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自衛隊ニュース   2012年7月1日号
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災害対処に万全を図る
陸自東部方面隊
高速道路2社と協定締結

 陸自東部方面隊(総監・渡部悦和陸将=朝霞)は6月12日、大規模な災害に備え東日本高速道路?、中日本高速道路?と「連携に関する実施協定締結式」を総監部で行った。災害発生時における相互協力について円滑な連携を図ることが目的。
 この協定により災害発生時、東部方面隊は救援活動に必要な両社の道路・施設を緊急復旧させる。災害派遣(救援)部隊を一刻も早く被災地へ送り込むためだ。
 一方、両社は東部方面隊が救援活動を行う際、必要となる施設・敷地・資機材・物資などの提供や、緊急開口部を活用した車両の通行などで後方支援する。東部方面隊はパーキングエリアを災害派遣部隊の進出拠点として活用できるほか、サービスエリアで部隊指揮所が展開でき、ヘリポートも活用できる。
 また、災害時に十分な情報を共有できる連絡態勢を確立する。方面隊総監部、第1師団、第12師団、両社の本・支社の間で連絡網を構築して、相互に協力し被害情報の共有化を図る。
 「顔の見える関係」構築
 このほか災害発生時に備え、平時から災害対応の課題を共有し、相互の役割などを継続的に双方で確認し、協力連携内容の見直しを行う。具体的には、関係機関と連携し道路施設を活用した実動訓練、図上訓練、会議などを実施し「顔の見える関係」を構築する。7月9日には茨城県の守谷サービスエリア(日本初の防災拠点として造られたSE)で東部方面隊と東日本高速道路、NTTの3者が通信訓練を行い、部隊の通信中継所を開設する。
 東部方面隊は1都10県を担任し首都直下地震、東海地震対処で統合任務の基幹部隊となる。渡部総監は今回の協定締結について「災害発生時の初動を迅速かつ適切に実施するために、大変意義のあるものと考えている。今後、一層両社との連携を強化し、災害対処に万全を図る」と述べた。


森本敏新大臣略暦

 野田第2次改造内閣が発足し、防衛大臣に森本敏氏が就任した。略歴は次のとおり。
 森本敏(もりもと・さとし) 昭和16年3月生 防衛大学校(電気工学)卒業
 昭和40年3月航空自衛隊入隊、52年3月外務省出向(アメリカ局安全保障課)、54年8月航空自衛官退官(3空佐)
 同年外務省入省、在米日本国大使館1等書記官、情報調査局安全保障政策室長などを歴任、平成4年2月外務省退官
 同年野村総研主席研究員、7年慶應義塾大学・同大学院非常勤講師を兼任、9年中央大学・同大学院客員教授、11年政策研究大学院大学・聖心女子大学非常勤講師を兼任、12年拓殖大学国際学部教授、17年拓殖大学海外事情研究所所長兼同大学院教授、21年東洋大学客員教授、同年8月防衛大臣補佐官


別れを惜しむ雨の中で
医科歯科幹部候補生が卒業式

 陸自幹部候補生学校(学校長・田浦正人陸将補=前川原)に今年4月入校した第48期医科歯科幹部候補生課程46名がすべての教育を修了し5月25日、卒業式を迎えた。
 田浦学校長は「任務遂行している隊員たち全員を連れて帰るために、指揮官を補佐してほしい。誇りと感謝の念を持って、ひたむきに任務遂行に励んでもらいたい。そのためには『よく考えて、前へ!』の心構えが必要である」との餞の言葉を送った。 続いて陸幕長の訓示が代読され「陸上自衛隊の幹部自衛官としての使命を自覚せよ」「医官・歯科医官としての研鑽に努めよ」との要望があった。 
 2陸尉への任官式と記念会食が行われた後、卒業生たちは来賓、在校生、職員、家族の見守る中、音楽隊の演奏とともに駐屯地中央道を雨の中、堂々と行進し、学校を後にした。


空自浜松「クリーン作戦」参加
浜名湖で地元住民と

 空自浜松基地は6月3日、浜松・湖西両市の環境政策課など主催の第34回「浜名湖クリーン作戦」に地元自治会、ボランティア団体など約2万2000名とともに参加した。毎年、基地として参加している恒例の行事で、今年も基地幹部会と基地連合准曹会の会員、その家族約260名が湖岸に打ち上げられたゴミなどを拾い集めた。
 最初は袋がすぐに一杯になるゴミの多さに驚きながらも地域住民との交流を楽しみ、心地の良い時間を過ごした。指定された場所の広さから作業は3時間の予定だったが、参加者の数も多くスムーズに進行し1時間程で終了。
 回収したゴミは基地からの参加者が作業を行った地域だけでも可燃物、不燃物合わせて500袋を超え「クリーン作戦」全体では約66トンのゴミを回収した。浜松基地は8月の「佐鳴湖クリーン作戦」にも参加する予定。


在日米陸軍の記念式典で演奏を披露
31普連「武山自衛太鼓」

 第31普通科連隊「武山自衛太鼓」は6月9日、キャンプ座間で行われた在日米陸軍創立記念式典(アーミーボール)にゲスト出演し、和太鼓演奏を披露した。
 式典には在日米陸軍司令官ら多くの関係者が出席、陸上自衛隊からも君塚栄治陸幕長をはじめ陸幕監部の各部長夫妻が出席した。
 自衛隊太鼓チームの代表として式典に参加した武山自衛太鼓は、自衛太鼓特有の力強さと統制美あふれる3曲を演奏。終了後には大きな拍手が送られ、喝采に包まれた。


福島駐の修親会・曹友会
「エコキャップ運動」に協力

 福島駐屯地(司令・森脇良尚1陸佐)の修親会と曹友会は6月13日、読売グループ福島が平成21年から行っている「ふくしまエコキャップ運動」にペットボトルのキャップを寄託した。
 エコキャップ運動は団体や企業からペットボトルのキャップを収集して「NPO法人エコキャップ推進協会」に送り再資源化する。キャップ800個の売却益が1人分のワクチンになり、発展途上国などに届けられている。
 今回、福島駐屯地は平成22年から収集した約150人分のワクチンになる300キロ以上のペットボトルキャップを寄託した。


不屈の精神力で完遂!
1普連に新レンジャー17名誕生

 6月12日、最終想定訓練を終えた第1普通科連隊(連隊長・石井一将1陸佐)レンジャー訓練隊は板橋区荒川戸田緑地公園から練馬駐屯地までを徒歩行進した。都内市街地でのレンジャー訓練隊による徒歩行進は42年振り。沿道にいる手を振り応援している人たちの姿は目に入っただろうか。この行進が終われば栄光のレンンジャーき章が待っている。
 3月26日から開始された訓練、水路潜入・山地総合訓練や野外での想定訓練など過酷な訓練が毎日毎日続いていた。練馬駐屯地では、家族や隊員たちが出迎え、その後石井連隊長から一人一人にレンジャーき章が授与された。
 東京に所在する唯一の普通科連隊の第1師団第1普通科連隊は、東京23区を災害派遣を含めた防衛警備隊区としている。そのため今回はアスファルトの上を行進するという訓練が別途行われた。必要な識能と強靭な体力・不屈の精神力を養い任務を完遂した新レンジャー17名の顔は、充実感に溢れていた。


雪月花

 白熱電球の製造・販売を控えるようにと政府がメーカーや販売店に要請した。後継はLEDや電球型蛍光灯に託すということだ、昨今の節電対策の一環のようだ。白熱電球を日本で最初に商品化したのは東芝だが、「一番先に製造した東芝が一番先に製造を中止します」のコピー広告を出して世間を驚かせたのがたしか1年ほど前だったか。経産省、環境省によると白熱雷球とLEDを比較すると、価格はLEDが10倍だが寿命は40倍、消費電力は5対1、電気代は9分の1になる。2020年までにすべてLEDなどに切り替えるのだそうだ。筆者のような懐古人間には限りなく寂しい思いを持つ。馬小屋にぶら下がっていた裸電球、かすかに字が読めた便所(トイレとは言わない)の灯り。オレンジ色に近く温かみがあった。戦時中にはこの薄暗い電球にも黒い布切れで覆いをかぶせて敵機からの空襲を逃れたことも思い出す。今夏もかなりの電力が足りないとかで計画停電も視野に入れているようだが、あの当時には電気休みがあり週に1回24時間電気が止まった、毎週木曜日は夕食を早く済ませた。その頃は冷蔵庫もコンピュータもないからさほど問題もなかったのだろう。エネルギー、これからの最重要課題だ。〈悪いこと何かしたかと白熱球〉朝日川柳
(所谷)


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