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自衛隊ニュース   884号 (2014年6月1日発行)
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陸自創立60周年の先陣をきって
陸自幹部候補生学校
開校60周年記念式典

質実剛健にして清廉高潔
 福岡県久留米市に所在する陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・前田忠男陸将補)は、陸上自衛隊創立60周年の先陣を切って4月20日開校60周年記念行事を執行した。
 開校60周年記念行事はあいにくの雨模様であったが、部内外来賓、職員・候補生家族及び市民の方々が訪れ盛大な開催となった。観閲式においては学生隊長(足立寧達1陸佐)以下、学生隊職員・候補生で構成された観閲部隊の巡閲及び入校後間もない候補生たちが堂々とした観閲行進を見せ、前田学校長は「還暦の年を迎え、初代平校長が掲げた『愛国心を基調とする精神要素の涵養』という方針のもと、今後もこの高邁な伝統を継承し、我が国の平和と繁栄が未来永劫続くことを及びその礎となってこの国に『真に強いリーダーたる幹部』を育成して参ります」と、決意の式辞を述べた。また、観閲飛行及び展示飛行において、OH—1、AH—1S、UH—1が陸自航空機の威容を示し、また第1空挺団は上空4000フィートからの熟練の空挺降下を披露した。アトラクションの最後には各候補生隊対抗方式の「剛健綱引き」を実施し、候補生隊の看板を背負って、血気溢れる候補生達は剛健精神を披露した。
 記念日行事の前日には同期生会主催による追悼式が行われ、幹部候補生学校を卒業し志半ばで殉職された148柱の御霊に対し、本校歴代学校長や同期生会連合会各期会長及び同期生会連合会会長の前田学校長等が献花を実施し、陸上自衛隊の礎として幹部自衛官のあるべき姿を指し示す鑑として、不滅の功績に敬意を表した。また本校卒業40周年に「同期の親睦と後輩の激励」を目的としたホームカミングを開催し、元陸上幕僚長、火箱芳文実行委員長を核心に55期B・U・I課程の85名が参加し、久留米の地を訪れ様変わりした校内の見学や健脚を競った高良山を再訪し、若き候補生時代を回想しながら開校60周年記念行事に彩りを添えた。
 また4月4日、幹部候補生学校開校60周年の節目として「剛健大講堂」が落成を迎え、陸上幕僚長、岩田陸将をはじめとする部内来賓、建築関係者等多数の部内外来賓を招き、華々しいテープカットの後、岩田陸幕長による記念植樹が行われ運用を開始した。幹部候補生学校は開校60周年事業として、記念講演や中央音楽隊による演奏会等年度を通じ計画しており、5万4千名の幹部を輩出した「幹部自衛官心のふるさと」として、OB会や地域及び同期生会連合会と連携しながら「建学の精神」を回顧し、不易流行の候補生教育を挙行一致で行っていく。

限界に挑む
MD総合訓練
陸幹候校
 陸自幹部候補生学校において、第50期医科・歯科幹部候補生(MD)課程の候補生が5月8日〜12日の間に大野原訓練を実施し、最終日には1夜2日で総合訓練を実施した。
 大野原訓練では、高良台訓練で得た戦闘員としての基礎的事項の教訓をもとに、前衛や分隊攻撃訓練の中で幹部としての矜持を涵養し、組長・分隊長の実員指揮の基礎的事項を理解するための訓練を行った。
 総合訓練においては、夜間行進は約30kgの背のうと小銃を装備し、旺盛な使命感をもって全員完歩の意気込みを見せ、大野原訓練の疲労が残る中で体力・気力ともに限界に近い過酷な状況にも関わらず、行進目標の集結地まで踏破することができた。
 前衛小隊の行動では、翌朝7時、台風を思わせる大雨の中行動を開始し、敵を駆逐しながら積極的に前進した後、主力の行動を遅滞させることなく敵の戦闘地域の前縁を解明し引き続き敵陣地に対し、攻撃を実施し目標を奪取した。目標奪取後、敵の逆襲により負傷者が発生したが、全員一致して担架搬送を行い、患者集合点まで搬送後、衛生救護員への引き渡し等を行い訓練が終了した。
 疲労困憊で始まり大雨に見舞われた総合訓練も、候補生達は相互に助け合い、声を掛け合いながら区隊全員で任務を完遂し、克己心や団結心を涵養することができ、幹部候補生学校の校風である"剛健"に相応しい総合訓練となった。

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