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自衛隊ニュース   2012年11月15日号
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地域内の「枠」を超えて多国間協力
安全保障で連携を強化
東京ディフェンス・フォーラム

 安保環境の安定のためにアジア太平洋地域内の枠組を超えて連携—防衛省主催の国際会議、第17回「東京ディフェンス・フォーラム」が10月31日から11月2日の3日間にわたり、都内で開催された。防衛政策局・須永和男次長が議長を務め、アジア太平洋地域21ヵ国の国防省幹部(局長・将官レベル)に加え欧州連合、赤十字国際委員会の関係者が参加。「地域の安全保障—深まる地域の重要性と進化する安全保障枠組」と、今年が日本のPKO活動参加20周年にあたることを踏まえた「PKO活動—今後の課題と協力のあり方」の2つを議題として議論した。

 会議の冒頭、森本敏防衛大臣はあいさつの中で「この地域は広範多岐にわたる課題を抱えている。『多国間協力によって直面する課題に、どのように対応していくか』が主要な議題」とし、PKO活動については「今後この地域の平和と安定にとって、どのような意義があるのか、求めるべき方法は何かを真摯に議論していただきたい」と述べた。
 2つの議題のうち、まず「地域の安保」では領有権問題や自然災害など様々な課題に対する、平和と安定に向けた協力のあり方について議論。
 拡大東南アジア諸国連合国防相会議(ADMMプラス)をはじめとした地域の安全保障の枠組が急速に発展しており、域内諸国の実践的な協力を強化していくことが必要とし、その中で▼ADMMプラスや東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)といった枠組間の取り組みの連携・調和が重要▼人道支援・災害救助活動で多国間協力を深化させていくためには情報・経験の共有、協力メカニズムの構築、訓練などによる能力強化が重要、などを確認した。
 その上で、来年6月ブルネイで行われる「人道支援・災害救助」「防衛医学」分野でのADMMプラスとして初の多国間演習を「域内諸国間の実践的協力を高める観点から重要な進展」として高く評価した。
 「海上安保」については海上マナーとしての「グッドシーマンシップ」の共有が重要、などを再確認。
 もう一つの議題「PKO活動」では情報を共有するとともに、一層の充実に向けた方策や地域協力のあり方について議論。
 各国の国防当局間の連携・協力は重要だが、とくに▼より複雑化・専門化する近年の活動を踏まえ、PKOのための訓練や専門家の派遣などで、国際機関やNGOなどとの協力が不可欠▼派遣側の論理のみでなく、受入国の視点を十分に取り込むことが必要、とした。

岩村CRF副司令官
「人を思いやる心が大事」

 会議2日目、中央即応集団副司令官で海外での活動経験(イラク復興業務支援隊長、またゴラン高原へUNDOFで)を持つ岩村公史陸将補が「自衛隊のPKO活動の20年と今後」と題した基調講演を行った。
 岩村副司令官は湾岸戦争後、92年のPKO法成立を転換点とした活動の歩みを紹介し、派遣の歴史と変遷を任務ごとに解説。これまでの教訓として、インフラ整備や教育支援などを含む「複合型PKO」となり様々な連携が必要であることなどを挙げた。
 さらに「派遣前に幹部には受入国の文化の勉強をさせているが、なによりも『人を思いやる心』が大事。現地の風習を尊敬すること、現地の子供たちと目線を同じくすること、などを隊員に教えている」と話した。


仮装したちびっ子が来省
ママも"気合い"十分

 四谷新生幼稚園の園児24名が10月29日、防衛省を訪れた。
 同31日のハロウィンを前に、お姫様やマリオ、ピノキオ、スパイダーマンなどに仮装した小さな軍団は防衛省の門をくぐると、腰を屈めて子どもの目線に合わせた陸海空の自衛官・事務官から、お菓子やシールなどをもらい大喜び。
 園児たちは「今日のお礼です」と、全員で踊り付きの歌をお返しにくれた。
 「主人が自衛官なんです、主人をよろしく」と言う引率して来た親も気合いたっぷり。防衛省営門脇広場がしばし微笑ましい雰囲気に包まれた。


初展示に2500人来場の盛況
空自浜松広報館で入間のCH—47J

 空自浜松広報館は10月21日、CH—47J輸送ヘリコプターの地上展示を行った。入間ヘリ輸送航空隊から広報館駐機場に到着後、午前9時30分から午後3時まで機内展示。ヘリの後部扉を開けて展示の準備が整うと、心待ちにして列をつくっていた来場者が順に機内に入り、貨物室や操縦席の様子を見学した。
 ほとんどの来場者がヘリはもちろんのこと自衛隊機の中に入るのも初めてで興味津々。機内の搭乗員に震災のときの様子や航空機のことなどを質問したり、記念撮影などをして普段は体験できない貴重な時間を過ごした。
 来場者たちは飾り気の無い実用本位の広い室内に「実際に見ることで自衛隊が災害などに備えてくれていることを実感できた」「機内に冷房がなくて暑くて大変なのに、よくやってくれている」「大震災のときは、これが活躍してくれたんだ」など自衛隊に対する信頼感と期待感を深めたようだった。米海兵隊の輸送機オスプレイとの違いを質問する人も多かった。
 同輸送ヘリの展示は初めてで、各種任務が紹介されている館内見学と実任務部隊による展示とのコラボレーションにより、より一層の自衛隊や装備品の必要性などの理解促進につながったイベントとなった。この日の入館者数は約2500人で、駐車場もほぼ満車となるほどの盛況だった。
 浜松広報館は「今後も航空自衛隊に対する理解を深めてもらうために色々なイベントを予定しているので、家族揃って来館してもらいたい」としている。
 なお、同広報館で人気の動揺型フライトシミュレーターは10月から運用停止で、簡易型4台は可動しているとのこと。


雪月花

 防衛省の正門にベナン共和国の大使館が10月1日に設置された。ベナン共和国といっても直ぐにわかる人はそんなに多くはない。アフリカの西部で顎にあたるところ。南端は大西洋に面しアフリカの内陸に細長く食い込んでいる、面積は日本の約三分の一。人口は920万人。大使はゾマホン・イドウス・ルフインさん48歳、ビートたけし氏の付き人兼通訳を務めていたあの人である。氏は自身のお金で医薬品を買い入れて帰国の時無償で医療施設に配ったり、私財を投じて日本語学校も建設するなど熱心に社会福祉活動を実践している。大使の持論はアフリカ人と日本人はもっといい関係を持たなければいけない。共通の文化が沢山あるのだから、和を尊ぶ民族、道徳を重んじる民族であり先祖を大事にする民族であると言う。欧米の植民地政策は搾取だが日本は与える政策でアフリカ人は日本が好きで尊敬しているとまで言う。先日、防衛省に行ったときには目ざとく殉職者慰霊碑を見つけてお参りをさせてくれと言う。そして「今の日本があるのはここに祀られている方々のおかげだよ」という。心も行動も日本人以上に日本人らしい大使。近く市谷本村町の有志はこんな大使の熱烈な歓迎会を行うことになっている。ベナン共和国をアフリカ大陸の日本にするのが大使の夢と語っている。


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