防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   938号 (2016年9月1日発行)
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1面 2面 3面 4面 5面 6-7面(PDF) 9面 10面

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
(学)ケイセンビジネス公務員カレッジ 菊池 渡
「専門学校に再就職して」
菊池氏は平成27年5月、陸上自衛隊第6高射特科大隊を1陸尉で退官。54歳
 私は、福島県郡山市において、公務員や民間企業就職を志す若者の夢を実現させ送り出す専門学校の副校長として勤務しております。専門学校は、営利の上に成り立つ組織です。その基盤があって目標とする「学生の夢を実現させるとともに社会に有用なビジネスパーソンを育成し社会に送り出す。」ことが可能となるわけですが、私の職務内容は、専門学校としての質の向上を図り目標を達成するためのマネージメント業務です。
 再就職にあたり、自衛隊で培った経験・能力により対応が可能と考えていましたが、明確に細分化された職位機能組織図はここにはなく、職務内容に多くのグレーゾーンが存在し、命令・指示で行動を律することのできる環境ではありません。校長の企図をわかりやすい表現で内容を理解させ実行する管理能力が問われ、仕事をしやすい職場環境を創出し、さらなる教職員個々の能力発揮を容易にすることは簡単なことではありません。
 学校教育現場において教育経験のない私は経験豊富な教職員を指導・管理する難しさを痛感し悪戦苦闘する毎日です。今は期待された職務遂行状況ではないと思いますが、志をもち将来を夢みる学生は、これからの日本の未来・希望であり、夢実現の手助けができるとともに人格形成に携われることにやりがいと喜びを感じて勤務しております。
 キャリア形成や資格取得により再就職に向けた計画的な準備は大切であるとともに、採用側から求める声としては、「周囲とのコミュニケーションが図れ、組織の一員として協調性をもって元気に前向きに働けるか」が重要と聞いています。
 私は職種勤務以外にUNDOF最先任上級曹長や師団文書班長等の経験を通じて得たキャリアの積み上げが、私の対応できる就職選択幅を広げ、たまたま中隊長として朝礼の機会教育や駐屯地ヘルスプロモーション委員会での発表を見ていた援護センター長の推薦により、やりがいを感じる職業へと赤い糸を繋げてくれたのだと考えると「未来」は積み重ねた先に在る(見える)ものだと感じているところです。

スポーツよもやま話
〈根岸直樹〉
来場所こそ初優勝、綱取りだ
大関・稀勢の里(田子ノ浦部屋)
綱取りへの期待
 8月に入ったある日、元床山の床寿こと日向端隆寿さん(72)にお逢いした。日向端さんは7月31日に急逝した九重親方(第58代横綱・千代の富士。享年61歳)の大関・横綱時代に大銀杏を結っていた。その日向端さんが「稀勢の里の髪を結ってみたかった」と言っていたのだ。
 「いい力士なのに、どうして勝てないのか。髪を結いながら、亡くなった横綱の話をしてやりたかった」というのだ。大関として何度となく優勝を掴み取るところまで行きながら、どうしても一線を乗り越えられない。7月の名古屋場所も12勝で「やっと綱(つな)がったな」と13,13 ,12勝で5度目の横綱挑戦に失敗したことを、担当記者に冗談まじりにからかわれたものだった。
 「演歌の文句じゃないけど、嬉しがらせて泣かせて消えてって、何回期待すれば横綱になれるんですかね」とある担当記者も苦笑いしていたものだが、私は「泣かせてばかりいるけど、横綱への夢は、まだ消えたわけじゃない」と思っている。9月場所(9月11日初日・両国国技館)こそは…。しかし横綱審議委員会・守屋秀繁委員長(75)は「優勝なしで推薦して短命横綱にしたことで、横審はどこを見ているんだ、と言われかねない。稀勢の里自身にとっても不幸。13,13 ,12勝で、3場所連続優勝次点は評価できるが、横綱になるにはやっぱり優勝が欲しい」と話している。
勝負は30代
 それでは「初Vに足りないもの」は何なのか。師匠・田子ノ浦親方は「相変わらず立ち遅れ、腰高が目立つ。もっとシコを踏んで、腰高を直すこと。立ち合いが全てだ」と指摘した。
 「何が何でも稽古しないと強くなれない」が、亡くなった九重親方の口グセだったそうだ。九重親方は30代に入ってから黄金時代を迎え、引退までに19度優勝している。32回優勝したあの大鵬でさえ、30歳になってからの優勝はたったの1回だった。千代の富士が「体力の限界。気力もなくなった」と引退したのが35歳。名古屋場所中の7月3日に30歳の誕生日を迎えた稀勢の里など、駆け出しに等しいと言ってもいい。
 6度目の挑戦となる秋場所。腰高を克服しての稀勢の里の横綱取りに期待したい。父・貞彦さん(70)は「重圧の中でたいぶ鍛えられてきたようだ。来場所こそ、綱取りに成功してほしい」と話している。
 8月、岐阜市から始まった夏巡業。右足首の捻挫で前半休場をした稀勢の里も、故障が癒えて中旬から参加、さしたる不安もなく「何と言われても、やるしかない」と強気。今度こそ、ファンの期待を裏切らないでほしい。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
It's been cool and comfortable lately.
 イッツ ベン クール アン コンフォタボー レイトリー 
 最近は涼しくて過ごしやすいですね

Hi! How are you doing? 皆さん、お元気でしょうか。9月に入りました。残暑はありますが、少しずつ涼しくなってきています。四谷駅から続く線路沿いの公園も、真夏から晩夏にかけて鳴いていた蝉の声も小さく、少なくなり静けさが帰ってきています。気温や湿度、風、太陽の光などで、総合的に季節の変化を感じるのでしょうか。日本人はすばらしい感覚を持っていますね。

 さて、今回の表現は、"It's been cool and comfortable lately"「最近は涼しくて過ごしやすいですね。」にしました。季節の表現です。It'sは、it hasの短縮形で、過去から現在までの時間の経過を表現できます。latelyは、「最近、このところ」という時間の流れを意味します。cool and comfortableは、「涼しくて快適または気持ちの良い」という感じです。この表現を基本にして、「このところ〜である」という表現ができますね。もっと直接的に涼しくなってきている状況を表現したい場合には、"It's(it isの略)getting cooler"「涼しくなってきてるね。」とすれば、現在、自分が涼しさを感じていることが伝わってきます。

 大学は、次学期への準備がはじまります。大学生の就職活動(就活)も、終盤です。暑い中、黒いリクルートスーツで汗をかきながら頑張った経験は将来役に立つはずです。私も、ペンシルベニア州立大学教授の著作翻訳プログラムに参加しています。締め切りを気にかけつつ、汗をながしているところです。季節の変わり目は、体調がくずれることがよくあります。ご自愛され、楽しく、陽気にストレスの少ない生活をお過ごしください。それでは、皆さん。See ya!
〈スワタケル〉


防衛ホーム俳句コーナー

鵜篝の消えて一夜の修羅の果つ  塩見 惇子
箱庭の如き狭庭に芒の穂     宮田  康
いつしかに長老となり敬老会   山口 生石
東京は母のふるさと震災忌    大門由利子
外灯の闇を深めて虫時雨     岩城 節子
秋の蝶とし富士塚を高舞へる   吉川 道男
近江路の蘆に隠れし船着場    友国 博子
風波の川藻の蔭に糸とんぼ    水野  正
新居へのしるべに門火焚きにけり 山川 元旦
鵜篝に火の入り闇のよよ深む   矢嶋 麗子
軽やかに一両電車花すすき    折口 桂子
藤の実のゆれ風の意に逆はず   大浦アイ子
子規の碑に水引そつと寄り添へる 杉山ふく美
ふるさとに父母在さず蝉時雨   的場 雅子
糸瓜忌や伊予弁脱けぬ祖母なりき 佐賀あかり
凌霄の影より現れし黒揚羽    堀川 利枝
秋晴や空の上なほ空がある    明田 眞雅
選 者 吟
千体の水子地蔵に朝の虫     成川 雅夫


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