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自衛隊ニュース   894号 (2014年11月1日発行)
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航空安全への意識さらに高まる
〈航空安全管理隊〉
御巣鷹山現地訓練
 10月8日、9日に空自航空安全管理隊(司令・橋本進空将補=立川)は、第149期飛行安全幹部課程学生に対し、現地訓練を行った。安全管理とともに危機管理についても「生きた教材」になると、日本航空安全啓発センター研修と併せて日航機墜落事故現場の御巣鷹山現地訓練を平成16年から行っている。現地では、「慰霊の碑」に参拝後、地元の元消防団の方から当時の話を聞き、航空事故が与える影響の大きさや苦しさを実感した。その後約1時間かけ山岳地歩行で事故現場である昇魂之碑まで行き犠牲者の冥福を祈った。そこで地図判読・地点評定・測量などを行い様々な思いと共に下山。
 「改めて、安全というものを考えさせられた」「事故現場の空気を感じられた」と陸海空自衛隊及び韓国空軍のパイロット10名の学生は、10月17日に修了式を迎えた。

飛行安全幹部課程 絆深まる修了式
航空自衛隊航空安全管理隊
 10月17日、この上ない秋晴れの日に航空安全管理隊で「第149期飛行安全幹部課程」の修了式が行われた。空幕副監察官佐瀬剛2空佐、海自航空集団司令部浅野一郎2海佐らが来賓として参列した。8月27日に入校した計10人が安全飛行及び航空事故調査に必要な知識技能を約7週間に渡り修得した。
 橋本司令は訓示で「航安隊は修了後も広く門戸を開いているので、いつでも聞きにきてほしい。ここで共に学んだ仲間との団結力を持って業務に邁進してほしい」と帰隊する学生達に対し期待を述べた。
 OBの講義、民間航空会社での研修等様々な教育課程を受けた学生達からは「ここで修得したものを部隊でしっかり普及教育したい」「最新の知識を追っかけないと安全は保てない。戻ってからも日々勉強です」と航空安全に関する意識が向上し、部隊で必ず普及させるという強い意志が感じられた。課外でも意見交換や議論が行われ、垣根を越えて団結力が強まった。「教育課程期間だけではなく、今後も交流を続けたい」「ただの知り合いではなく家族になれたと思う」等の声が聞かれ、約7週間で深まった絆は今後も途切れる事はないようだ。

中国をテーマに部外講話
〈航安隊〉
 航空安全管理隊は10月9日、防衛研究所の塚本勝也主任研究員(安全保障、戦略論が専門)を講師として招き「中国の軍事的台頭と日米の対応」をテーマにした部外講話を実施した。
 講演には第149期飛行安全幹部課程の学生10人や基地内の陸自隊員2人などを含めた約60人が参加し「中国の軍事的能力や戦略などの分析、それらに対応する米国の戦略と日本に期待される役割、今後の展望」に関する講演を熱心に聴講した。
 講演後の質疑応答も活発に行われ、参加隊員からは「非常にわかりやすく、説得力のある講演だった」「日本周辺の最新情勢等についての理解を深めることができた」などの所感が寄せられ、航安隊も「隊員の防衛教養に係る知識の向上、自学研鑽の一助となった」としている。

緊急発進実施状況
26年度上半期 
統合幕僚監部が公表
4月1日〜9月30日
533回のうち過半数が露機
前年度同時期比で大幅増
 10月15日、統合幕僚監部は平成26年度上半期(4月1日~9月30日)の緊急発進実施状況を公表した。上半期の緊急発進回数は533回で、前年度同時期に比べ225回の大幅な増加となった。
 対象国・地域別の割合はロシア機約61%、中国機約38%、その他約1%だった(推定を含む)。ロシア機に対する緊急発進回数は324回(第1四半期235回、第2四半期89回)で前年度同時期に比べて188回の大幅な増加となった。この324回は公表が始まった平成15年度以降、半期ベースでは他国を含め過去最多である。また我が国周辺での長距離飛行等、特異な事例が第1四半期28件、第2四半期1件の合計29件あった。中国機に対する緊急発進回数は207回で、前年度同期から58回増加したが、特異な飛行事例はなかった。
 期間中に領空侵犯の事例はなく、推定を含めロシア機の中では情報収集機、中国機の中では戦闘機に対して多く緊急発進を実施した。
 航空方面隊別の状況は、北部航空方面隊が189回、中部航空方面隊が73回、西部航空方面隊が61回、南西航空混成団が210回実施し、全て前年度同時期と比較して増加した。

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