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自衛隊ニュース   896号 (2014年12月1日発行)
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日米共同統合演習(実動)
統幕、情本、3自衛隊と米軍が参加
離島防衛能力が向上
 11月8〜19日まで、日本の周辺海空域、全国の訓練参加部隊所在地で「平成26年度日米共同統合演習(実動演習)」(keen Sword/26FTX、以下26FTX)(統裁官・河野克俊統合幕僚長、S・A・アンジェレラ在日米軍司令官)が行われた。FTXは隔年で実動演習と指揮所演習を交互に実施しており、実動演習は今回で12回目。水陸両用作戦、陸上・海上・航空作戦、統合後方補給に区分され行われた。
 水陸両用作戦は、敵勢力が存在する離島を舞台に、水路とヘリボンの海空2経路により着上陸する作戦を、陸自西部方面普通科連隊、陸自CH-47、海自輸送艦「しもきた」、海自揚陸艇LCAC等が参加して鹿児島県奄美群島の無人島・<RUBY CHAR="江仁屋離","えにやばなれ">島で行った。陸上作戦では、上陸を図る敵勢力を迎撃する対着上陸作戦を大分県の日出生台演習場で期間中2度に渡り実施。陸自第2師団(旭川)10式戦車の姿もあった。奄美大島で行われた対艦・対空訓練には陸自八戸駐屯地の第4地対艦ミサイル連隊も加わったが、これら北方、東北方の部隊は各方面隊が実施した転地演習も兼ねていた。FTXには例年全国から部隊が集結する。統合後方補給の一環として、FTX初参加の米空軍C-17にNBC偵察車を搭載し横田基地から岩国基地に移動した中央即応集団隷下の中央特殊武器防護隊(大宮)もその一つで、各地で行われた日米共同基地警備のうち佐世保と岩国でCBRN攻撃対処訓練を行った。
 海自護衛艦「きりしま」などが参加し、米海軍第7艦隊の空母ジョージ・ワシントンの護衛や、米海軍艦艇と自衛隊艦艇が並走して行う洋上給油等の訓練から構成された海上作戦は九州東方海域で行われた。防空戦闘訓練・航空救難訓練が行われた航空作戦では、空自小松基地および石川・岐阜両県に跨る白山で日米共同の航空救難訓練、防空戦闘訓練を実施した。山岳地帯の救難訓練はFTXでは初めて。防空戦闘訓練では小松基地沖合の広大なG空域を主要訓練空域として、空自F-15やF-4、三沢基地のF-16等が参加した。
 河野統幕長、アンジェレラ司令官は26FTX最終日に海自厚木基地で共同記者会見を行った。「新たな訓練項目を加え日米で多様な任務に対処する能力の向上を図ることができた」(河野統幕長)、「これまでにないレベルでの協力体制で実施することができた」(アンジェレラ司令官)等と成果を語り、離島防衛についても、河野統幕長は「我々の新たなチャレンジ。経験豊富な米軍の助言を頂き一歩一歩確実に進めている」等と期待通りの成果が挙げられたことを示唆した。統合運用による実際の島を使用した自衛隊の着上陸訓練は、今年5月の統合実動訓練以来で国内2度目。あらゆる機会を用い自衛隊の離島防衛能力は着実に向上している。

雪月花
 仕事がら毎年自衛隊音楽祭りは見せてもらうが毎回感動に出会う。何がそう感じさせるのかと聞かれても全部ですとの答えにしかならない。出場者全員のひたむきさなのかもしれないし出場者と一体になった観客の暖かさかもしれない。防大生の演技が無事に終わった後のほっとした身内のような気持ちが場内に伝わる。太鼓の演奏には外国人がびっくりする、スタンドの一角に集まっていた米軍の一団は最初から最後まで歓声を上げていた。たしかに指揮者もいなくて216人が眼に見えない何本もの糸で操られているかのようにテキパキと動く様は誰が見ても驚きだ。日本の音楽の緻密さと外国の演奏のゆるみとはよく比較されるが、日本の音楽の間と息がこんな演奏を可能にするのだとは友人の琵琶奏者の感想だった。オペラ歌手の友人も「今、会場を出たばかりですが日本にもこんなコンサートがあったんですね、驚きです」と興奮の電話がかかってきた。「米軍のソロ歌手も日本のソロ歌手も基礎はしっかり出来ている、お腹の底から声が出ているし自分のオペラに照らしてみてもプロ以上の実力です。歩きながら隊形をかえての吹奏、特に後ろに歩くのは楽しそうに見えるが大変な技術が要求される、全てに圧倒されました。」「普通のステージは前面からだけ見られる平面構成だが武道館は上からも下からも見られるので立体的な演出には苦労されたんでしょうね。」

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