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自衛隊ニュース   950号 (2017年3月1日発行)
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タイ空軍憲兵隊司令が宮木司令を表敬訪問
〈空自・航空警務隊〉
 2月21日、航空自衛隊市ヶ谷基地警務隊本部で、航空警務隊司令・宮木浩1空佐が、タイ空軍憲兵隊司令・チャルムウォン少将以下4名の表敬を受け、意見交換等を行った。
 宮木司令は懇談の冒頭、昨年10月に逝去したプミポン国王への哀悼の意を表し、「悲しみを乗り越えて、タイ空軍憲兵隊が発展する事をお祈りします」と述べた。チャルムウォン司令は、謝辞を述べた後、「今回の貴重な機会を通じて、様々な意見交換を行い今後の発展に繋げていきたい」とこたえた。続けて宮木司令は「タイ王国と日本国との防衛交流は様々なレベルで実施されており、我々もその一翼を担うことができ、喜ばしいことです。今回憲兵隊司令をお迎えできたことは大変光栄です。タイ空軍憲兵隊と航空警務隊の交流を更に深めて参りたい」と述べ、今後、協力関係を発展させて行くことを約束した。
 その後の意見交換会では、空軍の捜査機関同士ということもあり、相互に相手方に対する関心が高く、双方から活発な質疑が行われた。

千葉大学大学院HPで空自法務幹部の阿部3空佐を紹介
 航空幕僚監部首席法務官付として勤務する阿部竹浩3空佐が、超難関の資格試験である「司法試験」に一回で合格した」として千葉大学大学院のホームページで紹介された。
 阿部3空佐は、航空自衛隊の法務幹部であり、現在、航空幕僚監部首席法務官付の企画担当として法務業務に従事している。平成21年から3年間、千葉大学大学院専門法務研究科(法科大学院)で法律を学び、同研究科修了後、司法試験合格した。
 千葉大学大学院専門法務研究科HP(www.lawschool.chiba-u.jp)では、「修了生の声」の欄で、阿部3空佐の近況等を紹介している。特に阿部3空佐の場合、入隊前に防衛大学校で国際関係論を専攻していたため、千葉大学大学院では、素養のなかった法律の勉強を毎日16時間したこと、また大学院で学んだ法律に係る知識や思考力が、航空自衛隊の部隊と航空幕僚監部での勤務に活かされていること等が紹介されている。
 航空自衛隊では、阿部3空佐の他に、大沼和広2空佐(空幕)と北村陽明事務官(6空団)が司法試験に合格しており、航空自衛隊に係る訴訟等の処理、部隊運用に係る国内法・国際法の運用等で活躍している。
 近年、国(防衛省)を相手に提起される訴訟が増加しており、また近隣国による法律戦への対応も迫られているところ、阿部3空佐は「自分は法律実務家の航空自衛官として、法的思考力を組織のために活用したい」と抱負を語っている。

強く、しなやかに、折れない心へ
〈航空支援集団・飛行点検隊〉
 空自飛行点検隊(司令・吉廣敏幸1空佐=入間)は、2月17日、入間基地において、飛行点検隊隊員約70名基地所在部隊隊員約50名の計約120名を前に、交流分析応用心理士の資格を持ち、各種研修や教育などで定評のある木村さち子氏を講師に迎え、「レジリエンス〜レジリエンスへの一歩」と題して、レジリエンスに関わる部外講話を実施した。その温和な話法や、各種事例を取り込んだ、わかりやすい実習やディスカッションを取り込んだ飽きさせない講話は、聴講者全員を虜にし、大盛況であった。
 本講話は、昨年4月6日に鹿児島県鹿屋航空基地の北方山中において発生したU-125飛行点検機航空事故の再発防止策及び28年度から空自で導入を推進開始したレジリエンス教育の一環として実施したもの。
 当隊での航空事故発生後、隊員個々や部隊としての精神的及び身体的な面において、逆境や困難、障害などに耐え、克服し、隊員個人や隊務運営態勢を独自に回復はしてきたが、あらためて専門家による本講話での教育により、レジリエンス能力を高めるスキルやそれらのトレーニング方法にについて具体的にその一端を学び、レジリエンス能力向上の資とするもので、また、来年度実施される見込みのレジリエンス・トレーニング開始にあたっての礎とし、隊員一人一人が逆境にあっても心が折れることなく、それらを乗り越えることができる素地を作るまずは一歩として、当隊の少数精鋭の人的戦力の健全性を維持・向上させようとするものである。
 講師は、様々な企業や官公庁において新入社員研修からリーダーや管理者などまで幅広い各種の研修に携わり、防衛省においても府中、市ヶ谷や目黒などにおいて多方面で活躍中。
 講話は、隊員が1グループ6人ずつの10数グループに分かれての座学とワーク実習、ディスカッションを組み合わせて構成。
 レジリエンスの概念とその必要性などについての座学をしつつ、各人の「エコグラム」の作成実習を実施。この作成実習は、レジリエンスを高めるにあたっては、まずは「自分を知る」ことから始まり、この交流分析により各人のエコグラムを作成し相互に話し合うことで、「自分」の行動や考え方の傾向の一般的特性を把握・理解し、現時点における自分の日頃の言動や行動(心のクセ)の傾向を知り、改善できるところは改善し、また他人の傾向も把握できれば、相手により、「どのように反応すればよいか」が見えてくる。そして、自分自身と他人を冷静に見つめる努力をしていくことでコミュニケーションがよりし易くなることに繋がり、レジリエンスの基礎となるというもの。
 これらを活用して、レジリエンスを高めるための理論と実習、そしてディスカッションを交えながら実施した。
 隊員からは、「自分や他人の行動パターンがよくわかった」「これらを活用して他人とのコミュニケーションの取り方などを更に講義を受けたい」などの有意義であったという声が多数あった。
 飛行点検隊として、このような悲しく痛ましい事故は二度と起こさないという誓いを新たにした。

中隊長の教えのとおり!
阪尾一般幹部候補生が人命救助で感謝状授与される
 一般幹部候補生(一般)課程入校中の阪尾龍雅候補生が、1月23日に大阪市西成消防署長及び大阪市交通局鉄道事業本部運輸部長から人命救助に伴う感謝状を授与された。
 阪尾候補生は、休暇で大阪市内の実家に帰省中の平成28年12月10日、自宅最寄りの大阪市営地下鉄御堂筋線動物園前駅で倒れていた男性を発見し、駅員と協力して速やかに消防へ通報するとともにAEDを用いた心肺蘇生法を行って男性の一命を救い、協力して救助に当たった大阪市営地下鉄職員の方々とともに今回の感謝状授与となった。
 男性はすでに社会復帰を果たしているということで、西成消防署長の本田孝消防正監から「社会復帰を果たせるまでに回復するという例はそうあるものではない。それだけ皆さんの処置が迅速かつ適切であったことを示すものであり、ご協力に深く感謝します」との謝辞が述べられた。阪尾候補生は、「『迷った時は同期に誇れる行動をしなさい』という中隊長(橋本英典3空佐)の教えが念頭にあり、自然と体が動いた。訓練で習った救急法が役に立った」と述べた。また阪尾候補生の一連の行為は他隊員の模範となる善行と認められ、2月6日の学校朝礼において幹部候補生学校長からも善行褒賞が授与された。

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