防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   883号 (2014年5月15日発行)
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食は体力・気力の源
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カレーグランプリ開催
海の腕・味自慢集結
横須賀

 4月19日、海上自衛隊横須賀基地で「第12回護衛艦カレーナンバーワングランプリinよこすか」が開かれた。集結した14艦1部隊はそれぞれ自慢のオリジナルカレーを披露、来場者の味覚を魅了した。
 冷たい浜風が肌を切る寒空にも関わらず同日午前9時の開場直後から1万800人が来場し、合計7千200食のカレーが完売する盛況となった。あまりの人出で午後1時半には入場を締め切る程だった。
 カレーは1皿(500円)で4種類のカレーを盛ってそれぞれの味比べができる。子供用にも食べやすい甘めの味付けのカレーもあり、会場のあちこちで笑顔一杯にカレーを頬張る子供たちの姿がみられた。
 人気のテントでは2~6時間待ちとなり、カレーにようやくありつけた来場者からは「美味しい。並んだ甲斐があった」「いつも美味しいカレーが食べられるなんて羨ましい」「たくさん宣伝していたが、予想以上の賑わいだった」などの声が聞かれた。
 カレーを食べた来場者の投票によるグランプリの優勝には、野菜のエキスを濃縮させた出汁をベースに、肉・野菜の旨味と白ワインで煮込んだフルーツの旨味が絶妙に絡み合った横須賀潜水艦部隊の「濃厚味わいカレー」が543票を獲得して輝いた。2位は護衛艦ちょうかいの「ちょうかい特製シーフードカレー」、3位は護衛艦くらまの「内閣総理大臣喫食カレー」、横須賀市長賞は護衛艦こんごうの「チキンカレー」がそれぞれ選ばれた。
 優勝した第2潜水隊群司令部監理幕僚の八幡悟史3海佐は「狭い潜水艦内ではストレスを溜めやすい。それを解消させるために日々美味しさを研究してきた事がこの結果につながったと思う」と喜びを語った。
 海上自衛隊の艦船部隊や航空部隊などでは、毎週金曜日の昼食にカレーが出される。海上勤務などで薄れがちな曜日感覚を保たせるようにというのが起源といわれるが、今やカレーは全海自部隊のトレードマークの役割も果たしているようだ。また、そのカレーも給養員が毎週当番で作り、各々独自の味付けをするため「毎週味が変わり飽きない」とのことだ。栄養バランスも考えて、カレーにはサラダ・たまご・牛乳などが併せて出されるという。
 給養員は早い時は朝4時に起床して朝食を作り、他隊員同様に訓練もこなす。長い航海での厳しい環境を乗り切るための隊員の体力、気力は、このような給養員の努力によって支えられている。
 補給艦「ときわ」(艦長・内藤裕之2海佐)の給養員長、橋本隆弘2海曹は調理歴23年のベテラン。「もともと料理が好きで、調理師免許も取得できるのでこの道に進んだ。カレーグランプリは、美味しいカレーを食べてもらって自衛隊への理解と親近感を持ってくれれば」と笑顔で話す。
(野上憲吾)
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イーグルカレー大人気
入間ランウェイウォーク
 4月26日、航空自衛隊入間基地(基地司令・田中幹士空将補)で「ランウェイウォーク2014」が行われた。公募・招待者計1575人が来場し、全国的に見ても滅多に開放されない空自基地の滑走路(ランウェイ)等の特別な景色を楽しんだ。
 同イベントでは、入間基地食堂イーグルホールのカレーと同じレシピの「イーグルカレー」喫食体験や、全国の空自基地を警備する歩哨犬の訓練展示、中部航空音楽隊の音楽演奏のほか、航空自衛隊創設60周年特別企画として来場者から更に抽選で選ばれた50人がC―1輸送機に搭乗し、ウォーキング前に滑走路のタキシング(地上滑走)を体験した。
 午前9時の開門後、基地開放エリアでは、入口付近の野外炊事用のテント内や炊事車に、額に汗してカレーを仕込む隊員の姿を見ることができた。調理用スコップで水に浸した白米やカレーを攪拌する隊員に来場者から驚きの声が上がる。
 当日は、専門コックである入間基地業務隊給養小隊から給養員10人、炊事車や炊事トレーラー等の装備を持つ第2移動警戒隊・第4高射隊から臨時に炊事担当を命ぜられた20人、合計30人が約1700食のイーグルカレーを用意した。
 給養員は、日常は縁の下の力持ちとして食堂等で働く。「東日本大震災以降、自衛隊の食事の大切さを再認識して、給養員の士気も高まっています。隊員の日々の原動力となることが遣り甲斐です」(給養小隊長・谷口晴彦1空尉)という。
 当日は雲一つない青空で、ウォーク開始の午前11時前には汗ばむくらいの陽気だった。ウォークが開始され中空音の先導で滑走路に足を踏み入れると、目の前を遮る物のない景色の中を心地良い初夏の風が吹き抜けていた。南北約2キロの滑走路や誘導路を含む起伏ある約4キロのコースは歩き甲斐があり、お昼時に向かい程よくお腹が空く。約50分かけて辿り着いたゴールの先には、イーグルカレーの喫食エリアがあった。
 我先にと配食ブースに押し寄せるウォーク完走者。「豚肉も人参もジャガイモもみんな美味しい。コクがある」「大盛りで、ご飯も美味しいね」。イーグルカレーは固形ルウ以外にニンニクやウスターソース、バターを隠し味に使用。子どものいる家族連れも目立つ同イベントだけに基本の味付けは甘口だが、空自硫黄島基地周辺で採れた「硫黄島とうがらし」をふりかけて好みの辛さに調整できた。
 イーグルカレーは午後1時前には品切れになった。18部隊約4300人、空自一の隊員数を抱える入間基地の食堂や、野外炊事の訓練で日頃鍛えた隊員たちの給食技量が如何なく発揮され、来場者の胃袋を大満足させた。(奥田壮太)
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市ヶ谷限定 焼玉牛丼
防衛省に吉野家
 "日の丸"をエネルギーに体力・気力をチャージ。4月24日、東京・新宿区市谷の防衛省厚生棟地下に牛丼チェーン店「吉野家」が開店した。
 開店セレモニーには小野寺五典防衛大臣と葛g野家ホールディングスの安部修仁・代表取締役会長が出席。小野寺大臣は東日本大震災被災時に大臣の地元である気仙沼の避難所で吉野家から暖かい牛丼を無償提供された当時のことを「その時の牛丼の味が忘れられない」と述懐し「隊員がおいしい肉をモリモリ食べて日本の安全保障のためにしっかり頑張ると思います」などとあいさつした。
 セレモニーでは、日の丸をイメージした半熟目玉焼きを牛丼の頭の大盛り(肉の大盛り)に載せた防衛省店舗限定のメニュー「焼玉牛丼」(味噌汁付きで500円)の試食が行われた。小野寺大臣は吉野家から記念に贈られた「小野寺五典」という名前入りの「マイ丼ぶり」で試食した。
 小野寺大臣は「卵とよく合って美味しい。力が付くね」と笑顔で感想を語った。同店舗の営業時間は午前10時から午後9時。小野寺大臣は「閉店間際は持ち帰りの注文が殺到するかもしれない。夜食のニーズが多いですから」と昼夜の別なく働くセクションも多い本省勤務の隊員たちに想いを馳せていた。
(奥田壮太)
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炊事競技健闘
7普連3中隊
 第7普通科連隊(連隊長代理・鹿島真2陸佐)は3月11日、千僧駐屯地で開催された25年度師団炊事競技会に参加した。
 同競技会は各部隊の部隊炊事技能の向上を図るとともに団結の強化及び士気の高揚を図ることを目的に実施され、選手として第3中隊谷口2陸曹以下7人の隊員が野外炊飯1号を使用した野外における炊事組の行動及び調理を行った。
 選手は同日午前9時の競技開始と同時に一斉に食材の下準備から開始、調理長の的確な指示によりそれぞれ与えられた役割に責任を持って取り組んだ。また、今回の競技は統裁部から交付された現品で各部隊はいかに工夫して美味しく作れるか等、試行錯誤しながらも野外炊具では調理の難しい炊き込みご飯や肉じゃが等の料理を完成させた。
 結果は惜しくも入賞を逃したが、これまでの練成の成果を遺憾なく発揮し、駐屯地に帰隊した際には全隊員の出迎えを受けた。連隊は本競技会の成果を各中隊に反映させ炊事能力の向上を図る方針だ。

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