防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   887号 (2014年7月15日発行)
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平和の空を次世代へつなぐ
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さらに強くさらに高く
50周年式典

1高群
 埼玉県入間市の入間基地にある航空自衛隊第1高射群(群司令・田中耕太1空佐)は、今年創立50周年を迎え、6月29日入間基地で記念式典を開催した。
 齊藤治和空幕長をはじめ、中島邦祐総隊司令官、平本正法中空司令官、歴代群司令など、数多くの来賓を招いての記念式典。1高群1、2、3、4高隊の隊員が各隊のペイントしたPAC-3発射機の前にずらりと並び、微動だにしない姿は流石だった。中島邦祐総隊司令官の「戦闘機部隊、警戒管制部隊に続く第3の矢として高射部隊が活動」という訓示の言葉に、参列者等皆頷いていた。
 式典後には、祝賀会食が行われた。先程まで白手袋をしてビシッと直立していた若い隊員たちが、今度はエプロンをして帽子をかぶり接遇をするという変わり身に集まった人達からは、優しい笑みがこぼれていた。
 習志野の1高隊、武山の2高隊、霞ヶ浦の3高隊、入間の4高隊、指運隊、整補隊とバラバラの場所にある1高群の隊員たちのまとまりの良さには秘密がある。1高群プレ50周年行事として様々な催しを昨年から6部隊合同で行っていたのだ。昨年8月猛暑の中の100キロマラソンに始まり、ソフトボール50試合、50連凧揚げなど「初めて会う人も多く始めはバラバラだった」が会う回数を重ねるうちにまとまっていった。全てを取材した記者も、会う度に仲間同士を包むオーラが強くなっていくのを感じていた(防衛ホーム2013/9/1 2014/1/1 2014/4/1参照)。
 これこそが、空幕長が式典の祝辞で述べた「しなやか、かつ強靱な能力発揮が出来るソフトパワー」を地で行く田中群司令以下1高群の姿ではないだろうか。
◇昭和37年11月、ナイキ器材とナイキ・システム基幹要員が米国訓練から米国で受領したナイキ器材と共に帰国。昭和38年1月17日陸上自衛隊習志野駐屯地に第101高射大隊として編成完結。翌昭和39年4月1日に航空自衛隊へ移管され、航空自衛隊高射部隊が誕生した。
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3級賞詞授与
空幕長から3人
 7月1日、航空自衛隊「安全の日」に、齋藤治和航空幕僚長から第3級防衛功労賞を添えて第3級賞詞が3人に贈られた。
 受賞者は航空管理安全隊の横内秀樹防衛技官(60周年キャッチフレーズ「蒼き空を明日へつなぐ」作成)、航空中央音楽隊の田中裕香空士長(60周年記念局「風薫る」作曲)と同じく航空中央音楽隊の和田信2空曹(同「行進曲蒼空」作曲)の3人。空幕長はひとりひとりに表彰状を手渡した後、訓示というよりもひとりひとりに優しく話しかけた。
 福江広明幕僚副長、荒木文博総務部長、武藤重樹人教部長、丸茂吉成防衛部長、小野賀三装備部長、櫻井喜宣技術部長、城殿保監理監察官、吉居宏首席法務官、新井岳志空自准曹士先任と橋本進航安隊司令、水科克夫航空中央音楽隊長が見守る中、空幕長の言葉にハキハキと答えきびきびと動く若い3人の所作は「明日へつなぐ」という言葉にぴったりだった。
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「目黒さんまカレー」命名
空自幹部学校
 航空自衛隊幹部学校(学校長・尾上定正空将=目黒)は7月4日、給養員による「目黒基地カレー」の調理訓練を実施した。幹部学校創立60周年に伴い、業務部長の尾関光彦一佐が「目黒と深い繋がりがある「さんま」を使用した基地オリジナルのカレーを作ってはどうか?」と発案し、中島清隆曹長以下7人が4か間かけて何度も試作を繰り返した。そして今回披露されたのは、A「さんまをペースト状にして作ったカレー(魚の香りを残す)」、B「さんまの身をほぐして入れたカレー」、C「さんまを入れたドライカレー風」の厳選3品。この中から高評価の1品が「目黒基地さんまカレー」と命名される。
 評価は尾上学校長以下20人の特別審査員により「味」「食感」「盛付」「独自性」等で審査された。食欲をそそるカレーの香りが立ち込める会場は終始和やかな雰囲気だったが、3品の味は審査員の評価を悩ませた。
 尾上学校長は「さんまを使用したカレーは味のバランスが難しいと思うが、給養員は良い腕を持っているなと感じた。もう少し工夫を加えて目黒基地の名物にしてほしい」と期待を表明。中島曹長は「当初、さんまの味を残したカレーのみを試作していたが、魚が苦手な人のために味をあまり残さないものも試作してみた」と説明した。
 厳正な審査の結果「CとB」がほぼ互角の評価を得たことから、審査員の所見を参考にこの2品に改良を加えた1品を7月中に決定し、今後献立に取り入れて、隊員に提供してゆくことになった。
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蒼空感じた60周年記念演奏会
 小雨の降る6月28日、東京・墨田区のすみだトリフォニーホールは熱気に包まれていた。その原因は14時からと17時30分からの2回行われた「航空自衛隊創設60周年記念演奏会」から発せられた熱気だ。齋藤治和空幕長は演奏会前に「安心安全な空を守り抜いて、次世代につないでいきます」と挨拶。
 「航空中央音楽隊・隊長水科克夫2空佐(東京・立川)」を筆頭に、北部航空音楽隊(青森・三沢)・中部航空音楽隊(静岡・浜松)・西部航空音楽隊(福岡・春日)南西航空音楽隊(沖縄・那覇)の4つの方面音楽隊を合わせた昭和34年発足の航空自衛隊音楽隊。60周年をテーマにした特別な演奏会で木原政務官を始めとする多くの来賓、招待者を魅了した。
 第1部は航空自衛隊の精強さと爽やかさをイメージ、第2部は「蒼き空を明日へつなぐ」(60周年のキャッチフレーズ)をイメージした選曲。第2部で演奏した「風薫る」は航空中央音楽隊の田中裕香空士長の作曲。同じく2部で演奏した「行進曲 蒼空」、こちらも航空中央音楽隊の和田信2空曹の作曲だ。この2曲は、「航空自衛隊60周年の記念曲」として作られた。「あんなに若いのにこんな素敵な曲を作るなんて凄いね」と、観客は驚いていた。
 第2部も終わり「隊長の話を聞いていると、2曲予定されているとはっきり解ったアンコール」では「童謡ふるさと」と「星に願いを」が披露され、最後は恒例の「空の精鋭」のマーチにより華やかに締めくくられ、「演奏もよかったけど指揮者の水科隊長のアドリブもすごくよかった」と、航空自衛隊音楽隊だけでなく水科隊長も大人気だった。
 2回合わせて訪れた人数は約3100人。梅雨の最中だが、「航空自衛隊創設60周年記念演奏会」は蒼空に包まれていた。
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「空自安全の日」
部隊などで安全講話
航安隊
 7月1日「航空自衛隊安全の日」に、「事故を起こさせない部隊、航空安全管理隊」が、航空自衛隊府中基地及び航空自衛隊目黒基地からの要請を受け、安全講話を行った。
 府中基地は平成20年より、目黒基地は平成25年より航安隊に依頼をしている。今回府中基地では「意思決定を科学する(講師・教育研究部主任研究官片寄隆正技官)」をテーマに2回の講話を行い、参加人数は半澤隆彦航空支援集団司令官・高橋亨航空気象群司令を始め合わせて約450人が参加。目黒基地では「ヒューマン・エラーの要因と対策(講師・前出同)」をテーマに、学校職員に加え統合高級課程及び指揮幕僚課程の学生や留学生を含めた約270人が参加した。
 講話では、クイズの様な物もあった。クイズ形式にすると、「思い込み」や「視野の狭さ」がよく理解でき、「あ〜なるほど」と納得する姿も見受けられた。また、ヒューマン・ファクターズの基礎的な事を身近な具体例に置き換えるなど、講話の中にいくつもの工夫が見られ、あっという間に講話は終わった。
 「航空自衛隊安全の日」だけではなく、講話等によってこれからも航安隊は隊員の安全に係る知見の向上と空自の安全確保に貢献していく。

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