、多くの諸先輩方や班員からの助言をもらいつつ前に進んでいく日々がとても貴重に感じられます。
 海外派遣任務という貴重な機会を頂いているということを強く認識し、任務完遂に向けて何事にも積極的にチャレンジしていきたいと思います。
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レンジャー教育を終えて
 36普連第2中隊(伊丹) 3陸曹 宮本 泰成
 今回部隊集合教育「レンジャー」で第49期36戦闘団学生長を務める事になり、本教育を通じて多くの事を学び、確実に自分の利になる教訓を得る事が出来ました。
 私が部隊集合教育「レンジャー」で学んだ事は「共に戦う仲間の大切さ」、「任務達成への飽くなき信念」そして「本気の覚悟」です。覚悟を決めて教育に臨みましたが、いざやってみると想像以上に過酷な訓練が数多く待ち受けていて、ふと気が付くと辞めたいと弱気になっている自分が心の片隅に存在していた事もありました。しかしバディや同期の励ましで弱気な自分に打ち勝つ事ができ無事卒業する事ができました。この素晴らしい「同期の絆」がなければ念願のレンジャー徽章を掴み取る事はできなかったです。
 またこの大切な仲間が身近にいてくれたからこそ過酷な訓練でも辛くて苦しいのは自分だけではないと教えられ、仲間と共に必ず任務達成してみせる『強い信念と絆』が自然と芽生えました。
 今回の教育を通じて、学生長としてみんなの先頭に立ちリーダーシップを存分に発揮して学生を率先していかないといけない立場だったのですが、現実には時間が制約されている中で多くの訓練をこなさないといけなく、自分の事で精一杯となり周りの学生まで目を配る事ができなかった事が悔やみます。この教訓を今後の糧にして自衛隊生活に反映していきたいと思います。
 この素晴らしい教育をして頂いた教育隊長をはじめ教官、助教の皆様、そして共に切磋琢磨した同期に感謝します。最後にさらに知識・技能を磨いていきさぶろくレンジャー隊員の名に恥じないよう頑張って参ります。
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兄との誓い!託された思い!!
36普連第3中隊(伊丹) 3陸曹 赤瀬 聡
 ※双子の兄、赤瀬 譲(あかせ ゆずる)は平成20年6月に特技「レンジャー」を取得し、平成28年4月に善通寺(15普連1中)に転属になりました。
 私は今回このレンジャー教育を挑戦するにあたり多くの人に助けられたと感じています。過去2回レンジャー教育に挑戦しましたが、怪我等により原隊復帰し非常に悔しい思いをしてきました。
 「3度目の挑戦!」を決意すると同時に自分の不注意で原隊復帰したことからまた挑戦する事への戸惑いもありました。しかしそのような心境でも、上司をはじめ多くの同僚から「もう一度頑張れ!」「あきらめるな」と熱いお言葉をかけて頂いた事、そして何より同じ部隊で勤務をしていた兄の激励がありました。
 兄・譲とは同じ日に生まれ、学生時代も共に過ごし、自衛隊に入隊してからも同じ部隊で切磋琢磨してきた良き理解者であり、良い意味で永遠のライバルでもあります。その兄が突然他部隊へ異動する事になりました。その兄が転属する時にある約束をしました。それは次に再会する時は私の胸にレンジャー徽章を付けている事です。特技「レンジャー」を取得している兄との約束は正直多大なプレッシャーに感じましたが、私に対する託された熱い思いだと悟り、レンジャー教育に参加する事への迷いがなくなり必ず取得してみせる覚悟を決めました。
 3度目のレンジャー教育もやはり熾烈を極めるものでした。過酷な訓練により自らの体力は奪われていく中でも容赦なく追い打ちをかける教官・助教による激烈指導。自分の無力感は充分に悟っていましたが訓練間は本当に自分の力のなさを痛感させられる日々を送ってきました。
 挫折してしまいそうな時もあり、また逃げ出したくなる時も多々ありました。それでも私が最後まで諦めずレンジャー訓練を続けてこれたのは多くの人の「託された思い」があったからだと感じました。教官をはじめ助教の方々、同期にも助けてもらいました。一人では決してここまでこれなかったと思います。
 11月25日、帰還行事でレンジャー徽章を授与された後、久しぶりに兄と再会をしました。兄との約束を果たせた事に何事にも変え難い達成感と安堵感、そしてここまで頑張ってこれた自分自身を初めて褒めてあげたい感情が自然と込み上げてきました。
 レンジャー教育では言葉では上手く説明出来ない程の苦しみを味わいましたが、半面参加しないと味わえない貴重な体験も出来ました。まだまだ私自身足りない部分がありますが、学んだ事を活かしていきたいと思います。これからもさぶろくレンジャー隊員としての誇りを胸に頑張っていきたいです。
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総火演の裏方は任せろ!
 戦車教導隊 本部管理中隊(富士) 中隊長 1陸尉 三浦 陽平
 霊峰富士の麓、富士駐屯地に所在する戦車教導隊は、富士総合火力演習の花形、戦車射撃を皆様に展示する全国でも有名な部隊です。
 その中で、我が本部管理中隊は隊本部機能の維持、各戦車中隊の支援及び兵站活動という、地味ではありますが隊主力の基盤となる活動を実施しています。富士総合火力演習においても、練成期から本番までの毎日、数百発の戦車砲弾薬、キロリッター単位の燃料、数百名に及ぶ参加隊員の糧食・飲料水等の遅滞ない補給をはじめ、宿営地等における衛生活動、各参加中隊を統制する通信活動等を実施しています。また、全国でも数少ない92式地雷原処理車の実投射実爆の展示は我が中隊の施設小隊が担任しています。
 日常の隊務では、偵察小隊、施設小隊、補給小隊、衛生小隊及び通信小隊とバリエーションに富んだ部隊をもって機甲科幹部課程教育を主体とした各種課程教育支援を実施しています。
 本部管理中隊は、各戦車中隊のように表舞台に立つことは少ないですが、富士総合火力演習で10式、90式、74式各戦車が一糸乱れぬ隊形で整斉と機動し、轟音とともに目標に寸分違わず戦車砲弾を命中させるとき、その活動を支える我が中隊が、見えない所で活躍している事に思いを致して頂ければ、我々の励みにもなります。

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