防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   896号 (2014年12月1日発行)
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方面隊戦車射撃競技会
〈第7師団〉
 第7師団(師団長・太田牧哉陸将)は、10月17日から22日までの間、北海道大演習場島松地区第1戦車射場において、平成26年度方面隊戦車射撃競技会を担任した。
 本競技会は、各師団・旅団の戦車部隊等の戦車射撃能力の向上を図ることを目的として行われ、師団隷下の3コの戦車連隊、偵察隊のほか、第2戦車連隊(上富良野)、第5戦車大隊(鹿追)、第11戦車大隊(北恵庭)の7コ部隊から46コ小隊(1コ小隊4両)が参加した。
 競技要領については、演習弾、対戦車榴弾及び連装銃を使用した一連の状況における小隊戦闘射撃で、連・大隊対抗、中隊対抗、小隊対抗及び支援部隊の部で競技を実施した。
 また、第2戦車連隊が保有する10式戦車1コ小隊がオープン参加し、方面隊戦車射撃競技会において初めて小隊戦闘射撃を披露した。
 今年度は、新たな取り組みとして、昨年度の競技会の教訓から演習弾を使用した戦車標的の現出時間の制限を設定し、迅速・果断な射撃の向上を図るとともに、現出した標的に対して友軍標的を現出させて彼我を確実に識別して射撃することにした。更には、MG移動標的を追加し射撃技術の練度向上を図り、迅速・果敢な小隊戦闘射撃に着意した。
 参加部隊は、この競技会を目標に1年間積み重ねてきた練成の成果を発揮すべく、機甲師団としての誇り、部隊の伝統と名誉、機甲科隊員としてのプライドをかけて5日間の激烈な戦いを繰り広げた。
 競技会期間中は、道内外から訪れた約500人の研修者が戦車射撃を目の当たりにし、迅速・果敢な戦車の迫力を肌で感じ、驚きの声を上げていた。
 競技会結果は、【連・大隊対抗の部】において第72戦車連隊、【中隊対抗の部】においては、第72戦車連隊第3戦車中隊、【小隊対抗の部】においては、第71戦車連隊第1戦車中隊第1小隊が「ベストプラトゥーン」の栄光を勝ち取った。また、連隊を整備支援した【直接支援部隊の部】において、第7後方支援連隊第2整備大隊第2戦車直接支援中隊が表彰された。

10000飛行時間達成
岩国航空基地
臼見誠海曹長
 岩国航空基地第81航空隊(司令・大久保勝司1海佐)で多用機OP―3C及びEP―3型航空機の機上整備員配置検定官として勤務する臼見誠海曹長(44歳)は、10月16日、見事1万飛行時間を達成した。1万飛行時間と一言で言ってしまうのは簡単であるが、そこには本人の努力もさることながら先輩、同僚、後輩隊員の支えや家族の協力があって初めて達成できる大記録であることに間違いはない。
 臼見曹長は、昭和63年第13期海曹候補生として横須賀教育隊に入隊後、平成5年航空士機上整備課程を履修し、岩国基地に所属する第8航空隊に配属、平成13年同航空隊解隊後は、第81航空隊に異動し現在に至っている。
 1万飛行時間を日数に換算すると417日となり、約1年2か月弱を航空機で生活したことになる。
 当日は、1万飛行時間達成を祝福するかのように天候にも恵まれ、真夏日を思わせるような暑さの中、飛行作業を終えた臼見曹長を大久保司令以下多くの隊員が盛大な拍手で出迎えセレモニーが行われた。本部総務班先任海曹として勤務するかたわら、日頃から己に厳しく、妥協することなく業務を遂行し、厳格な部下指導を行う機上整備員の若頭もこの時ばかりは、後輩機上整備員からの花束贈呈に感無量といった表情が印象的であった。
 この偉業に対し本人は「これまで多くの方々に支えられ、無事に1万飛行時間を達成出来た事を心から感謝しています。過去に81空には1万5千飛行時間の偉業を達成された先輩機上整備員がいます。この記録に少しでも近づけるよう、これまでの経験をいかし、後輩の育成に尽力し、海上自衛隊航空部隊に貢献していきます」と喜びと熱い意気込みを語っていた。

雨の中の戦闘
〈第5普連〉
 第5普通科連隊(連隊長・友伸治1陸佐)では、10月1日から6日までの間、秋深まる岩手山演習場において11月下旬に控える戦闘団訓練検閲を見据えた練成訓練が実施された。
 この訓練の中で『基礎となる部隊の訓練検閲』として第1中隊及び施設作業小隊の検閲も行われ、1日には、訓練開始式が行われ戦闘団長は、『常に敵を意識して行動せよ』・『生き残りかつ機能の発揮出来る陣地を構築せよ』・『安全・健康・装備品管理の万全』と三点を要望し、引き続き受閲部隊は隊容検査が行われ各人の準備状況を確認後、訓練は開始された。
 当初、32qの夜間徒歩行進から始まり引き続き3日間の陣地構築と、その後の戦闘に備えていた。
 第1中隊では、佐々木中隊長を核心とし一隊員に至るまで堅固な陣地を概成させ、戦闘間秋雨の降りしきる中、大きな損耗もなく迫る敵を遅滞するとともに、施設作業小隊では、20数か所にも及ぶ道路障害を構成する等、与えられた任務が達成された。
 この度の訓練を経て、来たる第5戦闘団訓練検閲に向け、更なる精強化を誓い、岩手山演習場を後にした。

防長路を訪ねて
〜陸自山口駐屯地等現地検証〜
〈呉造修補給所貯油所〉
 呉造修補給所貯油所(所長・布施壮一2海佐)は、10月下旬から期間限定で、陸上自衛隊山口駐屯地への自隊タンクローリーによる車両燃料(軽油)の連続出荷を実施中である(=写真上)。西方演習通過支援のため実施するものであり、自隊輸送による陸上自衛隊への出荷は今回が初めて。従前は天板に「呉造修補給所」と印字された実ドラム缶が「海自」を感じさせる程度であったが、これに加え、今回は鮮やかに黄色く塗装された貯油所タンクローリーによる「目に見えた形」の補給支援が実現できた。
 なお、貯油所長以下6人はこれに先立ち10月21日、22日の両日、山口駐屯地等を訪れ、燃料受入施設等の状況を実地に把握した。
 同駐屯地では、第17普通科連隊において駐屯地の概要説明を受けた後、同駐屯地業務隊所掌の地下タンク給油口に持参したアダプターが合致するか確認する等、事後の作業も円滑に進むよう具体的に事前調整を行った。また、現地検証の合い間に、由緒ある「防長尚武館」を見学し、明治29年以来地域とともに歩んできた「歩兵第42連隊」、更にはこれを継承する「第17普通科連隊」の歴史も知る機会を得た。
 この他、近隣で同じく支援対象部隊である航空自衛隊防府北基地を訪れ、第12飛行教育団整備補給群の案内により、燃料受入・払出施設の検証も実施。同群司令の計らいによりエプロン地区の「T―7初等練習機」の列機に対する給油要領も確認でき=写真下、日頃の燃料支援が飛行運用に直結している姿を真近かに感じられた。
 なお、同様に防府南基地においても燃料施設等の確認を行うことができた。今回の防長路においては、検証を通じ、燃料支援が陸空部隊の活動に直結することを再認識するとともに、貯油所が陸海空自衛隊最大のオイルターミナルであることを自覚し、その機能を十分発揮していくため努力することを参加者一同誓ったところである。

第91航空隊初の女性航空士
中岡真奈美海士長
 第91航空隊(司令・山子啓介2海佐)において、開隊以来初の女性航空士、中岡真奈美海士長(徳島県出身)が、9月26日、電波妨害員(RJ)の転換訓練を終了し、海上自衛隊で希少な配置である女性初のRJとなった。また、当隊が所属する第31航空群においても初の女性航空士である。
 中岡士長は、平成23年第4期海曹候補生(女性課程)として海上自衛隊に入隊。「海外活動する先輩たちの姿に憧れ、自分もその一翼を担いたい」との熱意から航空士の道を希望した。
 航空士要員として、第2整備補給隊で搭載電子機器の整備に関する知識技能を習得、平成25年9月、第203教育航空隊、海曹航空士対潜(音響)課程に入校、厳しい教育訓練を経て、晴れてウイングマークを取得し、平成26年6月、第91航空隊に着隊した。
 第91航空隊が保有する多用機UP―3Dにおいて、RJとして配置された中岡士長は、今後の抱負を「一日も早く部隊の戦力となり、海上自衛隊の電子戦能力の向上に寄与できる存在となれるよう努力します」と述べており、電子戦を担う女性RJの先駆者として、また数少ない女性航空士として今後の活躍が期待される。
 なお、第91航空隊は平成25年から護衛隊群米国派遣訓練に派遣航空隊として参加しており、中岡士長が海外派遣訓練に参加する日も近い。

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