防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年6月15日号
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寄せ書き
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日本一の小隊長に
第6戦車大隊(大和) 3陸尉 伊藤広樹

 私は大型特殊車両操縦訓練に参加していたため、今回の中隊検閲には夜間行進から参加しました。
 当日は特に視界が悪く、難しい天候でしたが、夜間行進は計画どおりSP(発進点)を通過、先頭の小隊長からの速度報告や中隊長からの坂道などの地形の通過に関する無線連絡がポイント毎に入り、整斉と予定経路を前進して予定時刻にRP(分進点)を通過することができました。
 正しく中隊長の企図や前進経路等を理解し、確実に指揮することが重要であることを認識し、私も戦車大隊の先頭車を任される小隊長になりたいと思いました。
 また、集結地においては、SOP(作戦行動基準)に基づき警戒員を配置し戦車の偽装を補備修正させることが重要であることを理解しました。
 指揮所活動においては、戦車中隊長、小銃小隊長及び特科大隊FO(前進観測者)が直接状況を報告するとともに情報を共有し、中隊長の企図・構想を砂盤・兵棋により徹底していることを把握しました。
 今回の中隊検閲を通して小隊長としてしっかりと中隊長の掌握下に入り、中隊長の命令・企図を理解し、確実に実施することが大事であることを強く認識し、「日本一の戦車小隊長」を目指して引続き尽力していきたいと思います。

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焼酎収集と私の夢
第43普通科連隊(都城) 2陸曹 武井健二

 私の趣味は焼酎の収集です。平成14年、中曹教育入隊時に同期から珍しい焼酎「村尾」をいただき、その味と瓶のラベルなどに、なぜか強く惹かれたことがきっかけです。当時は、まだ焼酎ブームが世間に広がる前でしたので低価格で購入した憶えがあります。
 帰隊してからは、暇をみつけては珍しい焼酎を販売している酒店などを知り合いや友達に聞き、都城某酒店に辿り着きました。
 その酒店には百数十種類の焼酎が置いてあり、その銘柄、種類の多さに圧倒され、3時間ほどその酒店に居座り、店の主人から焼酎に係わる様々なお話を聞くことができました。
 今後は日本を縦断し、様々な「幻の焼酎」を収集することが私の壮大な夢です。

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趣味は「息子観察」
第43普通科連隊(都城) 2陸曹 千代森裕司

 自分の趣味はトレイルランニング、自転車、ロッククライミングなど、基本はアウトドアスポーツですが、息子を観察することも趣味の一つです。今回はその息子の琥太郎について話をしたいと思います。
 琥太郎は1歳2ヵ月です。自分の意思で歩けるようになり、行動の幅が広がりました。最近ではアンパンマンにはまり、アンパンマンをみると激しく喜び、踊り出します。知恵がついたのかベッドの柵も軽々突破し、庭に脱出します。その際、犠牲になるのが愛犬あずきです。琥太郎は大好きなおせんべいを取られると大泣きしてあずきを困らせますが、あまり好きでないボーボロは、あずきに無理矢理食べさせています。
 日々成長する息子を観察するのは、ほかの趣味同様に夢中になれるものであり、今後も観察(監視)を続けていきたいと思います。

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職人さんに教わる
大津駐屯地業務隊 防衛技官 小西宏明

 ちょっと昔、まだバブル経済といわれていた時代、そのバブルがはじけるか、はじける前くらいの頃、私が入隊前に、ある職人さんに教えてもらった話です。
 「人間、仕事の能力は皆同じ。できる奴というのは段取りと道具を持っている奴や」
 20歳前後の私には、なんとなく意味が分かった感じでした。仕事に合った道具が揃っていれば、その仕事は早く終わり、早く帰路に着くことができる。また、次の仕事の準備をして現場に行ける。このような程度の理解でした。
 最近は部下の人数も増え、段取りも大事ですが道具って何だったのか、自分なりに考えたものが3つあります。
 1つは本当の道具「実働で必要な物」。
 2つ目は自分の中の道具「知識と経験」。
 3つ目は一緒に仕事をこなす道具「仲間」。
 この3つがあれば、どんな仕事も効率よく達成できる、困難も乗り越えられる、そんな気持ちでいま働いています。
 若かりし当時、私に教えてくれた言葉を受け売りで後輩や部下に話しながら、あの職人さんに感謝しています。

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コイントスで涙
第8普通科連隊(米子) 陸士長 木下裕也

 4月20日から25日までの間、駒沢オリンピック公園第2グランドで行われた全国自衛隊サッカー大会に出場しました。
 駐屯地サッカー部のCAMP米子としては、14年ぶりの出場で、大変気合の入る大会となりました。
 開会式では、昨年の東日本大震災により大きな被害を受けたチームの選手宣誓を聞き、改めてサッカーができる幸せと嬉しさを感じました。
 試合当日はチームの雰囲気も良く、目標の"1勝"が達成できると思いました。試合が始まり、序盤は相手チームに翻弄され、思うようなプレーができませんでしたが、時間が経つにつれCAMP米子のプレーができるようになり、先制点を奪うことができました。1対0で前半が終わり、後半戦もすぐに追加点を入れ、有利な試合展開となりましたが、相手チームに続けて2点を許して同点となり、そのまま試合終了の笛がなりました。大会のルールにより、コイントスで勝敗を決めることとなり、コインは相手チームに勝利を告げ、CAMP米子は予選リーグで敗れました。
 私はサッカーがとても好きなので本当に悔しくて、1試合でも多く試合がしたかったです。
 今回経験した全国大会の舞台と悔しさを胸に、もっともっと練習をして来年もこの大会に出場したいと思います。大会の出場に関し、支援、応援および勤務などの調整をしていただいた方々には本当に感謝しています。ありがとうございました。

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敵を意識した行動
第5高射特科群(八戸) 陸士長 鴻巣 愛

 今回の方面直轄部隊集中野営訓練におけるミッションは「敵を意識した行動」。
 隊員個々の「基本・基礎」の練度向上のため、近接戦闘を取り入れた訓練が行われた。「敵を意識した行動」とは戦闘間における銃の常時保持、周囲への警戒処置、敵を発見した際の射撃、武器が使えない時の格闘、化学攻撃を受けた際の対処、そして敵を捕獲した後の処置等があげられる。これらは、常に状況が変化する戦闘において、隊員1人1人が実施できなければならない動作である。
 しかし、これまでの訓練では、なかなかこのような意識が自分に染み付いてはいなかった。本訓練では、この意識を高める一環としてサバイバルゲーム形式の訓練が取り入れられ、これに参加することができた。
 訓練の実施要領は3人1組により、決められたコースを前進、常に銃をスタンドバイ(安全姿勢)状態を保持し、敵を見つけたならば状況に応じ射撃・格闘し敵を倒して行く。時には水風船を化学攻撃とし、時間内に防護マスクを装着する状況も作為された。今までの訓練に比べ、より敵を意識した形で、訓練といえども、隊員1人1人がどことなく鋭い眼差しに見えた。
 今回の訓練において、敵は正面ばかりではなく背後や物陰からと、「常に警戒を怠らない」ということを強く実感した。少しの油断で自分の命や大切な仲間を失うことになる。『油断は最大の敵』。部隊にとっても最大の損害を受けることを自覚させられた。中隊も訓練前に比べると隊員個々の戦闘・警戒に対する意識が格段に向上したと感じる。
 これからの任務は多種多様になっていくことも考えられるが、本訓練に参加し「基本・基礎」の重要性を改めて認識することができた。今後、訓練に参加する際も、仲間と自分自身を守るため、油断しないよう心に誓った。


「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
東京リビングサービス株式会社 市川孝芳
市川氏は平成17年10月、第4航空団整備補給群車両器材隊を空曹長で定年退職。60歳

 今回このコーナーを拝借し、3・11の東日本大震災及び原発関連の被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。また、防衛省・自衛隊の災害派遣活動に対しまして厚くお礼を申し上げます。
 私は東松島市に住んでいた3・11の被災者です。義母を巨大津波で亡くし、自宅は半壊の大きな被害を受けました。郷土の沿岸地は生活区域外となり今後の宅地問題、インフラ及び企業参入の計画等々を考えた時、現在に至っても気持ちの整理ができません。
 千年に一度と言われる大災害に対して、国を挙げての復興活動は元より海外からの協力もありました。その中でも、とりわけ防衛省・自衛隊の「勇猛果敢」な行動・姿勢はメディアを通し国内外の知るところとなりました。国民の自衛隊に対する期待はさらに高まっています。なお一層のご活躍をお祈りいたします。
 さて、私は平成17年10月に航空自衛隊松島基地を最後に定年退職しました。在職中は車両整備員として松島基地、恩名分屯基地(沖縄)、防府南基地、入間基地で勤務しました。
 各基地の主要任務に即した装備品の維持管理を、卓越した上司の下で35年余を全うすることができました。この間、多くの人と巡り合い、専門職からの知識・技能の習得などで成長することができました。
 平成17年4月、空幕人事教育部を通じて府中基地援護班のお世話により、早期に東京都港区にあるサービス業の会社から契約社員として採用内定通知書をいただきました。現在は夫婦ともに住込みで、杉並区にある寮の管理人業務を任されています。
 当寮(富士見ヶ丘寮)は東電独単身寮で収容者57名、常務者は管理人と調理人です。16時間拘束のうち実働7時間勤務体制となっています。拘束時間に難をお感じと思いますが、これが意外で、この職の大きな喜びは天候に左右されないことと、屋内での趣味を並行しつつ仕事ができることなので、苦にはなりません。
 管理人業務のポイントは、お客様(寮生)に対し自分を優先させないことだと思います。押し付けない、お客様に結論を出していただく、ということです。
 サービス業を選択したのは、定年10年前の能力開発訓練の時からの決めごとの一つでした。夫婦一緒にできる仕事で特殊能力が不要なもの…と考えました。
 仮に、採用の可能性を高めるとなると「即戦力」「発想力」を求められ、「金銭に関わる業務」に携わる必要が出てくると推測、いずれか一つでも該当した場合、また責任の重いものは希望しない…以上が私達夫婦の答えでした。
 退職予定隊員の皆さんへメッセージを、とのことですが、恐れ多いことです。そこで私が常に心掛けていることを紹介しますと(1)ガッツ・マンである(2)感謝と奉仕の気持ちを持ち続ける、この2つです。
 防衛省・自衛隊の職務、職責から培った使命感は隊員の皆様方の第2の人生を希望に満ちたものにします。自信をお持ちください。


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