防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   875号 (2014年1月15日発行)
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守りたい人がいる「部隊訓練特集」強靭な陸自の創造
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気力体力の限界に挑み新レンジャー誕生
山岳地帯を踏破不眠不休で克服
13普連
 山岳連隊としての歴史と伝統を受け継ぐ第13普通科連隊(連隊長・後藤孝1陸佐=松本)に平成25年11月1日、第42期部隊レンジャー養成訓練隊員が任務を完遂して駐屯地に帰還し11人のレンジャー隊員が誕生した。
 北アルプスの山岳地帯で8月26日から開始された基礎訓練及び行動訓練では約2ヶ月にわたり、不眠不休で山岳地帯を踏破、飲まず食わずの状況を克服し、任務を完遂、強靭な体力と精神力を培った。
 帰還式では隊員家族を始め自衛隊協力団体、部隊の同僚、そして、教官らが見守る中、駐屯地で大きな拍手と歓声に包まれ帰還した。
 任務完遂の帰還報告後、連隊長は一人ひとりにレンジャー徽章を授与し「これからがレンジャーとしての第一歩」と激励した。
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任務完遂し帰還不撓不屈の精神
40普連
 第40普通科連隊(連隊長・五十嵐淳1陸佐=小倉)は平成25年11月28日、第41期レンジャー帰還式を行った。
 本訓練では、レンジャー学生は体力・気力の限界に挑み、不撓不屈の精神力をもって任務を見事に完遂して、小倉駐屯地に無事帰還した。
 帰隊後、小倉駐屯地の全隊員、レンジャー学生の家族そして協力諸団体の方々などが見守る中、連隊長から学生一人ずつに対し、レンジャー徽章が手渡され、新たに7人のレンジャー隊員が誕生した。
 今回誕生したレンジャー隊員が、それぞれの部隊で今後大いに活躍することを期待している。
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一般幹候生が100km徒歩行進
園児の声援も力に
 陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・田浦正人陸将補=前川原)で平成25年11月17日から19日までの間、第94期一般幹部候補生BU課程教育の最終段階として、総合訓練を実施した。
 「100km徒歩行進に引き続く攻撃行動」であり、学校を車両にて出発し佐賀県小城市から約30kgの装具を担い徒歩行進を開始した。初日は多久市にて福岡県父兄会、長崎県防衛協会、佐賀県隊友会及び小城町父兄会並びに千葉県防衛大学校父兄会等からみかんや梅ジュース等の温かい激励品と声援を受け、当初の目標である武雄市まで約50kmを行進した。
 この間候補生達を苦しめたのは12月下旬並みの冷たい雨であった。全身が濡れて歩きにくさが増し、仮眠地点の仮テントの中でつかの間の休養をとり2日目に突入した。この日は大野原演習場を目指し、寒波の中行進を開始した。
 2日目出発時は、佐賀県武雄市父兄会、長崎県父兄会から両県出身者に対し激励会が実施され、候補生は「地元での訓練や沢山の応援を頂き嬉しいです」と語った。また、武雄市の保育園児たちも応援に駆付け、園児の「自衛隊さん、頑張って」の声援に、候補生たちは笑顔を見せ、目標へと行進を続けた。
 訓練最終日早朝、演習場近くの岩屋川内ダムに集結した候補生達は、攻撃命令を受領し、攻撃のための装具に換装し演習場内へ前進、疲弊した身体に鞭うち、同期で励まし合いながら攻撃行動を遂行、目標を奪取し任務を達成した。
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積極果敢な行動
訓練検閲実施
9師団
 第9師団(師団長・高橋勝夫陸将=青森)は平成25年11月15日〜23日まで、岩手山演習場及び王城寺原演習場で、第9後方支援連隊(連隊長・野口1陸佐)、第9施設大隊(大隊長・末継2陸佐)、第9通信大隊(大隊長・宮本2陸佐)、第9師団司令部付隊(隊長・渋谷3陸佐)、第9音楽隊(隊長・小川1陸尉)の訓練検閲を実施した。
 本検閲は「徒歩行進」に引き続く「師団陣地防御における行動」を課目として実施され、各部隊は、霜が降り、白くその表情を変えた岩手山演習場内を徒歩行進により踏破後、車両機動で玉城寺原演習場へ進入、防御準備及び戦闘支援準備を実施した。引き続き第9後方支援連隊による大量患者への対処、火砲・車両等整備、補給等の各種支援、第9施設大隊による師団指揮所や各種障害等の構築、第9通信大隊による師団通信網の開設・維持運営を実施。第9師団司令部付隊による師団司令部への支援業務、第9音楽隊による音楽演奏や師団指揮所地域の警戒等を行った。各部隊とも各指揮官の的確な指揮及び各隊員の士気旺盛、積極果敢な行動によりそれぞれ任務を完遂し、検閲を終了した。
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寒風の中渡河作業訓練
304施設隊
 第304施設隊(隊長・森田勝彦2陸佐=出雲)は、渡河器材小隊(隊長・賀須井浩之3陸尉)に対し「渡河作業に任ずる渡河器材小隊の行動」について出雲駐屯地及び出雲市内で訓練検閲を実施した。
 寒風の中午前7時半、隊容検査を行い、任務の理解、士気の高揚を確認した。午前9時、状況開始。徒歩行進では強風のなか一般道、神門川河川敷を行進、終盤では駐屯地内で敵GF襲撃による対処行動及び負傷者の救護措置搬送を実施した。
 渡河作業にでは、神門川における門橋渡場の開設運営のための先行班が出発、現地で普通科部隊との現地調整を、じ後水深、流速等の偵察を実施、門橋渡場開設の可否について演施設隊長に報告した。なお、訓練検閲と翌日予定の自治体防災担当者への災害対処訓練の公開は中止となった。
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演習場の秋季定期整備
北方施設隊
 北部方面施設隊(隊長・諫田保浩1陸佐=南恵庭)は、平成25年11月5日から13日の間、演習場秋季定期整備に参加、陸自としての道場の維持・充実のため、北海道大演習場(島松・恵庭・千歳各地区)及び矢臼別演習場の整備を実施した。
 各部隊は、北設隊長の要望事項である「施設・通人技術能力の向上」「指揮の要訣の実践」「基本・基礎の確行」に着意して整備を実施し、北海道大演習場においては装輪車道約96km、装軌車道約45kmの路面整形を実施するとともに、11号道法面・側溝等整備、施設道傾斜変換準備工事、南恵庭訓練場外柵整備等を実施した。
 また、矢臼別演習場では、装輪車道約167km、装軌車道約45kmの路面整形を実施するとともに、国境道整備(拡幅)、茶内道横断暗渠構築等を実施した。
 この間、二度の大雨や降雪が予想されたため、工程の前倒しや早朝及び夜間工事の実施等の対策を実施し、予定した工事を完了するとともに、中・長期的な演習場機能向上施策に関する資を得ることができた。
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練成成果を発揮
年度射撃競技会
北方施設隊
 北部方面施設隊(隊長・諫田保浩1陸佐=南恵庭)は、平成25年10月17日、東千歳第1射場において、各部隊の戦技能力の向上を図るとともに、士気の高揚および団結の強化を図る目的で、年度隊射撃競技会を実施した。
 競技会は、A組(第12施設群、第13施設隊、第105施設器材隊の3個部隊対抗)、B組(第301坑道中隊、第303ダンプ車両中隊、北方施設隊本部付隊の3個部隊対抗)で行い、第9習会及び第10習会の平均得点で順位を競った。各部隊は優勝をめざし、これまで練成してきた成果を最大限に発揮し、部隊の名誉をかけて戦った。
群・隊等対抗の結果
A優勝 第12施設群
B優勝 第301坑道中隊
個人1位 第301坑道中隊 鈴木3陸曹
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「優秀連隊」の栄誉
総合戦闘射撃訓練
28普連
 平成25年10月23日から28日まで第28普通科連隊(連隊長・佐藤和之1陸佐=函館)は北海道大演習場第1戦車射場において平成25年度旅団総合戦闘射撃訓練に参加した。
 本訓練は、旅団の3個普通科連隊が増強小銃小隊基幹をもって小銃小隊長の前進指揮及び射撃指揮、戦車、WAPC等と迫撃砲火力の相互連携、小銃分隊間の相互連携、81?迫撃砲小隊及び120?迫撃砲小隊の戦況の推移に応じた迅速・正確な射撃等の練度を点数で判定されるもので、各中隊の小隊長・分隊長の正確・迅速な射撃指揮のもと、隊員は緊張の面持ちを見せながらも、練成の成果を十分に発揮した。
 10月29日、旅団司令部庁舎前において表彰式が実施され、連隊は「優秀連隊」として旅団長から旗が手渡された。
 表彰式終了後は連隊長・中隊長を胴上げして喜び、駐屯地では出迎え行事が実施され、駐屯地全隊員で栄誉を祝福した。
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「突撃精神を発揮」
富士教導団持続走
 11月2日、平成25年度富士教導団持続走競技会兼普通科教導連隊持続走競技会が富士駐屯地で実施された。
 本競技会は隊員の体力・気力の向上、闘争心のかん養、部隊の団結の強化、士気高揚を目的とし、急勾配が特徴の駐屯地内約3・5キロの特設コースで行われ、出走する隊員は連隊長(麻生竜伸1陸佐)から「突撃精神を発揮せよ」と"激"を受け競技会に臨んだ。
 連隊の競技会においては、第2中隊の12連覇を阻止しようと、隊員は中隊の名誉をかけて限界に挑戦したが、今年も第2中隊が中隊一丸となった安定した走りを見せ、12連覇を達成した。
 また、団持続走競技会は、団隷下6個部隊の平均タイムで競われ、普通科教導連隊は偵察教導隊の連覇を阻止すべく各中隊が日々練成を重ねて挑み、昨年度19秒あったタイム差を今年度は5秒差まで短縮したが今一歩及ばず準優勝となった。なお、本競技会、また連隊内の競技会においては各中隊の出走率が高く、「各中隊長を核心とした健康管理に関する指導及び安全管理が徹底されており、よろしい」と連隊長(麻生1陸佐)は講評を述べた。
 ☆連隊持続走競技会 優勝・第2中隊、準優勝・重迫撃砲中隊、3位・第3中隊、4位・第1中隊、5位・第4中隊、6位・対戦車中隊、7位・本部管理中隊
 ☆団持続走競技会 優勝・偵察教導隊 準優勝・普通科教導連隊
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対艦ミサイル実射 
米カ州射場
 10月上旬から11月上旬にかけ、米国カリフォルニア州ポイント・マグー射場において、「平成25年度地対艦ミサイル部隊実射訓練」が実施された。
 第1特科団からは、第3地対艦ミサイル連隊を皮切りに第2地対艦ミサイル連隊、第1地対艦ミサイル連隊の順で逐次渡米し訓練を行った。
 各連隊は、射撃連携訓練から実射訓練までを段階的に実施、地対艦ミサイルの実射では、計画通りミサイルを発射、所定の経路を飛翔させ、それぞれ目標に「命中」させる成果を得た。
 また、10月22日には第1特科団長(梶原直樹陸将補)が渡米、現地支援部隊の案内のもと、第2地対艦ミサイル連隊の実射訓練の現況を確認するとともに、各訓練施設、訓練部隊を視察・激励した。
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20普連が訓練検閲
長距離機動訓練も
 第20普通科連隊(連隊長・西村和己1陸佐=神町)は、平成25年11月20日から26日まで、日出生台演習場で行われた第4次師団訓練検閲(受閲部隊、第22戦闘団及び第6偵察隊)に、連隊長以下311人が、統裁部要員及び対抗部隊(陣地攻撃に任ずる部隊)として参加した。
 本演習参加のため11月15日、第3科長(森巧2陸佐)以下10人が先発として神町駐屯地を出発した。翌16日、連隊長以下の連隊本部及び本部管理中隊、第4中隊(中隊長・福田大智3陸佐)及び重迫撃砲小隊が駐屯地を出発し、高田駐屯地、伊丹駐屯地、山口駐屯地を経由して19日に日出生台演習場に到着し、約1600?の長距離機動訓練(往路)を無事終えた。また同日、先に沖縄県で行われていた平成25年度自衛隊統合演習に参加していた第1中隊(中隊長・佐藤和則3陸佐)、第2中隊(中隊長・寺崎英樹1陸尉)並びに第4中隊の一部が同演習場に沖縄県からの移動を完了した。
 訓練検閲では、23日から第22戦闘団が防御する陣地地域に対して、26日に状況が終了するまでの間、各中隊等は終始積極的に攻撃戦闘を行った。
 27日、演習場からの撤収及びAAR(演習後の研究会)を終えた連隊は、三経路に分かれて長距離機動訓練(復路)を行い、それぞれ神町駐屯地を目指した。30日、連隊長以下の連隊本部及び本部管理中隊が、また、12月2日に、第一・第二・第四中隊及び作業小隊、重迫撃砲小隊が、多くの隊員が出迎えるなか、それぞれ無事に神町駐屯地に到着した。また、「平成二十五年度自衛隊統合演習」から九州での訓練に参加した隊員は、約一ヶ月間に亘る長期の演習参加となったが、全員笑顔で帰隊した。
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若年隊員に野外訓練
東北補給処
 東北補給処(処長・保坂收陸将補=仙台)は、平成25年11月14日から15日までの間、王城寺原演習場において平成25年度第2回野外訓練を実施。若年隊員(3陸曹と陸士)54人に対し、軽易な状況下での野外勤務に関する各個動作に習熟させる目的として実施された。
 この訓練に際し、担任官(総務課長)は編成完結後「全員が無事に任務完遂することを健闘する」と命令下達し、指導班による適切な指示と安全管理面(武器と装具装着等)も隊員に徹底するなど基本動作を確認しながら訓練を実施した。
 訓練は地図の見方、地図判読を実施し、特に地点指示では各隊員が目標を確認しながら懸命に訓練に取り組む姿勢が印象的だった。引き続き地域偵察要領へ移行し歩哨訓練、天幕展張要領を体験させた。
 訓練を通じ、基本動作の練度を向上するとともに団結の強化、士気高揚を図り全員が無事任務を完遂した。参加隊員は「今回の訓練で基礎動作の大切さを知った。来年もぜひ参加したい」と話した。
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自衛隊統合演習に参加
西方
 西部方面隊(西部方面総監・番匠幸一郎陸将)は、平成25年11月1日から18日にかけて、統幕が計画する平成25年度自衛隊統合演習(実動演習)に参加するとともに、年度方面隊実動演習を担任実施した。
 自衛隊統合演習は、武力攻撃事態における自衛隊の統合運用能力の維持・向上を図ることを目的とし、島嶼部の防衛における一連の行動を主要演練項目として演習が実施された。
 方面隊実動演習は、島嶼作戦における各種事態に係る対処要領を演練・検証し、対処能力の維持・向上を図ることを目的とし、北方から2師団、東北方から6師団、中央即応集団から空挺団等が参加、約1万5千人、車両約2千500両、航空機約50機で防御訓練、基地警備訓練、兵站施設の開設・運営訓練を九州から沖縄の各地域に展開して演練した。
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技能公募予備自の召集訓練を担任
49普連
 第49普通科連隊(連隊長・押川省三1陸佐=豊川)は、平成25年11月29日〜12月3日まで、技能公募予備自衛官召集訓練を担任実施した。
 技能公募予備自衛官とは、専門的な技能を有する自衛官未経験者が予備自衛官補として採用後に、教育訓練(2年以内に10日間)に参加した予備自衛官をいい、いざというときは自衛官としての国防等の任務に就く。今回の訓練には医師、薬剤師、看護師、弁護士、建築士、整備士など20人が参加した。
 主な訓練内容は、基本教練、武器訓練、特殊武器防護、救急法及び野外衛生、射撃検定、体力測定などで、戦闘・戦技能力の向上を図った。また、本訓練の特性として各隊員が保有する専門的技能を作戦等で最大限発揮するための職務訓練を実施。今回は参加者の保有技能に応じ、衛生、語学、整備、通信、建設の区分で訓練を実施した。
 本訓練に参加した薬剤師の亀島予備1陸尉は、東日本大震災発災時、被災地(宮城県南三陸市)で活動し、それを期に予備自衛官補を志願した。「専門的分野ではそれなりに知識はありますが、自衛隊のことに関しては、まだまだ初心者です。いざという時に自衛官として立派に活躍できるよう今後も訓練に励みたいと思います」と話していた。
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警察機動隊員に患者搬送を教育
2普連
 第2普通科連隊(連隊長・宮風m治1陸佐=高田)は平成25年10月14日〜25日まで、関東管区7都県機動隊員に対する救急従事者受託教育を実施した。
 14日、秋晴れのもと、教育開始式を行い被教育者28人の教育が開始され、主任教官(情報小隊長・岡本陸2尉)以下15人の指導部が教育にあたった。翌日からは基礎訓練として、体力調整運動、演習場でのコンパス行進、地図判読、訓練塔においてロープ橋、患者搬送等を行った。
 22日夜からは関山演習場で「山岳地帯に墜落したヘリコプター乗務員の救助」との状況で、学生たちは地図とコンパスを頼りに捜索現場へ向った。行動開始から13時間で現場に到着、捜索開始1時間後に要救助者を発見しヘリコプターとのランデブーポイントへ搬送、任務完遂した。
 25日、駐屯地において訓練修了式を行い、教育隊長(本部管理中隊長・柳1陸尉)は「不撓不屈の精神を今後の警察職務に活かしてもらいたい」と述べ訓練を終了した。

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