防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   877号 (2014年2月15日発行)
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魁の風
〜中央即応集団〜
Central Readiness Force
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水上降下訓練を実施
第1空挺団
 団は、平成25年11月20日、鹿児島県肝属郡南大隅町浜尻海岸において水上降下訓練を実施した。
 本訓練は、6月に予定されていたが、台風で中止となったため、再度計画されたもので、浜尻海岸での降下訓練が初めて実現した。
 当日は、あいにくの曇天ではあったが、洋上飛行時における緊急脱出の目的で訓練が行われ、第1ヘリコプター団所属のCH—47ヘリコプター×1機から、降下員×24名が浜尻海岸沖に降下・着水した。
 本訓練は一般公開され、町役場職員、地域住民ら約100名が見学に訪れ、洋上に広がる落下傘と着水する空挺隊員の様子を見て感嘆の声を上げた。
 また、港の駐車場に開設した広報コーナーにおいて、落下傘を初めて装着体験した住民からは、「落下傘がこんなに重いとは知らなかった」、「厳しい訓練をやっているのですね」などの声もあった。
 さらに、21日には、同町内の佐多小学校で広報活動を実施し、約80人の生徒及び学校職員に落下傘装着体験、装備品展示等で自衛隊の活動能力の紹介や、校庭を使用し、偽装した隊員を探すイベントやドーランの体験等、元気溢れる子供達と隊員のふれあいも実施された。
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臨機応変、創意工夫
第3施設大隊(大久保) 1陸尉 能見高史
 私が、施設小隊長として南スーダンに派遣されて早くも1カ月が経とうとしています。
 派遣当初の予定では、第5次要員からの活動地域拡大に伴い、分遣隊の施設小隊長として、東エクアトリア州において施設活動を行う予定でした。しかしながら、思わぬ情勢の変化によりジュバ市内の国連施設内に避難してきた住民に対する支援を行っています。
 現在の国連施設内における避難民の生活環境は、衛生設備の未整備や十分な食料の確保がされていない等、劣悪であり、それを改善する為に様々な国際機関が支援に来ています。我々施設小隊は、UNMISS司令部等と連携しながら、避難民の生活環境を少しでも改善する為に、簡易トイレの構築等を主に行っています。
 避難民や各国際機関のニーズは多種多様であり、また、資材も十分整っていない状況ですが、平素の訓練で培った能力を活かして、現地にある資材を創意工夫しながら少しでも良いものを創ることができるように心がけて活動しています。
 国連施設内の避難民の方は、過酷な状況に置かれていますが、非常に協力的で、環境に負けずに明るく暮らしています。私たちも情勢が安定して国づくり支援に戻れることを望みつつ、明るく前向きに任務に邁進したいと考えています。
 最後に、私たちがこうして現地で活動できるのも、私たちを送り出し留守を預かってくれている部隊や家族のおかげだと思っています。半年後に日本に帰るその日まで「任務完遂・無事帰国」を合言葉に任務に邁進していきたいと思います。
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通信幹部としての勤務
東部方面通信群(朝霞) 2陸尉 小西博和
 ここジブチの特性として、停電が度々起きることが挙げられます。そのため、拠点内の通信組織を維持するために細心の注意を払っています。また、停電の際は拠点内の通信状況を自分で確認し、不具合が起きていないかを調べるようにしています。
 一番苦労したことは、現地人とのコミュニケーションです。現地はフランス語及びアラビア語が公用語のため、当初は言語の壁に直面しました。現地業者との交渉の際に、自分の言いた
いことが相手に上手く伝わらない時もありました。しかし、現地業者との調整や、調達業務を重ねるにつれて、意志の疎通も次第に容易になり、今では冗談をお互いに言い合えるようになりました。
 これからも拠点内外との通信は本活動の大動脈であるとの責任と誇りを持ち、通信システムに関する知識及び語学力を日々向上させ、任務に邁進していきたいと考えております。
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通訳幹部としての責務
第14戦車中隊(日本原) 2陸尉 堀田慎太郎
 隊本部通訳班の通訳幹部として南スーダンに派遣され、1ヶ月が経ちました。通訳班の任務は、隊本部の業務に関わる通訳・翻訳支援であり、私の主任務は、派遣隊長の他国高官との面談及び会議に参加する際の通訳です。
 現在、特に努力を傾注している事は、他国の軍人が話す英語の聞き取りです。国連南スーダン共和国ミッションの要員は、世界中の様々な国から派遣されており、任務上、多く通訳支援する国はインド、モンゴル、スウェーデン及びルワンダです。彼らのほとんどは、母国語に加えて英語を話しますが、総じて訛りが強いのが特徴です。特に私にとっては、インド人の発音を聞き取るのに苦労しています。アメリカ英語だけでなく、幅広く英会話能力を高めなければいけないと感じています。
 通訳班は現在幹部2名、陸曹1名の3名に加え、各部署から若干名の支援を受け、一丸となって努力しています。私も、「自身の発言は、隊長の発言である」という職務の重要性と責任の重さを理解し、日々、通訳・翻訳能力の向上に努めています。
 最後に、この派遣に際し尽力を頂いた全ての方に感謝を述べたいと思います。
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誇りを胸に無事帰国を
第37普通科連隊(信太山) 陸曹長 佐藤哲彦
 本部付隊補給班の炊事長として南スーダンに派遣され、1カ月が経とうとしています。炊事長の任務は、3個の炊事組を運用して、隊員の活力源となる栄養があり、かつ美味しく食事を作ることです。
 今、勤務をする上で一番気を遣っていることは、食材についてです。生鮮品を南スーダンの市場から仕入れていますが、野菜の鮮度は日本とは違い傷んでいるものもあるため、必要な食材が準備できないことがあります。生鮮品以外の食材は、納入時期の延期・変更により仕入れ量が減少したりと、献立どおりにいかないこともあります。そんな時は、その時々の組長が食材を見て、創意を凝らし、献立を変更して料理を作っています。
 派遣隊員の活力源となる美味しい食事の提供と、食堂が疲れた身体と心を癒す空間となるよう、これからも炊事班は一致団結して派遣施設隊の活動を支えていきたいと思っています。
 炊事の長として、職務の重要性を深く認識するとともに、誇りをもって無事帰国できるよう頑張ります。
 最後に、私が派遣されるにあたり、尽力して頂いた全ての方々に対する感謝の気持ちを胸に勤務していきます。

訂正 本紙1/15号1面、南スーダン派遣施設隊の記事中に「東エクアトリア州トリトにおいては分遣隊がそれぞれ活動を開始」とありましたが、12/15に発生した政治的衝突の影響により現在同部隊は全力でジュバ市内において避難民に対する人道支援を行っています。関係者様にはご心配とご迷惑をお掛けしました。お詫びするとともに修正させて頂きます。

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