防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   875号 (2014年1月15日発行)
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スポーツよもやま話
根岸直樹
メジャーへ旅立つオレたちのエース
ガンバレ!マー君!!

 仙台に住んでいる親戚の小学生が「何でマー君は大リーグへ行くなんていったんだろう。楽天のエースでことしも日本一になってくれなくちゃ。学校の友達もみんな、そういってたんだ。楽天のオーナーに"マー君をメジャーにやらないで下さい"と手紙を書こうっと」と嘆いていた。
 何しろペナントレースで24連勝して、巨人との日本シリーズでも投げまくり「日本一の投手」の座についたマー君・田中将大投手(25)だ。小学生どころか、地元東北のファンの期待も、ほとんどはそこにあったのではないか。昨季、創立9年目にして初の日本一の座についたとき、それまで4年間、楽天を率いてきた野村克也前監督(78)が、こんなことをいっていたのを思い出した。
 「マー君神の子、不思議な子」。野村前監督時代もエースとして投げまくった(後半3年間で11、9、15勝)が、優勝はできなかった。「オレは運もなかったんだよ」といまだに嘆いているが、それにしてもシーズン24連勝は"神の子"でもないとできない相談だ。
 野村前監督は「マー君ならメジャーで投げても十分、通用する」と太鼓判を押している。その田中を、新入札制度(2000万?=約20億6千万円)で手放してしまっては、楽天は大損だ。「別口でいいお・も・て・な・しをしてもらうんだろう。表があれば裏もあるってこと。楽天も田中も表がない分、裏で大もうけしてるんではないか」と勘ぐる関係者もいて、球団も田中自身も否定するのにやっ気だった。
 「お金のことばかりいわれるけど、オレの考えはまったく違うんだ。メジャーへ挑戦するなら、やっぱり力のある20代から30代前半までと思っている。岩隈さん(久志投手=前楽天・32)だってもっと早くメジャーへ行っていればよかったんじゃないか。オレは後悔だけはしたくない。ただそれだけですよ」
 田中は7年間で98勝している。新人王に始まりベスト9投手、最多勝、最優秀選手、MVP、沢村賞、正力松太郎特別賞…。その他数え上げれば切りがないほど投手のタイトルを取りまくってきたが、いま振り返ると「そのときは嬉しいと思うが、まだまだ努力すれば上には上があるはずだ。イチローさん(ヤンキース)がそういっていたのを聞いた。日米通算4000本安打のイチローさんがいうんだから、オレなんかあと10年やったって、これでいい、満足だということはないはず」と。
 田中はいま「マウンドに立ったり、これまで以上にファンの皆さんに勇気とやる気を与えられるようなピッチングがしたい」といっている。2年後、5年後、10年後…のマウンドで、果たしてどんなピッチングを見せてくれるのか。そのときは日本の、メジャーの、東北のファンがこぞって「オレ達のエース」として声援を贈ることだろう。
 ガンバレ・マー君、田中将大投手!


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