自衛隊ニュース2016年8月1日(10)

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　　　936号 (2016年8月1日発行)

1面　 2面　 3面　 5面　10面　11面　 12面

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
株式会社テイエルブイ　芝　藤雄
芝氏は平成26年6月に陸上自衛隊第3特科隊1陸尉で退官。55歳

　私は、陸上自衛隊姫路駐屯地第3特科隊を最後に35年余の勤務を終え、平成26年6月に定年退職致しました。現在は株式会社テイエルブイに再就職しております。50歳を過ぎた頃、同社に在籍していた信頼のおける先輩から誘いがあり、業務内容や会社の話を伺ううちに「この企業であれば良いかな、ここで働きたいな」と思い始めました。
　定年2年前に駐屯地広報室長となった時に、先輩に誘ってもらった会社が、駐屯地の強力な支援団体である「姫路防衛協会」の法人会員であり、兵庫地方協力本部が窓口の「兵庫県防衛協会」の会員である事や、姫路駐屯地が受け入れている「体験入隊」に新入社員研修の一環として参加している事を知りました。また、会社の人事担当の方とお話をする機会もあり、創設者の現会長が旧軍出身で、守衛保安は全員自衛隊を定年退職した者を採用するとの指針を示されている話を聞き、次第に入社したい気持ちが固まっていきました。
　現在、私は総務課保安係のリーダーとして自衛隊OB7名と共に勤務し、未熟ながら上司のご指導と先輩方の知恵を頂きながら何とかやっています。
　当社は、お客様の問題解決・目標達成を支援する最適な解決策を開発・提供・生産する事でお客様満足度100%を実現し、長期にわたる信頼関係を築き、独自性で価値ある企業として存在すると言う経営理念と、品質至上主義・独自性の追求という基本方針のもとに、国内はもとより海外にも営業所・販売社等を持ちグローバルに展開する会社であります。
　この経営理念と基本方針を達成するために、保安係としては正門でのお客様対応、案内、電話応対等々、来社された方が初めて接するのは我々だと自覚し、態度や言動に気を配りお客様に安心と信頼を与える事が会社への貢献と思っております。保安のもうひとつの任務に環境整備があります。会社敷地2万平方メートルの内1万平方メートルは芝地であり、これを最良の状態に管理することにより、来社されたお客様の心を癒すことを目指しております。
　再就職した当初は「自分のための第2の仕事」と考えていましたが、今では「後輩のためになるには・・」とか「会社に少しでも役に立つには・・」と考えて勤務しております。自衛隊で身についたものを企業において活かす時に、良い場面と悪い場面があり、それを判断しながら業務を行う必要があり、これに慣れるまで時間が掛かりました。
　これから後輩の皆様が再就職される企業には、様々な特性・特徴があると思います。殆どの方は自衛隊以外での勤務を知らずに新たな組織に加わるわけですが、柔軟さと規律正しさ、そして普通の方より少し優れた体力を信じて再就職活動と新天地での勤務に邁進して下さい。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
I'm kinda sore!
アイムカインダソア
ちょっと筋肉痛だよ!

Hi!　How　are　you　doing?　皆さん、お元気でしょうか。8月ですね。暑い日が続いています。今年は世界中でさまざまな出来事が起きますね。激動の年といっても過言ではありません。各国でテロが多発し、それぞれの政府は対応に真剣に取り組んでいます。私たち市民は、そういう国や自治体の組織に守ってもらっていますが、自衛隊、警察、消防などで現実に対応している組織は、私たちが想像する以上に過酷な現状であることは間違いありません。安全保障の体制をしっかりと現実に即したものに変化させていく必要がありますね。

　さて、今回の表現は、"I'm　kinda　sore!"「ちょっと筋肉痛だよ。」です。kindaは、　kind　of　の口語表現で、「～みたいな、～のような、ちょっと～」を軽く表現できます。soreは「～でいたむ、触ると痛い感覚」です。このフレーズの場合は、「身体が痛い、筋肉が痛い」ということになります。体中が痛い場合は、I'm　sore　all　over!「体中が痛いんだ!」となります。風邪で喉が痛い場合は、喉"throat"をつけて、"I　have　a　sore　throat　from　a　cold"「風邪で喉が痛い。」となります。このように身体の部分が傷む場合は、haveを使って表現することができます。使ってみてください。

　学校は夏休みが始まりました。通勤時間に学生の数が少なくなり、電車も若干空いた感じがします。一方で大学四年生は就職活動の最後の踏ん張りです。黒いリクルートスーツに身を包み、汗だくになりながら会社訪問を続ける。大変ですが、頑張ってください。夏風邪が流行っています。くれぐれもご自愛ください。楽しく、陽気にストレスの少ない生活をお過ごしください。それでは、皆さん。See　ya!
〈スワタケル〉

スポーツよもやま話
根岸直樹
和田一浩　 (元プロ野球選手)

　マーリンズのイチローが42歳で頑張っているのを見るにつけ、聞くにつけ「オレももう少し頑張ってみてもよかったかな」と、時々独り言を言ってみたり、時には愛用のバットを持ち出して、素振りをしてみたりしているというのが、昨年限りでユニフォームを脱いだ前中日の和田一浩外野手。和田は1972年6月19日生まれだから、先頃迎えた誕生日で44歳。「無理とは思うけど、試合を見ていると、あれくらいなら…とどうしても思ってしまう」と、多少はにかみながら話してくれた。
　最後のシーズン、79試合で65本ヒットを重ね、本塁打も5本打ったが「考えてみれば、あそこが限界だったのか」と苦笑していた。それにしても97年(平成9年)神戸製鋼から西武にドラフト4位で入団、後中日に移籍(08年)して、19年間で2050安打(319本塁打、通算打率3割3厘)は「さすが」という以外に言葉がない。
　何しろ2000安打したのが、史上最年長の42歳11カ月。「最後は、一緒に頑張ったのが谷繁元信監督(中日)。彼は確かオレより7か月遅れの達成だったと記憶している」と、また当時の打ち合いを思い出して懐かしんだ。
　和田は捕手だったが、西武には現ロッテ監督の伊東勤捕手がいて、出る幕なし。試合に出られるようになったのは、伊原春樹監督になって外野手に転向してから。そのとき和田は、すでに30歳になっていた。そして誰よりも遅い2000本安打達成で名球会員なのだから「すごい」。
　あまり話したくないのだが、その和田が西武時代の逸話をひとつ。小生が地元の少年野球チームを引率して、西武球場の試合観戦に出掛けたときの話。西武は試合前の練習を第3球場で行い、本球場に戻る時、ファンの間を歩いて帰るのだが、少年ファンが一斉に取り囲んで、選手と握手、ハイタッチをするのを楽しみにしている。
　そんなとき、和田だけが少年ファンの差し出す手を振り切って「頑張って!!」「ホームランを打って下さい」等の声援も聞こえない振りで本球場入りしてしまったのだ。ガッカリする少年たちに「和田は、今調子が悪いので、握手したくなかったんだろう。きっと今日は打つよ」と慰めたが、気になったので後になってマネージャーにその話をしておいた。
　和田がその後、ファンにどう接したか定かではないが、大記録まで樹立した名選手だ。ユニフォームを脱いでからも、ファンは大切にしてもらいたいと思っている。ひと昔前の話だが、今度逢ったら昔話として、そのことを話してみたい。あの "事件" さえなければ、小生の記憶の中では、和田は10指に数えていい好きなプロ野球選手のひとりだ、と思っている。