防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   938号 (2016年9月1日発行)
-
1面 2面 3面 4面 5面 6-7面(PDF) 9面 10面

日米将官級懇談を実施
3自将官級指揮官と在沖縄将官級米軍指揮官が会合
 7月15日、空自那覇基地(川波清明空将補)にて在沖縄の将官級米軍指揮官を招いて日米将官級懇談が実施された。これは、日米共同の更なる伸展を図るため、26年度から開始し今回はその2回目であり、九州沖縄地域において開催される、西部、南西地域の陸・海・空自衛隊の将官級指揮官による西部地区指揮官会議に併せて開催された。
 懇談へは、自衛隊から小川清史西部方面総監、山下万喜佐世保地方総監、山田真史西部航空方面隊司令官、荒木淳一南西航空混成団司令が出席、米軍からは在沖縄米軍のジャンセン第3海兵遠征軍副司令官(第3海兵遠征軍司令官代理)、コーニッシュ第18航空団司令官、カイト第7艦隊水陸両用部隊幕僚長(第7艦隊水陸両用部隊指揮官代理)に加え、オブザーバーとして、同時期に来沖していたウィンクラー第5空軍副司令官が出席した。
 日米双方の出席者は、昨今の情勢認識の共有化を図るとともに、日米共同運用の深化に向けた施策について意見交換を実施し、強固な日米同盟関係をアピールした。荒木南西航空混成団司令は、「日米同盟の更なる強化に繋がる有意義な時間であった。今後も、西部地区指揮官会議の沖縄開催に併せて、継続していきたい」と語った。

最高倍率は10.6倍(入間)
体験飛行抽選会〈航空自衛隊〉
 8月9日、自衛隊記念日記念行事の一環として10月15日に開催される「体験飛行」の応募者抽選会が、防衛省で厳正かつ公正に行われた。
 今年の「体験飛行」は、千歳基地(CH-47J)、入間基地(C-1)、入間基地(CH-47J)、築城基地(CH-47J)、那覇基地(CH-47J)の各地で行われる。航空機に搭乗するための公募期間は7月25日までの約1ヶ月間で、定員700名に対し応募総数は4,420名、倍率は6・3倍となった。特に入間基地は都心からのアクセスも良く応募が集中し、合計定員340名とその他の基地に比べ3倍近い定員にも関わらず、倍率は10・6倍と人気の高さを誇った。
 抽選方法は区分ごとに一定人数を束ねたハガキを番号によって抽出する方法で、航空幕僚監部総務部長・金古真一空将補と広報室長・植森治1空佐が交互に当選者を選出した。抽選結果は9月上旬に返信用はがきで応募者に送付される。

CH-47Jに体験搭乗
〈空自・串本分屯基地〉
 7月31日、串本分屯基地は、体験搭乗を実施した。1フライト30名の4フライト120名が入間ヘリコプター空輸隊所属のCH-47Jで約20分間の大空の旅を楽しんだ。今回は、募集対象者等の他に、航空自衛隊の活動について幅広く理解を広げるために、一般公募枠を設けて地元新聞やラジオ、基地ホームページなどで募集を行った。その結果、定員の約7倍の応募があり、厳正な抽選により搭乗者を選出した。
 当日は好天に恵まれ、体験搭乗者は、日本三名瀑の那智の滝や本州最南端の潮岬など、素晴らしい景色を満喫した様子だった。また、ヘリに初めて乗ったという中学生の谷川璃空君(13歳)は、「将来の夢はパイロット。体験搭乗を経験して、ますますパイロットになりたいという気持ちが強くなった」と満足気だった。
 串本分屯基地は、航空自衛隊の活動について、更に興味を持って頂くために、今後も引き続き、様々な広報活動を企画、実行していきたい。

災派を想定「機動展開訓練」
航空気象群 三沢気象隊 2空尉 内田 常夫
 「M7・7、秋田県沖にて地震発生!自衛隊は災害派遣を実施せよ!」
 これは1983年に実際に生起した日本海中部地震の場面です。災害派遣(以下、災派という)を行った北部航空警戒管制団第33警戒隊(加茂分屯基地)は、この地震による大惨事の教訓を風化させないように現在でも災派活動の演練をしています。
 私が所属する航空気象群は航空気象のスペシャリストです。府中にある群本部を核心に、中枢気象隊では天気図の作成及び配信を主に行い、基地の気象隊は局地予報及び気象観測等を実施しています。そして、災派が下令された際には現場に隊員を派遣し、気象観測等の気象支援を行っています。
 今回、三沢気象隊は災派に伴う野外での機動展開を想定して、如何にして気象支援を行うべきかを検証するため、7月13日から15日の間、加茂分屯基地において実動訓練を実施しました。本想定の下、第1陣はCH-47Jによる機動展開、第2陣はカーゴによる移動とし、空輸及び車両による移動の両面から検証を実施しました。空輸においては現地にいち早く展開できるものの、気象及び搭載品の量に制限を受けるため、携行品の選定が必要であると再認識しました。本訓練を通して、災派に必要な資材及び人員等について詳細に検証できたことはもとより、普段実施している気象支援の重要性、そして、いつ何処で発生するかわからない災派に対する、全隊員の意識の高揚に繋がったと思います。
 近年では、地震だけでなく異常気象に伴う災害も数多く発生しています。的確な予報により災害を未然に局限するのも、また現地に行って天気の助言を行うのも気象隊の使命であると考えます。私は自分の職務に責任を持ち、自然現象に果敢に立ち向かうとともに、今後も、予報精度及び気象支援能力の向上に努めることで日本の空を守っていく所存です。

学生の熱い夏 神輿担ぎを体験
〈海自・横須賀教育隊〉
 海上自衛隊横須賀教育隊(司令・池田秀人1海佐)は、7月17日、横須賀市武氏子会が主催する「平成28年八坂神社夏祭り」の神輿担ぎを支援した。
 横須賀市武氏子会は、横須賀教育隊の所在する横須賀市西部地区において通年地域の祭りを主催しており、横須賀教育隊では毎年依頼を受けて春に入隊した学生を主体とし、夏祭における神輿担ぎの支援を行っている。今年は、148名(学生128名、職員20名)の隊員が参加し、地域住民と力を合わせて約8kmの距離を汗だくで練り歩いた。
 同氏子会理事の嘉山氏は、「この地域も神輿を担ぐ若手が少なくなった。祭りを支えてくれる海上自衛隊横須賀教育隊には本当に感謝している」と話した。
 神輿は担ぐ人の呼吸が合わないとうまく上がらない。参加した学生達は、地域の人達と新鮮な繋がりや、同期の絆を改めて感じつつ、真っ赤に日焼けした満面な笑みで「仲間と一緒に過ごせて良い思い出ができました」「暑かったけど、とても楽しかった」と元気いっぱいに話し、教育隊での熱く楽しい思い出の1ページが増えた様子が伺えた。横須賀教育隊では、今後も地域との交流を大切にするとともに、この伝統的な行事を通じて学
生相互が絆を深め、大きく成長できるものと期待している。

初の日米中級海曹交流開催
〈海自先任伍長〉
 海自先任伍長室は、7月19日から21日の3日間で、海上自衛隊と在日米海軍の2国間における中級海曹交流を米海軍横須賀基地内で実施した。
 この交流は、海上自衛隊と米海軍の中級海曹間における服務指導及びリーダーシップに関する意見交換等を通じ、早期に先任伍長となりうる資質を身につけるとともに、海上自衛隊から10名(女性2名)在日米海軍側から10名(女性3名)の計20名で行われた。
 実施に先立ち、自衛艦隊先任伍長、小瀧雅彦海曹長から、「今回ここに集まった皆さんは、海上自衛隊は横須賀近隣の部隊から、そして米海軍は三沢、厚木、横須賀、更には遥か洋上で行動中のロナルド・レーガンから、多くの参加希望者の中から選抜され、参加されています。皆さんには、この3日間が有意義な時間となるように積極的に参加し、米海軍と海上自衛隊との制度の違いや、アメリカと日本の文化や考え方の違いを肌で感じ、持ち帰ってください。皆さんにとって本交流が、かけがえの無いキャリアとなることを期待します」Everyone will enjoy himself for 3days.「皆さん3日間楽しんでやりましょう!」の挨拶からスタートとなった。
 交流は、5グループに分かれて行われ、初日には、自己紹介、リーダーシップ、フォロワーシップ、メンターシップ、そして、規律と統制について討議を行い、2日目には、家族支援、職場における女性と題して障害となるものは何かについて個人課題発表を実施、3日目には海自及び、米海軍それぞれの艦艇を見学した。その後、本交流におけるアンケートを行い3日間の日程を終えた。
 期間中は、共に目的意識が高く、積極的に隊員相互の会話に集中し討議していた。隊員のアンケートには、米軍との考え方や文化の違いに多く触れることができ、大変勉強になったとの意見もあり、初期の目標は達成したと思われる。
 最後に、海上自衛隊先任伍長の関秀之海曹長から「歴史は変えられない。しかし、歴史はつくっていける。その第一人者が君達だ」と参加した両国隊員に告げ、在日米海軍最先任上級兵曹長と次回開催の握手を交わし第一回日米中級海曹交流は終了した。

総合火力演習部隊を激励
〈静岡県防衛協会〉

 静岡県防衛協会(東部支部長・高田知氏以下5名)が、東富士演習場で本番に向けて訓練実施中の富士総合火力演習参加部隊を訪れ、全国から集まった隊員に対して激励を行った。
 一行は各宿営地及び陣地を回り、「健康管理に留意して頑張って下さい」と激励し、隊員たちと固い握手を交わした。

 ※同面、記事中の階級・役職等は実施当時 


NEXT →
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2016 Boueihome Shinbun Inc