防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   874号 (2014年1月1日発行)
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9個部隊が受賞
陸幕長表彰で第2級賞状
共済組合・福利厚生業務等に優れた功績
 12月9日、共済組合業務及び福利厚生業務等に優れた功績のあった部隊等を表彰する陸幕長表彰式が陸幕会議室で行われた。
 表彰者の岩田清文陸上幕僚長、受賞9部隊の部隊長が出席し、山崎幸二陸幕人事部長等が陪席して行われた表彰式では、最初に北熊本駐屯地業務隊長・須藤二男1陸佐に陸幕長から第2級賞状と楯が授与された。その際には同業務隊の受賞理由を陸幕長が読み上げた。
 共済組合業務については、厳しい予算状況と制約がある中で厚生センターの各種魅力化施策を実施したこと、売店従業員に対し専門家による接客教育を実施しサービスと売上等を向上させたことの2点が、福利厚生業務については、厳しい社会情勢・各部隊の特性・ニーズを踏まえ、ライフプランセミナーを適時実施して多くの隊員を参加させたことがそれぞれ挙げられた。
 引き続き8個部隊についても、司会が部隊の主な功績の概要を述べる中、陸幕長からねぎらいの言葉とともに第2級賞状と楯がそれぞれ部隊長に授与された。
 以下は、受賞した部隊等の主な功績の概要。( )内は業務隊長・支処長。▽【美幌駐屯地業務隊】(伊藤達夫2陸佐)被扶養者へ特定健康診査の積極的な広報を実施し省内第4位の受診率を達成▽【北海道補給処白老弾薬支処】(酒巻勝1陸佐)特定保健指導の対象者へ案内を実施して多くの隊員を参加させた▽【倶知安駐屯地業務隊】(舟根正直2陸佐)隊員クラブのサービス向上のため飲み放題、バイキング等の各種イベントを積極的に実施して売上を向上▽【立川駐屯地業務隊】(齊藤浩2陸佐)家族に対し共済セミナーを実施して事業を周知するとともに厚生ニュースの掲示期限を表示して効果的な広報を行い、特定健診の受診率を大きく向上させた▽【武山駐屯地業務隊】(福山尚正1陸佐)割引協定施設の小冊子及び一覧表を作成して各部隊に配布▽【板妻駐屯地業務隊】(枇杷利政1陸佐)隊員に対する緊急登庁支援の家族会則を作成▽【福知山駐屯地業務隊】(愛甲昭一郎2陸佐) 隊員に対する緊急登庁支援の訓練成果を反映したマニュアルを作成▽【久留米駐屯地業務隊】(宮本浩1陸佐)庁内託児所(熊本)で保育実習訓練を実施して隊員に対する緊急登庁支援の実効性を向上させた▽【北熊本駐屯地業務隊】(須藤二男1陸佐)※主な功績の概要は本文参照

盛大に第52回全自合気道演武大会
歴史を繋ぐ今、示す
 12月7日、市ヶ谷駐屯地体育館で第52回全自衛隊合気道演武大会(主催:防衛省合気道連合会、後援:公益財団法人・合気会、防衛ホーム新聞社など)が行われた。演武に参加したのは防衛省合気道連合会(以下、連合会)33支部のうち北は千歳支部から南は鹿屋支部まで計31支部、賛助演武として在日米軍キャンプ座間合気道クラブ、OB演武として本多理一郎七段(元陸上自衛官)、田丸順敏六段(元航空自衛官)、大会委員長の空自航空システム通信隊副司令・神谷正一六段、連合会会長の事務次官・西正典弐段、連合会顧問である合気道道主・植芝守央先生。
 各支部の演武は、少数精鋭をモットーに全2名の部員で基本技を披露した善通寺支部、全44名の部員から選抜メンバーが参加し元気溌溂、若々しい団体演武を披露した防大支部など、支部ごとに人数や内容も様々。稽古で指導を仰ぐ高段者のOBや部外の参加者が演武に加わった支部もあった。演武の最中には、いずれの支部も、部員数や熟練のレベル・稽古日・稽古場所など支部の情報をアナウンスし、「来基の際は是非ご連絡を。一緒に稽古に励みましょう」(春日支部)などと他支部の会員との交流を盛んに呼びかけた。昇段報告や近隣他支部との交流、連合会の夏季合宿訓練など行事への参加状況報告や、休部状態支部の活動再開(三沢、大村)、新支部設立(横田)という嬉しい報告も。
 演武の最後を飾ったのは植芝道主の総合説明演武。植芝道主の美しい演武を一同は畳の縁へ身を乗り出すようにして見つめていた。植芝道主は、「(半世紀を越える連合会の歴史)この素晴らしい流れを大切にされ、いい形で次に繋げていくのが今の私たちの役目」と、会員たちにエールを送っていた。
【演武大会の優秀支部】▽春日(空)▽朝霞(陸)▽大井(共)▽防大(共)▽大村(海)【防衛省の合気道への永年の貢献、功績へ個人表彰】▽近藤嘉宏五段(目黒支部)▽櫻庭行男参段(入間支部)
 また、植芝道主が秋の褒章で藍綬褒章を受章したことをお祝いし、連合会から記念品が贈られた。

魁の風
〜中央即応集団〜
Central Readiness Force
交通事情に立ち向かう
南スーダン派遣施設隊 1陸尉 高柳真一
 南スーダン派遣施設隊警務班長を命じられ、世界で一番新しい国で半年間、国づくり支援のため警務班長として何をしなければならないのか、何ができるのかを常に自問自答しながら、本派遣に臨みました。
 警務科としての任務は道路交通統制や警護、犯罪捜査のほか、部隊長の行う規律維持に協力し部隊の健全性を保持することです。治安情勢が日本に比べ不安定なことに加え、決して良いとはいえない交通事情の中での活動、過去の派遣要員も車両操縦に慣熟するまでの間に、接触事故が散発的に発生した教訓を踏まえ、交通事故の未然防止を最優先の目標としました。具体的には、主要交差点左折時や側道から本線進入時の交通統制、重車両輸送に伴う随伴支援等を行いました。特に、交通混雑箇所を通行する際は、現地住民による無謀(無免許含む)な運転の巻き添えにならないよう細心の注意を払うとともに、車長(助手席)が左右の安全を確認し、しっかりアシストすることが特に重要だと考え、その点を隊員に徹底するよう意見具申等を行いました。結果、大きな事故もなく任務を完遂できました。関係治安機関との交流では、南スーダン国家警察及び国連警務隊(カンボジア軍)と事故通報及び現場進出要領に関して認識を統一し事故処理の主体的な役割を果たす国連警務隊と良好な関係を維持することにより、迅速に事態を収束させることができました。
 ただし、事故処理において日本と差異があり、事故現場が他の交通の妨げになっていたとしても警察官が到着するまで「現場保存」を継続することです。日本では二次災害を防止するため事故車両を路外移動させますが、南スーダンでは証拠隠滅と解釈されるようです。また、事故対応等で軍人が集まると現地住民の群衆ができるため、現場検証は必要最小限の人数にしてほしいなどの助言を頂き文化の違いを痛感しました。
 間もなく私の任務は終了しますが、今回の派遣により、とても良い経験ができました。本派遣でお世話になった色々な方々に感謝するとともに、この貴重な経験を糧とし新たな任務に邁進していきたいと思います。
生まれた「絆」
南スーダン派遣施設隊 1陸尉 本藏聖一
 私の主な業務は、部隊が施設活動を安全に行えるよう地雷・不発弾等が作業予定地に残っていないかを国連機関に確認したり、南スーダンの方々に日本隊の活動を理解し協力してもらえるよう、関係機関との調整など行うことです。
 業務において、想像以上に日本人が現地で好感を持たれていることに驚きました。私が「日本人」ということで、調整がスムーズにいったことが多々ありました。これまで国際貢献活動に係った多くの先人たちの努力に感謝と敬意を感じずにはいられません。
 私は5年前に、ゴラン高原における国連部隊(UNDOF)の活動に参加した経験がありますが、そこでの活動は、「兵力引離し」のための活動であり、「中立性」が求められました。
しかし、今回の南スーダンにおける活動は、南スーダンの「安定」と「国づくり」の支援であるため、私の業務の内容は大きく違うものとなっています。
 1ヵ月間南スーダンの若者に向き合い、修了時にその成長した姿を目にしたときは感動も一入でした。彼らは働いて収入を得て自立したいという高い志を持っており訓練に取り組む姿勢も積極的でした。
 彼らの希望に応えるために、お互い真剣に訓練に臨んだ結果、第4次要員のシンボルである「絆」が生まれたように感じました。
 独立3年目の世界で一番若い、将来の可能性を多く秘めた国の今後の発展を願っています。
 帰国後は、ここ南スーダンの活動の経験を活かし、今後の派遣部隊のための一助になることができれば本望です。
KC—767初使用
派遣海賊対処行動航空隊 2陸尉 坂元正和
 派遣海賊対処行動航空隊第14次要員の輸送幹部として勤務しはや2ヶ月が経ちました。業務に明け暮れあっという間の2ヶ月でした。輸送幹部としての主な業務は日本からの輸送品受領、部隊交代時の装備品の入替え及び派遣隊員に対する車両操縦訓練の実施です。
 13次要員との交代時の装備品入替え業務のため航空自衛隊保有の空中給油・輸送機KC—767が使用されました。派遣海賊対処行動航空隊の派遣開始以来、初使用であり、とても貴重な体験をしました。私にとっても航空自衛隊との調整は初経験で、普段馴染みの薄い航空機の運用について自分なりに勉強しながら各種調整を進めました。
 そのため調整に時間が掛かり大変苦労しましたが、後送する装備品をKC—767の貨物室に無事に搭載完了した時は何とも言えない充実感を感じました。
 日本へ帰国するまでの間、ここジブチでの任務を完遂して、無事帰国できるよう頑張ります。

午年企画
防衛省 フェイスブックに
体育学校近代五種女子選手
 防衛省広報課(伊藤茂樹課長)は12月12日、自衛隊体育学校(校長・福田築陸将補)馬術訓練場で訓練中の山中詩乃3陸曹、島津玲奈陸士長、伊谷温子海士長の撮影及び取材を行った。防衛省公式facebookに近代五種競技選手の女性3隊員の訓練姿を掲載するためのもの(1月6日掲載)。午年にちなんだ企画であり、フェンシング・水泳・馬術、射撃&ランニングによるコンバイドの5競技4種目を行う伝統ある近代五種の部内外への広報も目的としている。近代五種監督の宮ヶ原浩1海尉(バルセロナ五輪代表)以下関係者は一様に「近代五種にスポットが当たることはとても嬉しい」と、伊藤課長をはじめとする一行を歓待していた。
 僅かな競技歴でロンドン五輪出場を果たした山中3陸曹、国際大会で実績ある島津陸士長、25年度の全日本選手権初優勝の伊谷海士長を含む体校所属の近代五種16選手たちは、14年アジア大会、16年リオ五輪を目標に連日、五競技の訓練を行っている。撮影時も、選手を分け2日に一度ローテーション(体校飼育の馬は全7頭)している馬術の障害飛越の訓練を午前中の2時間余りに渡り繰り返していた。
 緊張感ある訓練、訓練後の三頭揃った和やかな撮影と、様々な表情を見せた三人娘。新年に向け「リオを見据えアジア大会で結果を出す」(山中)、「アジア大会でメダルを獲りたい」(島津)「海外の試合で勝つ」(伊谷)と目標も力強かった。

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