防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   950号 (2017年3月1日発行)
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地域の人々とともに 自衛隊

災害時の子供一時預かり施設運営について協力態勢を強化
〈高田〉
 12月16日、陸上自衛隊高田駐屯地と上越市(村山秀幸市長)は大規模災害時の自衛隊派遣時に駐屯地内に開設される子供の一時預かり施設の運営に関する協定を締結した。
 本協定は、大規模災害時において高田駐屯地の隊員が被災地に派遣される場合、同駐屯地内に設置される子供の一時預かり施設の運営を上越市が支援するもので、市は隊員に対して公立保育園での研修機会を提供するとともに、隊員のみでは施設運営が困難な場合に保育士等を派遣することが明文化された。また、本協定の調印により東日本大震災以降進めてきた家族支援に関する取り組みに関して、上越市との連携・協力態勢の強化が図られ、隊員が後顧の憂いなく安心して任務に邁進できる態勢が一層高まる結果となった。
 高田駐屯地で行われた協定への署名後、村山市長は「隊員の皆さんが安心して災害対応できるよう、出来る限りの協力したい」と語るとともに、大村駐屯地司令は「小さな子供を抱える女性隊員等を含め、各隊員が各種災害等に即応し、遺憾なく力を発揮して任務に邁進できる態勢が強化された。上越市からの協力は大変ありがたい」と謝意を示した。

災害対応能力の基盤を作れ!
〈33普連〉
 33普連(連隊長・下本昭司1陸佐=久居)は、1月31日、久居駐屯地において三重県職員(以下「県職員」)を対象にした新任所属長研修に協力した。
 昨年に続いて4回目となった生活体験には、新任所属長となった県職員59名が参加。県職員は16コの班に分かれ、県職員として必要な災害対応能力(トップを補佐する立場としての任務分析及び状況判断)を高めることを目的に様々な状況を付与され、より実務に近い訓練に取り組んだ。
 訓練は当初、第3科長(宮澤3陸佐)から災害対応要領について講義が行われた後、県南方沖を震源とするマグニチュード7・8の地震が発生したと想定で行われ、それぞれが生活物資援助実施部隊の責任者として発災後ただちに生活物資の輸送を実施するに当たっての目標と行動方針を班ごとに考察した。参加者は、被害状況や必要な物資などをホワイトボードに漏れが無いよう詳細に書き込みつつ、広げた地図を囲みながら目標を確立し、行動方針や優先順位の検討を行い、あらゆる事態に対応出来るように状況のシミュレーションを行った後、班でまとめた意見を発表して、それぞれの見識を深めた。
 参加者は、今回の研修を通じて自衛隊流の災害対応力と組織で仕事を行う要領を身に付け、新任所属長研修を終了した。

平成28年度京都府国民保護共同実動訓練
〈7普連〉
 第7普通科連隊(連隊長・飯島達也1陸佐=福知山)は2月2日、京都市で実施された平成28年度京都府国民保護共同実動訓練に参加した。
 本訓練は大勢の来場客で賑わう京都競馬場で何者かにより化学剤が散布され多数の死傷者が発生したとの想定のもと訓練が開始された。場内では負傷者の救助を求める声が響きわたり会場は騒然とした空気に包まれる中、現場に進出した消防・警察・自衛隊による現地調整所の開設及び調整のほか建物内外での除染活動や京都府DMATと連携した応急救護及び搬送を実施した。
 隊員達は各機関と連携しテロに立ち向かい、混乱に満ちた会場から安全と秩序を取り戻していった。
 国際都市京都の防衛を担う第7普通科連隊としてあらゆる事態に迅速に対応すべくその能力向上を図っていく。

南九州最大級の買物市「京町二日市」
〈えびの〉
 えびの駐屯地(司令・稲田裕一1陸佐)は、部外行事支援として、2月4、5日の両日、「京町二日市」に参加した。
 会場はJR京町温泉駅の周辺道路約2kmを歩行者天国として植木、食料品、特産品など約400店舗が通りに軒を連ね、県内外のグルメが集まる「ご当地グルメコーナー」やバナナのたたき売り、プロライダーによるトライアルバイクの実演などが開催された。
 土曜日は天候に恵まれ、2日間合わせて、県内外から約10万人の買い物客が訪れ、えびの駐屯地は装備品展示等で参加した。
 装備品展示は、今年で5回目となり駐屯地が保有する指揮通信車、軽装甲機動車、155ミリ榴弾砲、高機動車、偵察用バイク等を展示するとともに、宮崎地方協力本部小林地域事務所と協同で、陸・海・空自衛隊のミニ制服試着コーナーを設置し訪れた親子連れが、好きな制服を身にまとい、装備品等をバックに写真撮影をしていた。なかでも、三菱製の旧型ジープ(79式対舟艇対戦車誘導弾発射装置積載専用車)は、愛好者には堪らないらしく、往年のファンの方々や沢山の人に好評を得ていた。
 また、自衛隊宮崎地方協力本部オリジナルの着ぐるみが会場内を練り歩き、「京町二日市」に花を添え会場は大いに盛り上がりをみせた。
 京町二日市支援を通じ、地域住民や県内外から来場された、たくさんの方々に「自衛隊のまち、えびの市」そして「信頼され誇りに思えるえびの駐屯地」として防衛基盤の充実を図る事ができた。

私は人が好きだ〜上級空曹課程を終えて〜
飛行点検隊1空曹 生沢 孝慈
 私は、今年1月航空自衛隊熊谷基地において第83期上級空曹課程の履修を命ぜられ、約3週間、上級空曹として求められる役割について学んで来ました。そこで修了した上での所感と決意を述べさせて頂きたいと思います。
 主な上級空曹の役割は、職域のスペシャリストとして現場における隊員に対する指導監督、及び小隊長等の補佐があります。この役割を果たすためには、指導監督能力と業務処理能力の修得及び向上が求められます。そのためには、日々自学研鑽に努め、模範たる上級空曹であることは勿論、本課程への真剣な取り組みが必要だと感じました。入校学生全員、約3週間と短い期間の中で自らの能力を高めるため日夜、時間を惜しみ課題に取り組みました。入校学生の構成は、職種及び年齢が様々であり、それぞれに経験と知識に裏付けられた信念があり、自分とは違った観点があることを互いに知ることが出来ました。各職域の業務内容について相互に理解を深化することで、今後の部隊間の緊密な連携や協力を円滑かつ効果的に実施できること、また、1人1人が各職域、特技のプロフェッショナルであり、誇りと使命感に満ちた者達と切磋琢磨することで更に向上心が高まりました。人と人とがつながり合うことで相乗的な効果が生まれることを実感しました。そして本課程の山場である総合事例研究の最終日には、各人が「私は、部隊に帰ったらこれを実行するのだ」という決意表明とも言える方策を述べて課程を修了しました。これからの航空自衛隊を現場から変えていこうという挑戦を恐れない闘志を1人1人に感じ、自らも気が引き締まる思いでした。
 現代、自衛隊の役割は拡大しています。主たる任務は当然のことながら、大規模災害等対処、国際緊急援助活動及び国際平和協力活動など幅広くあります。それに伴い航空自衛隊の活動も多種多様化しています。当然准曹士の役割も時代の変化に応じた知識、技能が必要とされており、どのような任務でも対応できる人材育成が緊要となります。上級空曹は率先して自らが意識改革を行い、後輩隊員に対して感化を与え航空自衛隊の精強化と健全化のために寄与することが求められています。
 「私は人が好きだ」この言葉は、上級空曹課程の同期が言っていた言葉です。人材育成に携わる者は、まず人を好きになること。そこから全てが始まります。1人1人が人を好きになり仲間を大事にする。部隊においても同じことだと、この言葉に気付かされました。
 私が、所属する飛行点検隊は、昨年4月6日U-125の航空事故により大切な仲間6名を失いました。もう誰1人として失いたくありません。今年は、次期飛行点検機が決まり受け入れ準備と失った人員を補完するための養成など飛行点検隊にとって重要な年となります。前向きな姿勢で部隊一丸となってあらゆることに臨む準備の年となります。私も上級空曹としての存在意義を自覚し、まず襟を正し、自らの能力伸展を図り、隊員(人)に対する教育、指導にあたっては、情熱と誠実さをもって臨みたいと思います。そして、本課程修了に際して私は、『明日からの隊務において何をすべきなのか自問し、自分なりの目標を持ち、部隊のため最善の努力を尽くし前へ進んで行くこと』を決意しました。
 同期へ、「私も人が好きだ」共に頑張ろう。

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