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自衛隊ニュース   2012年11月1日号
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守る この海・夢・未来
観艦式ウィーク華やかに
本番へムード盛り上げる

横須賀、横浜、木更津で艦艇一般公開
五輪メダリストの来艦イベントや音楽演奏など各地で大盛況

 「守る この海・夢・未来」をキャッチフレーズに、盛大に催された今年度の自衛隊観艦式。10月14日の観艦式本番前の8日と11日には事前公開が行われ、本番同様に観閲艦「くらま」以下20艦艇には大臣招待・一般招待・公募の見学者が両日で計約2万6000人乗艦した。計3回の観艦式の参加艦艇は、6日夜から一週間、横須賀・横浜・木更津に係留。事前公開日以外の日程に日没までの満艦飾と夜間の電灯艦飾を行い、観艦式ウィークを彩った。
 一部艦艇は係留日に一般公開を実施し、三連休の中日だった7日、13日の土曜日を中心に連日多くの市民が足を運び自衛隊に触れる機会を得た。行楽客で賑わう横浜の大桟橋に係留していたヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」では、飛行甲板での各種装備品の展示や自衛隊の活動を紹介した写真パネル展などのほか、広々とした格納庫スペースを利用し自衛官五輪メダリストの米満達弘3陸尉(男子レスリング66kg級金メダル)、清水聡3陸尉(ボクシングバンタム級銅メダリスト)による握手会・撮影会を行った。米満3尉は「自衛隊を応援しています!と声をかけてくださる方が多く、とても嬉しく思いました」と、熱心な自衛隊ファンとの触れ合いに感激の様子だった。
 観艦式ウィークのラストを華々しく飾ったのは、13日午後に大規模複合商業施設「クイーンズスクエア横浜」で行われた音楽演奏。海自のセントラルバンド・東京音楽隊をはじめ、横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊の5音楽隊、陸上自衛隊東部方面音楽隊、航空自衛隊南西航空音楽隊が集い、正午から午後6時までにのべ6000人以上の聴衆を集めた。これら音楽隊は計3回の観艦式見学者が乗艦した各艦艇において、音楽演奏を担当。観艦式の各種セレモニーを美しい音色で演出したほか、帰港するまでの時間を利用してコンサートを行い、観艦式の余韻冷めやらぬ見学者を楽しませた。


「ひゅうが」で海洋安保シンポ

 護衛艦「ひゅうが」一般公開日の7日、同鑑の多目的ルームにおいて、防衛省・海洋政策研究財団の主催で海洋安全保障シンポジウムが実施された。「安全保障のグローバル化と海上自衛隊」を統一テーマに、第1部は、「我が国の安全保障への取組」、第2部は「海洋安全保障の課題と国際協調への展望」と題してパネリストのプレゼンテーション、討議が行われた。
 第1部では、海上幕僚監部防衛部長・山下万喜海将補が海上自衛隊の海洋安全保障への取り組みを振り返った基調講演を皮切りに、秋山昌廣氏(海洋政策研究財団特別顧問)が司会を務めプレゼンテーションが行われた。阿川尚之氏(慶応大学常任理事)による日米海軍史、前海上保安庁警備救難監である向田昌幸氏が海保が取り組む海上警備行動を報告し、保坂均氏(日本船主協会海務部長)はソマリア海賊問題へ言及し「海上自衛隊の護衛では過去に一度も襲撃がない。大変ありがたい」と述べた。西原正氏(平和・安全保障研究所理事長)、古庄幸一元海幕長は共に、海洋立国・日本における海自の重要性を強調。西原氏は憲法、自衛隊法の改正と防衛費の増額を訴えた。続く討議、質疑応答では竹島・尖閣諸島を巡る議論もなされ、海上警備が長期戦・消耗戦の様相を呈するなかで、「海自が出てくるのを中国は待っている」(秋山氏)などの報告がなされた。第2部では海幹校副校長・山本敏弘海将補を司会に、在日米軍司令官・ダン・クロイド海軍少将、在日英国大使館国防武官・アンディ・エドニー海軍大佐、外務省地球規模課題審議官・石井正文氏、在日豪州大使館1等書記官・エイミー・ホーキンス氏、西正典防衛政策局長、大塚海夫海幕指揮通信情報部長が出席した。各氏ともに海洋安保について今後より国際協調の重要性が増すとの認識で一致。西局長は2国間協力に努める防衛省の取り組みなどに言及した。


野田首相訓示
観艦式
かつてない状況下「最後は勇気」

 昨年の航空観閲式に続き本日の観艦式において観閲官として多くの隊員たちに直接訓示をする機会を得たことは、最高指揮官たる内閣総理大臣として大いなる喜びとするところです。本艦「くらま」を中心とする艦艇、航空機の威風堂々たる雄姿、統率の取れた一糸乱れぬ艦隊訓練。そして、士気旺盛な隊員諸君の規律正しく真剣なまなざし。今日、私はこれを目の当たりにして、この国に自衛隊があることの誇らしさを改めて心に刻んでいます。この観艦式が諸君の日頃の訓練の成果を示し、諸君がその胸に秘めた使命感と覚悟を一人でも多くの国民に知っていただく重要な機会となることを信じて止みません。
 海洋国家・日本の礎である海。我が国最大のフロンティアである海。我が国の海を守るという諸君の職責は日本人の存在の基盤そのものを守ることにほかなりません。今年は海上自衛隊の前身である海上警備隊が発足してから60年という節目を迎えました。我が国を巡る安全保障環境はかつてなく厳しさを増している事は改めて諸君に申し上げるまでもありません。人工衛星と称するミサイルを発射し核開発を行う隣国があります。領土や主権を巡るさまざまな出来事も生起しています。その一方で自衛隊の活躍の場面は我が国周辺のみならず世界各地にまで広がるようになりました。我が国の平和と独立を守り国民の安全を守るという自衛隊創設以来の使命の核心は不変ですが、新たな時代を迎えその使命は少しずつ形を変え重要性を増しています。
 そのような中にあって、本日は諸君に三つのことを求めたいと思います。まず諸君に求めたいのは「部隊の力を磨きあげよ」ということであります。新たな時代にあって諸君は様々な新しい任務を与えられ難しい任務を与えられ厳しい場面に遭遇することも増えると思います。それを立派に果しきる力を平素から養って下さい。防衛大綱に従って動的防衛力を構築し磨き上げてください。いざという時、何が求められるのか。それぞれの部署で徹底的に検証し訓練に励んでください。諸君は単に存在することだけで抑止力となるのではありません。鍛え上げられ磨き抜かれた諸君一人一人の日々の努力があってこそ防衛力は具体的な裏付けを持っていくのであります。
 二つめに諸君に求めたいのは「果敢に行動する勇気」であります。かつてない状況の下で、これまで経験したことのない局面、プレッシャーを感じる場面に向き合う事もあるでしょう。しかし皆さんは国家の安全を守る最後の拠り所です。国防に想定外という言葉はありません。困難に直面したに時こそ日頃養った力を信じ冷静沈着に国の為に何をすべきかを考えた上で状況に果敢に立ち向かって欲しいと思います。いつの時にでも局面を切り拓く力は最後は諸君一人一人の勇気にかかってくることを忘れないでください。
 そして三つ目に諸君に求めたいのは「信頼の絆を広げていく」ことであります。先の東日本大震災での災害派遣では、すべては被災者のために、という思いで災害対応に当たった10万の隊員の真心が国民に深い感動を与えました。被災地で自らは数週間カンメシしか摂らず炊き出しのご飯や豚汁を被災者に提供し続けた隊員諸君の心は、被災者との心の絆を深めたに違いありません。また、米軍と自衛隊が共同対処したトモダチ作戦の成功は日米同盟に結ばれた日米の絆を固く結びつけました。これからの日米の動的防衛協力を深めていく大きな拠り所となっていくことでしょう。さらに諸君の同僚が遠くソマリア沖アデン湾において海上交通の安全確保の任に当たっていることは我が国の海運に携わる人々との絆を強めるとともに世界各国との絆も深め日本という国全体への信頼を高めてくれています。そして厳しく危険な任務を遂行するに当たって常に諸君を支えてくれる家族との絆への感謝の気持ちも常に抱き続けてほしい。そう願います。
 最後に、海軍の伝統を伝える五省を改めて諸君に問いかけます。至誠に悖るなかりしか。言行に恥づるなかりしか。氣力にくるなかりしか。努力に憾みなかりしか。不精に亘るなかりしか。諸君ならこの五省の問いかけを胸に国を守るという崇高な使命を必ずや果してくれると信じます。常に国民に寄り添って優しき勇者であり続けてくれると信じます。
 今こそ国民の高い期待と熱い信頼に応える自衛隊であるために諸君が一層奮励努力されることを切に望み私の訓示と致します。
(10月14日)


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