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自衛隊ニュース   2012年8月15日号
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東日本大震災の災害派遣終了1周年
陸自9師団へ知事らが謝辞
岩手県主催で「自衛隊感謝式」

 陸自第9師団(師団長・田口義則陸将)は7月26日、岩手駐屯地で行われた岩手県主催、東日本大震災災害派遣終了1周年記念「自衛隊感謝式」に参加した。
 式典での県知事らの謝辞はリアルタイムで各駐屯地に映像を配信し、感謝の気持ちが隊員たちに伝えられた。
 この式典は災害派遣終了から1年という節目に、救援活動に尽力した、すべての隊員の献身的な活動に感謝し、これを讃えるために行われた。達増拓也知事、釜石市の野田武則市長らが第9師団の隊員に対し災害派遣活動に対する謝辞を述べた。
 達増知事は「隊員の懸命な活動や生活支援は、未来へ向かう気持ちを奮い立たせてくれた」と述べた。
 前9師団長・田邉揮司良陸将の代理として山下純夫副師団長が「北東北3県の国土防衛、災害派遣、国際貢献活動、民生協力等の任務をもつ我が第9師団は、即応態勢を維持しつつ、引き続き地域の皆様の信頼に応えて参ります」と答辞を述べた。
 続いて東日本大震災災害派遣活動における第9師団の活動状況について災害発生当初から派遣活動終了までをスライドで紹介。釜石市甲子林業センターでの激励演奏のスライドでは、地震のために結婚式を挙げられなかった夫婦のために「結婚行進曲」ほか3曲をプレゼントした様子が映し出されると、達増知事も心を動かされた面持ちだった。
 これに併せて青森駐屯地では岩手県滝沢村から寄贈された石材に前師団長・田邉陸将直筆の書が刻まれた記念碑の除幕式が行われた。師団司令部のある同駐司令部庁舎前に建立され、正面には「最後の砦」、裏面には「国民の高明な信頼を得た東日本大震災の災害救援における隊員達の献身的な姿を顕彰して」と刻まれている。


悪天候の中、整斉と
豊川49普連が総合戦闘射撃

 陸自第49普通科連隊(連隊長・田邊政文1陸佐=豊川)は7月10日から12日までの間、平成24年度「師団総合戦闘射撃訓練」を、あいば野演習場で行った。田邊連隊長以下147名の隊員が参加した。
 この訓練は「諸職種部隊の総合された火力発揮能力の向上」が目的。師団計画で、陣地攻撃での増強普通科中隊の行動を演練した。3日間を通して第10師団管内の各普通科連隊から7コの増強普通科中隊が参加、射撃練度を競った。
 49普連は、配属された戦車小隊を含め第1中隊長・大水真吾1陸尉以下102名(うち即応予備自衛官39名)の隊員で増強普通科中隊を編成し総合戦闘射撃に挑んだ。射撃実施日の12日は悪天候の中、中隊長を核心として付与される各種状況に対し柔軟に対処。配属された戦車小隊、重迫撃砲小隊、迫撃砲小隊の火力を適切に運用するとともに、砲迫火力の支援のもと戦車射撃、87ATM射撃、敵指揮官に対する狙撃、LAV車載MGによる射撃、小銃小隊の攻撃を整斉と行い所望の成果を修めた。


「階級章の重み実感」
陸自幹候校で61期3尉候補者過程の卒業式

 陸自幹部候補生学校(学校長・田浦正人陸将補=前河原)に今年4月入校した第61期3尉候補者課程30名がすべての教育を修了し7月1日、3陸尉に任官、同校大講堂で任官式、卒業式を迎えた。
 任官式に先立ち、学校長室で田浦学校長自ら階級章を卒業生一人一人の肩に直接付けた後、記念撮影を行った。候補生らは「学校長自ら階級章を付けていただき大変光栄です」「階級章の重みを実感しました」などと話した。
 任官式に続く卒業式で田浦学校長は卒業生に対し「よく考えて部隊を統率すれば、必ずや任務を完遂できる。そのための物事の考え方、達成の方法を諸官はこの学校で学んできた。入校当初『一歩前へ!』を要望したが任官した諸官等には今後『よく考えて前へ!』を要望する。自信をもって部隊を前進させてもらいたい」とし、また「本校を卒業した諸官は即戦力として、また経験豊富なベテランとして期待されている。一方では後輩であるB・U・I等の幹部に背中を見せ、後輩たちを善導してほしい。また多くの方々のお陰様をもって本日の善き日を迎えられたという感謝の念を忘れてはいけない。誇りと感謝の念をもって、ひた向きに任務遂行に励んでもらいたい。部隊等は即戦力である諸官達の原隊復帰を心待ちにしている」と餞の言葉を贈った。
 卒業生たちは「今までの経験と本校で学んだことを活かして即戦力となり、部隊の精強化、後輩の育成に努めたい」と抱負を述べ来賓、在校生、職員、家族の見守る中、音楽隊の演奏とともに駐屯地中央道を堂々と行進し学校を後にした。


協力者ら装備に驚き
空自2高隊が基地見学を支援

 横須賀市武山にある空自第1高射群第2高射隊(隊長・川口礼人2空佐)は7月25日、入間基地退職者雇用協議会厚木支部(大野仁生支部長)12名の基地見学を受け入れた。
 まずは待機車1号・2号、炊事車、水タンク車、軽装甲機動車を見学。待機車1号のベッドに座り説明を聞き、2号のシャワー室やトイレを見て「凄い設備を自衛隊は持っているんだね」と感心した様子だった。炊事車や水タンク車の大きさに驚き、軽装甲機動車に興味津々。各所で記念撮影が行われていた。次いで隊員食堂で体験喫食。大盛りのカレーを食べながら「昼食に1400kcalなんて一日分のカロリーだよ!」などと楽しげに隊員と談笑していた。
 大野支部長は「我々の支部はできて2年の新しい支部。支部の人間に自衛隊の事をもっと知ってもらい、我々でできる自衛隊の支援をしていきたい」と、益々の自衛隊応援を語った。


海外から便り
ゴラン ジブチ
精強自衛隊をアピール
名寄3普連 2陸曹 南條敏紀

 ゴラン高原において輸送班装輪操縦手として勤務し、4ヵ月の月日が経ちました。
 派遣当初は交通状況の悪い中における左ハンドルでの運転や、苦手な英語など不安でいっぱいの毎日でしたが、現在は活動を通じて、車長との絶妙な連携で現地の交通状況もクリアーし、英語が通じなくても精一杯のボディランゲージでコミュニケーションをとっています。またゴラン高原派遣輸送隊は陸海空すべての隊員で構成され様々な職種の隊員が存在し、私自身とても刺激を受け、毎日充実した日々を送っています。
 私は普通科隊員で、輸送科隊員から操縦技術や、補給科隊員から整備のメカニックの仕組みなどを教えてもらうとともに、その他の専門職種隊員から色々なことを学ばせてもらい、日々成長できる環境にいることを感謝しています。
 次は文化交流でインド隊のチャイの作り方や、フィリピン隊の軽快なダンス技術を学ぼうと思っています。
 またUNDOFでは様々な競技会が各国の企画で実施されており、私の楽しみの一つとなっています。その中で日本隊は、自衛官としての誇りをかけてすべての競技会に参加しています。日本隊の活躍はめざましく、特に駆け足では表彰台をすべて独占するなど、各国に自衛隊の精強さをアピールしています。しかしマーチ(起伏の激しい山を武装で走る競技)では、いまだ優勝をしていないので次の課題として練成を重ね、優勝を狙いたいと思います。
 帰国まであと2ヵ月と短い期間ですが、日本の誇りと自信を忘れず、また真のピースキーパーとしての自覚を高く持ち、貴重な派遣期間を大事に過ごしていきたいです。

国のため家族のために
中央即応連隊 2陸曹 佐藤 剛

 任務を開始して1ヵ月が経過し、日中50度を超える気温の中においても行動ができる心と体になってきました。
 派遣にあたり、数ヵ月にわたり多くの方々の支援をいただきながら、準備訓練に専念できたおかげで、こちらで日々生起する様々な事象にも柔軟に対応できています。
 また、当初は家族・親族が心配していましたが、部隊の親身な家族支援のおかげで少しずつ理解をしてくれるようになり、出国当日には笑顔と少しの涙で私を見送ってくれました。
 さて、日々の警衛任務を遂行する中で、海上自衛官の方が、挨拶や声かけをしてくれます。そのたびに私たち警衛隊に対する信頼と期待を感じ、身の引き締まる思いがするとともに「統合任務」に従事していることを改めて実感しています。
 最後に、中隊長をはじめとする上司の方々、訓練支援をいただいた上級部隊の方々、国内での任務を実直に遂行されている部隊の方々に心から感謝するとともに、私の目標である「完遂」を忘れず国のため、家族のために引き続き努力します。


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