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自衛隊ニュース   877号 (2014年2月15日発行)
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日米同盟の重要性を再確認
米太平洋軍司令官が防衛省で会談、表敬
 来日中の米太平洋軍司令官サミュエル・J・ロックリア海軍大将が2月3日、防衛省を訪問した。
 午前中は岩崎茂統合幕僚長と会談を行い、午後は小野寺五典防衛大臣を表敬した。また、同日夜には安倍晋三首相を表敬。この表敬には小野寺大臣、キャロライン・ケネディ駐日大使が同席した。
 岩蕪摶拠キとの会談ではアジア太平洋地域の安全保障環境、日米同盟の深化について意見交換が行われ、共通の安全保障上の課題に効果的に対処するため引き続き情報共有と日米共同対処の実効性の向上に努めていくこと等に合意した。
 再確認事項として、北朝鮮について、弾道ミサイル・核による威嚇に対し自衛隊―米軍が緊密に連携し共同対処すること、中国について、地域の安定及び繁栄において責任ある建設的な役割を果たし国際的な行動規範を遵守することや中国軍の開放性と透明性を引き続き促していくことが挙げられた。
 小野寺大臣の表敬でも同様に北朝鮮・中国への対応や日米同盟の強化が話題に上った。小野寺大臣は、米議会で中国について様々な議論がなされている中で、「日本の着実な防衛力整備が重要だということを米議会で説明したい」と希望。ロックリア司令官はこれを受け、北東アジアの重要性、日米同盟の重要性を米議会で説明している等と答え、安倍総理の表敬においても「日米同盟の強化は最も重要であり、同盟がしっかり機能するよう取り組んでいる」という趣旨の発言があった。
 また、小野寺大臣の表敬では、沖縄の負担軽減のほか、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の見直しやサイバー防衛、IRS(情報収集・警戒監視・偵察)を含む日米防衛協力に関して、引き続き緊密な連携を行うことで一致した。ISR分野については、TPY―2レーダー、P―8対潜哨戒機、無人偵察機グローバル・ホーク、ステルス戦闘機F―35等について「適切な場所に適切な数を配置するよう正しい方向で努力している。日本の支援にも感謝している」(ロックリア司令官)等の発言があった。

サイバー防衛
CDの協力・連携を推進
日米サイバー防衛政策
ワーキンググループ第1回会合
 2月3、4日の両日、防衛省第1省議室で日米サイバー防衛政策ワーキンググループ(CDPWG)第1回会合が行われた。
 防衛省・自衛隊では、日々高度化・複雑化するサイバー攻撃の脅威から情報システムを防護するため、「サイバー政策検討委員会」の設置(平成25年2月)や「サイバー防衛隊」(本年3月新編予定)など各種取り組みを行っている。日米間でも、サイバー攻撃を想定した共同訓練や「日米ITフォーラム」など以前より連携・協力を進めているが、CDPWGは昨年8月の日米防衛相会談における合意に基づき、自衛隊と米軍のサイバー防衛に関する協力を深化させるため日米防衛当局間で議論を行う枠組みとして新設されたもの。
 防衛省から眞部朗防衛政策局次長、米国側からデーヴィス国防次官補代理(サイバー政策担当)代行をはじめ計約20名が参加したCDPWG第1回会合では、@日米両防衛当局の体制や役割の確認、A平素からの政策レベルも含めた日米の情報共有の在り方、B訓練や人材育成における連携の方向性、C「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の見直し作業との連携 などを主要テーマに、今後の協力分野に関する包括的な意見交換を行った。
 このうちCについては、2014年末に見直し作業を完了させる「ガイドライン」にサイバー防衛に関する日米協力を明記する上でCDPWG会合の協議内容が反映される。CDPWG会合は今後、年2回の頻度で開催される。

南スーダン派遣施設隊長
和平直後に政務三役とTV電話会談
 1月30日、防衛省で政務三役と南スーダン派遣施設隊長との間でテレビ電話会談が行われた。
 国づくり支援のためUNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)に派遣され、道路や橋梁等のインフラ整備を担っている南スーダン派遣施設隊。昨年12月16日に井川賢一1陸佐を隊長、陸自第3師団を基幹とする第5次要員400名が首都ジュバで活動を開始したが、同時期に南スーダン政府軍と反政府勢力の軍事衝突が発生した。
 テレビ電話会談の前日、政府軍と反政府勢力が和平合意したとの報告を受けた小野寺五典防衛大臣は会談の冒頭で、和平合意による治安状況の変化・内戦により大量に発生した避難民の状況の変化・国連の施設内で自衛隊が避難民のために行っている活動内容の3点を井川隊長に質問した。井川隊長は、北部は散発的に戦闘が継続しているがジュバは概ね平穏、和平合意の前後で約2万人の避難民に変化はなく、隊員400名に健康異常なく士気旺盛である等の現状報告を行った。
 避難民のために自衛隊が行っている活動としては避難民の居住区域の敷地造成、国連警備施設の強化、給水支援。敷地造成はこの日までに甲子園球場5面分広さ約7万7000u、給水支援はプール2杯分の約1000tを行った。
 派遣直後から年を跨ぎ激動の5週間余りを過ごした井川隊長。現状報告の最後には、「私どもは困難な環境下にある南スーダンの方々に寄り添うように日々充実した任務を遂行しています。今後とも隊員の安全に十分配慮し、この状況下における広い意味での国づくり支援として、避難民の方のための活動を継続していきます」と力強かった。

指揮官・清水1海佐に1級賞詞
派遣海賊対処行動水上部隊第16次隊

 1月22日、防衛省大臣室で派遣海賊対処行動水上部隊(第16次隊)の帰国報告と表彰式が行われた。第16次隊(指揮官・清水博文1海佐=第7護衛隊司令)の護衛艦「ありあけ」(艦長・甲斐義博2海佐)、護衛艦「せとぎり」(艦長・岩波俊行2海佐)は昨年7月末に佐世保、大湊をそれぞれ出港し本年1月半ばに帰港した。両艦はこの間、ソマリア沖アデン湾を航行するタンカーや貨物船など民間船舶に対し計27回の船舶護衛を実施した。
 清水1海佐は小野寺五典防衛大臣に業務の終了と隊員391名の無事の帰国を報告。引き続き小野寺大臣は、国際社会の取り組みである海賊行為の抑止に大きく寄与し自衛隊に対する国内外の信頼を高めたことなどを推奨理由に、清水1海佐へ防衛功労章を添え第1級賞詞を授与した。
 小野寺大臣は授与の際、清水1海佐に「海賊対処に大変大きな功績を挙げたと聞いています。これからも職務に邁進してください」と、改めて功績を称える言葉を贈った。「ありあけ」と「せとぎり」は1月15日、1月17日にそれぞれ佐世保、大湊に帰港。隊員家族、若宮健嗣(佐世保に出席)・木原稔(大湊に出席)両政務官や松下泰士自衛艦隊司令官をはじめ防衛省・自衛隊関係者、協力団体関係者など多数が出席した帰国行事で盛大な出迎えを受けた。


太宰府より梅の使者来る
北千歳駐屯地
 1月22日、大宰府天満宮から「梅の親善使節」が、北千歳駐屯地(司令・梶原直樹陸将補)に来訪した。
 梅の親善使節は、JAL千歳―福岡便の就航を記念して昭和54年から始まり、今年で35回目を迎える。
 天満宮の禰宜 後藤様、権禰宜 吉武様、同行者の野村様、巫女の西野様、臼間様にJAL苫小牧・千歳空港両支店を合わせた総勢9名からなる使節団から、沢山の花を咲かせた紅梅及びほころび始めた白梅の2鉢と大宰府天満宮職員が手作りした梅干の贈呈を受け、お礼に北千歳駐屯地自慢の手作りの干支の羽子板を手渡した。懇談の中で司令は、「枝ぶりもつぼみもすばらしいですね。実がなるまで大切に育てたいと思います」と述べた。
 寄贈された梅は、ほのかな香りを漂わせ駐屯地にひと足早い春の訪れを告げた。

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