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自衛隊ニュース   910号 (2015年7月1日発行)
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第7師団創隊60周年及び東千歳駐屯地創立61周年記念行事
 5月31日、第7師団(師団長・太田牧哉陸将=東千歳)創隊60周年及び東千歳駐屯地(司令・沖邑佳彦陸将補)創立61周年記念式典が行われ、同駐屯地が一般開放された。
 記念式典に先立ち、30日、駐屯地内千歳園慰霊碑前で遺族参列のもと追悼式が執り行われ、駐屯地所在部隊の殉職隊員42柱に対する師団長の「追悼の辞」に引き続き、献花が行われ、御英霊の冥福を祈った。
 記念式典においては、観閲官太田師団長が式辞で関係者に敬意と感謝を表し「いかなる事態にも即応できる準備と覚悟を持ち、あらゆる任務を完遂するため全隊員が一丸となって取り組む」と決意を述べた。
 引き続き行われた観閲行進では、観閲部隊指揮官沖邑陸将補以下約1,300人、装軌車等約400両がパレードを行い、陸上自衛隊唯一の「機甲師団」としての威容を示した。
 また、師団創隊60周年を記念して、陸上自衛隊歴代の国産主力戦車である61、74、90、10式戦車が紹介され、特に90式戦車及び最新の10式戦車の走行性能の高さが披露された。
 F—15の展示飛行に引き続く実戦さながらの国内最大級の訓練展示においては、増強戦車連隊(第71戦車連隊(連隊長・橋本賦1陸佐=北千歳)の攻撃シーンが目の前で展開され、機甲部隊とヘリコプターによる「空地一体」の攻撃と地響きをたてる90式戦車の
機動力に、訪れた観客の驚きの声と拍手で会場が覆い尽くされた。
 地域との交流を深めるふれあい広場では、地域物産展、装備品展示、戦車試乗、フアフア、機甲太鼓、音楽演奏等が行われ、子供たちの楽しそうな歓声が響いた。当日は、約16,000人の来場者で賑わい、節目の記念行事にふさわしいイベントとなった。

各地で防災訓練
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災害対処勉強会を実施
〈第9施設群〉
 第5施設団第9施設群(群長・大西昌弘1陸佐=小郡)は、5月12日〜14日、福岡県久留米市の東合川渡河訓練場にて実施していた渡河集中訓練間に、13日、関係機関と災害対処勉強会を行い、大規模災害等の教訓及び関係機関の能力・特性等について認識を共有し、今後の方向性について自由討議を実施して、災害時における対処行動の実効性の向上を図った。本勉強会には、群の災害担当区域の朝倉市、筑前町、東峰村の各自治体の防災担当者と同管轄の消防署、警察署から計9名が参加した。
 導入として、まずは各機関の能力・特性の認識を深めるために、平素及び災害時の態勢、発災時の行動等について各機関から説明を受け、群の自走架設橋、渡河ボート等の災害対処装備品について展示・説明を実施。この際、関係機関が実際に救命胴衣を着用し、渡河ボートの漕舟体験、また、軽門橋(3舟4導板)による小型トラックの運航を実施した。漕舟を体験した消防署は「想像以上に難しかった。九州北部豪雨の際、実際に自衛隊がこの渡河ボートで孤立住民を救助しているのを見た。今日は身近に感じられて良かった」と語った。
 訓練展示後は、東日本大震災、広島県土砂災害の教訓事項について、平素からの自治体との連携の重要性や、自衛隊での図上演習の有効性について情報提供した。自由討議では「関係機関と平素から何をなすべきか」をテーマに、発災時の情報共有要領や、調整要領を各機関が意見を交わす等、関係機関の連携をより一層強化するための共同偵察・図上訓練等への実施について布石を打った。
 このように関係機関が一堂に会して勉強会を実施するのは今回が初めてであったが、勉強会の機会を今後も継続し、増やしていくことが大切だという結論に至り、勉強会を締めくくった。
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霧島市総合防災訓練に参加
〈第12普通科連隊〉
 第12普通科連隊(連隊長・若松純也1陸佐=国分)は5月21日、27年度霧島市総合防災訓練に重迫撃砲中隊長(福元3陸佐)以下22名を参加させた。
 この訓練は、地震・局地的豪雨による災害を想定し、毎年雨季を前にしてこの時期に開催されている。今年度は市内の上床公園に場所を設けて、関係機関・団体等が参加。
○防災関係機関、自主防災組織及び地域住民との初動体制の確認と実践的な防災体制の充実強化
○住民の防災意識の高揚を図る
以上2点を目的として実施された。
 連隊は、住民避難訓練において人員輸送を実施。その後、合同救出連携訓練ではレンジャー隊員による孤立集落降下、情報小隊による偵察活動、倒壊家屋からの救助を担当した。
 訓練を通じて関係機関との調整、連携の重要性と地域住民の防災意識の高さ、自衛隊に対する期待の大きさを痛感した。
 我々は、平素からいつでも対応できる体制を持って、国民の期待に応えるため訓練に励みたい。
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初の電力会社との共同訓練
〈第13普通科連隊〉
 第13普通科連隊(連隊長・平田雄嗣1陸佐=松本)は5月20日、松本駐屯地及び松本市スカイパーク陸上競技場等において、東部方面隊と電力3社の協定に基づき、中部電力との初の共同訓練を実施した。
 訓練は大規模地震で停電が発生したという想定で実施され、連隊は中部電力防災本部会議に参加、また、災害時に復興の拠点となるスカイパーク等へ配電資機材を輸送するとともに、電力がダウンした駐屯地へ向かう中部電力の復旧要員の輸送等を実施した。じ後は中部電力の作業員による停電復旧作業が駐屯地内で実施された。
 本訓練を担当した第3科由良一陸尉は「非常に有意義な訓練であった。今後もこの様な訓練を継続的に実施していきたい」と語った。

第2回隊指揮所訓練を実施
〈東北方面後方支援隊〉
 東北方面後方支援隊(隊長・外屋寿郎1陸佐=仙台)は、5月12日〜15日まで仙台駐屯地において第二回隊指揮所訓練を実施し各種見積りに基づく隊運用計画を作成し、指揮幕僚能力の向上を図った。
 隊長は本訓練間、「教訓事項の分析と計画への反映」「幕僚活動における並行性と適時性の実践」を要望事項に掲げ、第1回指揮所訓練で実施した任務分析、状況の特質、各種見積(人事、地域、情報、支援、部隊運用構想等)を再度見直し、運用計画を修正・深化させて、検閲受閲に向け「隊運用計画」作成要領及び作戦会議の実施要領を演練した。隊は、本訓練で作成した運用計画に基づき、27日から第3回隊練成訓練を実施し、実行動の練度向上を図る。

レンジャー教育始まる
〈第34普通科連隊〉
最も過酷な訓練に挑む

 第34普通科連隊(連隊長・白川訓通1陸佐=板妻)は「平成27年度部隊集合教育『レンジャー』」を開始した。
 陸上自衛隊において最も過酷とされている本教育は約3ヶ月間実施され、主として遊撃行動により困難な状況を克服して任務を完遂する能力、強靭な体力及び精神力を養成する事を目的としている。
 本教育には連隊の各中隊から選抜された隊員、滝ヶ原駐屯地に所在する評価支援隊、北富士駐屯地に所在する第1特科隊から総勢13名が参加している。
 教育開始直後から教育が始まり、レンジャーとして必要な様々な技術や能力を身につけている。山地潜入課目の一環として、ロープに対する信頼感を醸成する事を目的とする、胆力テストを実施した。
 学生はロープの一遍を体に、もう一遍を約10mの高さのロープ橋に結び付け、教官の号令でロープを握った手を放して、宙づりとなる訓練により胆力を養った。
 各中隊から大勢の隊員が応援に駆けつけ、学生達に声援を送った。
 また、渡河等に必要な河川等の通過技能の修得を目的とする水路潜入では、沼津市志下海岸において偵察用ボート漕法等の技術を体得した。
 その後、山地を克服するために必要な技能の修得を目的とする山地潜入では沼津市鷲津山の岩場を利用してバディを背負いながら10m近い崖を降下する「背負い搬送」や傷病者を救出する「担架搬送」等の技術を体得した。
 最終日には連隊長が訓練を視察し、学生達を激励した。
 学生は今後、爆破訓練や行動訓練等を予定しており、過酷な教育ではあるが、栄光のレンジャー特技取得を目指して教育に挑む。


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