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自衛隊ニュース   2012年11月1日号
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厳しさ乗り越え逞しく成長
14ヵ国を歴訪し遠洋練習航海部隊が帰国

 5月22日に出国し、東南アジア—南アジア—中東・西アフリカ14カ国14寄港地を歴訪した平成24年度遠洋練習航海部隊(司令官・淵之上英寿海将補)が10月22日に帰国した。
 出国時は雨交じりの曇天だったが、帰国時は一転、夏の戻りを思わせるような暖かな青空が練習艦隊の凱旋を祝った。午前9時前に晴海ふ頭H岸壁に練艦隊旗艦・練習艦「かしま」が接岸、練習艦「まつゆき」護衛艦「しまゆき」も続き、待ちわびた家族らが小旗を打ち振り出迎えた。帰国行事が始まるまでの束の間、帰国隊員と出迎え家族らの歓談のひと時があり、互いの元気な姿を確認してたちまち笑顔の花が咲いた。「逞しくなったね!」と、感激の面持ちで肩を叩く家族。褒められた実習幹部は照れながらも嬉しそう。
 帰国行事には隊員家族などのほか、宮島大典政務官をはじめ河野克俊海幕長、三村亨人教局長など自衛隊高級幹部や衆参国会議員、協力団体関係者ら来賓多数が出席した。淵之上練艦隊司令官の帰国報告に続き、登壇した宮島政務官は訓示の中で練艦隊の長旅を労い、河野海幕長は出国直後の機械・機器の故障を乗り切った乗員の奮闘を称えるとともに、今後、艦艇に乗ることのない実習幹部を念頭に、「海上自衛隊の全ての活動の基本が海の上にあることを肝に銘じ、5ヵ月間の海上勤務における厳しさと楽しさを忘れることなく、いかなる配置にあろうとも海の上を基本とした物の見方、考え方を持ち続けてもらいたい」などと激励した。
 帰国行事の閉式後、実習幹部は5ヵ月の航海を共にした乗員へ、互いに帽振れを行って別れを告げた。実習幹部から初級幹部へ。海上自衛隊の明日を担う彼らの部隊勤務が始まる。  


19ヵ国の若手士官が交流
海幹校主催「WPNS STEP」
フェイス・トゥ・フェイスで

 海上自衛隊幹部学校(学校長・福本出海将=目黒)は10月13〜25日に第2回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期プログラム(WPNS STEP)を実施した。WPNS STEPは、アジア・太平洋諸国から海軍大学等の士官(少佐、大尉)を迎えて部隊研修や講義により日本に対する理解を深め、また、一緒に参加する海自幹部学校指揮幕僚課程学生との交流も深める目的で行われ、開会式で登壇した副校長・山本敏弘海将補は、フェイス・トゥ・フェイスで各国の若手士官が交流する意義を訴えた。
 「紛争の場等に於いて相手国の船に"知り合いが乗っているかいないか"で随分違う」「将来それぞれの国の中枢で働くだろう士官たちの相互理解が将来の多国間協力の礎になって欲しい」(山本副校長)
 13日に来日した参加者は翌日には観艦式を見学、15日朝の開会式を皮切りに2日間、海幹校で部隊研修、講義を受講。講義内容は旧海軍の歴史から遡り、現代日本の安保環境・安保政策、自衛隊の統合運用など。安保政策については、外務省から講師を招聘した。横須賀・鎌倉・都内における文化交流を挟み、翌週からは3日間に亘る研究会を開催。全体討議のほか小グループに分かれて熱心なディスカッションを行った。
【WPNS STEP参加19カ国】オーストラリア、バーレーン、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、インド、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、オマーン、パキスタン、フィリピン、韓国、シンガポール、トルコ、アラブ首長国連邦、米国、ベトナム


多国間訓練など協力と交流をさらに促進へ
シンガポール国防大臣が来省

 森本敏防衛大臣は10月10日、防衛省でシンガポールのウン・エンヘン国防大臣と会談した。同国の国防大臣が公式に日本を訪問したのは初めて。
 会談では、2国間および多国間訓練で両国の防衛協力・交流をさらに促進することを決定。両国間の防衛協力強化につながる後方支援に関しても協力増進することで一致した。
 また両者は「東南アジア諸国連合国防相会議(ADMM)プラス」の枠組みの下、多国間協力に取り組むことを再確認。来年、ブルネイで行われるADMMプラスの「人道支援・災害救助専門家会合」「防衛医学専門家会合」の演習への強い支持を表明した。


テーマは「絆〜日本そして世界へ」
16年ぶり市中パレード、盛大に創立記念行事
遠軽

 「絆〜日本そして世界へ」をテーマに遠軽駐屯地(司令・野村悟1陸佐)の創立61周年記念行事が10月13、14日の両日、町をあげて盛大に開催された。
 初日午前、町や遠軽商工会議所などでつくる記念市中パレード協賛会(会長・佐々木修一町長)の主催で16年ぶりとなる市中パレードが行われた。佐々木町長は「昭和26年に自衛隊が駐屯し61年を迎え、地域住民が安心して暮らせる大きなよりどころになっている。東日本大震災では国民を絶望の淵から救い、希望を与えた。野村司令が第6次ハイチ派遣国際救援隊の隊長となり、半年間に及ぶ過酷な状況のなかで復興支援を行い自衛隊の能力を国際的に証明し、現地から熱い感謝を受けた。このパレードで駐屯地に対する更なる町民のご理解を深めさせてもらいたい」と話した。
 パレードは駐屯地から遠軽駅までを直線で繋ぐ「連隊通り」約250メートルを隊員約320名、装甲車など55両の車両が行進。ハイチ派遣隊員も力強く徒歩行進した。沿道に詰めかけた町民ら観衆は日の丸の小旗を振り迎えた。
 翌14日、駐屯地で行われた記念行事には早朝から多くの町民が訪れた。在日本ハイチ共和国大使ジュデス・エグザビエール氏、前在ハイチ日本大使・南健太氏も駐屯地を訪れ、ハイチでの救援活動への感謝とともに、隊員家族にも謝意を伝えた。
 観閲式では「風雪磨人」である隊員達が式場に整列し、その威容を示した。野村司令は式辞で「昨年の東日本大震災派遣、ハイチ派遣国際救援隊としての活動においても高い評価を受けることができたのも歴代駐屯地司令、ご家族、地域住民等の永年にわたる熱いご支援、ご協力の賜物」と感謝し「過去から未来へ続く地域との歴史の絆、隊員と家族、地域の皆様との友情・愛情の絆、日本全国・全世界への心の絆を想いつつ本行事が有意義になることを祈る」と述べた。
 駐屯地全部隊の威風堂々とした観閲行進には観衆から惜しみない拍手。続く模擬戦闘訓練展示はヘリによる偵察に始まり、普通科中隊が突撃し敵を圧倒する迫力ある場面を披露し観衆を魅了した。


防衛省で自衛隊音楽まつり一般公募抽選会
インターネットのメール利用が半数近くに
応募総数は約5万通、4.6倍

 平成24年度自衛隊音楽まつり一般公募抽選会が10月16日、防衛省で警務科隊員立会いのもと、厳正に実施された。抽選者は伊藤茂樹内局広報課長、大塚裕治、石川一郎、深澤英一郎の各幕広報室長の4名で、応募往復はがきを公演回数及び券の種類別(一般券、青少年券)に区分して抽選した。
 一般公募は9月10日から10月10日までの1ヵ月間、ポスターやチラシ、電話案内で広く呼びかけ、往復はがき及びインターネットで応募を受け付けた。はがき応募券が2万7701通、メール応募数が2万2386通の計5万0086通。当選数は1万0264通で倍率は4・6倍となった。
 今年度の音楽まつりは11月16、17日の2日間、「和、奏でる夢」をテーマに、陸海空自衛隊音楽隊、第302保安警務中隊、自衛太鼓、防衛大学校儀仗隊、アメリカ太平洋陸軍軍楽隊、米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊など約1000名が出演して行われる。


小学生に防災講話
下基隊

 下関基地隊(司令・杉原耕二1海佐)はこのほど、市内豊浦町黒井地区の小学生に対し防災講話を行った。同地区社会福祉協議会からの依頼によるもので、父兄を含め75名の聴講者が集まった。
 第43掃海隊「うくしま」掃海長・大窪一成2海尉が東日本大震災における災害派遣について、実体験を紹介しながら災害に対し日頃の準備がいかに大事であるか説明した。またダイバー道具一式と非常食用缶詰の展示も大好評で、多くの質問が寄せられた。


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