防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年3月1日号
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雪像"がんばろう東北"製作
「十和田湖冬物語」を支援
八戸

 青森の"雪の祭典"「十和田湖冬物語2012」が2月3日に開幕した。このイベントのメイン雪像「がんばろう東北」は第5高射特科群(=八戸)の世増康太3陸尉ら雪像制作協力隊33名が制作、オープニングセレモニーで紹介された。隊員たちは1月中旬から極寒の中で約1ヶ月間、東北の復興に熱い想いを込めて制作に邁進した。
 制作隊の隊員紹介のあと、八戸駐屯地司令・水落嘉彦1陸佐と第5高射特科群長・新宅正章1陸佐が、十和田市長らとともに「メイン雪像点灯式」に参加。点灯された電飾は幻想的な世界を浮かび上がらせ、また夜空に彩りを添える冬花火も打ち上げられるなど、観客を魅了した。


子供たちの笑顔見たくて頑張る
滝川 10普連

 第10普通科連隊(連隊長・原田一郎1陸佐=滝川)の隊区の新十津川町で1月29日、第21回「しんとつかわ雪まつり」が開催された。10普連は昨年の12月初旬から約1ヶ月半、このイベントを支援し、ジャンボ滑り台をはじめメインステージなどを制作した。
 オープニングセレモニーでは、メインステージとジャンボ滑り台(高さ10m・幅8m・長さ30m)、ミニ滑り台(高さ2m・幅5m・長さ7m)が原田連隊長から雪まつり実行委員長へ引き渡された。
 子供たちは我先にと滑り台に集まり、歓声をあげながら滑り降りた。
 この日の来場者は6000人を超え(新十津川町の人口は約7000人)、支援した隊員たちが作業の苦労を忘れるほどの大盛況となった。


男女チームでお針競技参加
防府南基地

 2月5日、防府天満宮参集殿で行われた「お針競技」に、航空教育隊に在籍する隊員6名でそれぞれ構成された空自防府南基地(司令・高橋芳彦1空佐)のAチーム(女性隊員)、同Bチーム(男性隊員)が参加した。
 この競技は江戸時代から始められた針供養の風習を後世に伝えようと、毎年開催される「防府お針祭り」の一環として行われたもので、防府お針祭り実行委員会が主催したもの。競技はいずれの参加チームも6人1組のリレー形式で、一人当たり2分の持ち時間の中でそれぞれルールに則って2枚の布巾を縫い進めていき、完成品を防府天満宮に奉納するという内容。
 防府南基地の両チームは「日頃疎遠にしている針に十分感謝と愛情を込めて触れ、楽しみながら伸び伸びと行ってください」という競技の趣旨に沿って、使い慣れていない針と格闘しつつも、それぞれが持ち時間の中で精一杯に手を動かした。
 競技の結果、女性チームは「毛利の教えを守りま賞」を、男性チームは「昇り竜の勢いに期待しています賞」をそれぞれ受賞した。


東方初の女性指導官が誕生
2普連担任のスキー訓練で認定
渡部総監が視察

 第2普通科連隊(連隊長・宮崎洋治1陸佐=高田)は1月11日から2月10日の間、関山演習場と周辺スキー場で平成23年度「部隊スキー指導官練成・養成訓練」を担任した。
 この訓練は部隊スキー指導官資格該当者に対して練成訓練を行い、必要な識能の練度向上を図るとともに、部隊スキー指導官の資格を取得させることが目的。
 1月16日から27日の間、第1次と2次の訓練として斜面技術、指導法と検定法の練度の確認を行い、また冬期戦技教育隊研究室によるスキー3型を使用した研修などで練度の向上を図った。この間16、17日に東部方面総監・渡部悦和陸将が視察に訪れ、参加者を激励した。
 1月30日から2月10日までの間は養成訓練と認定試験。東部方面隊初の女性(三浦礼子3陸曹)を含む23名の隊員が新たに部隊スキー指導官としての資格を取得した。
 宮崎連隊長は「合格した隊員は部隊のスキー練度向上のため、自信を持って指導にあたるとともに今後も自己の技術向上に努めてもらいたい。また不合格になった隊員はその要因をよく分析した上で練成を重ね、来年度以降再び挑戦することを期待する」と訓示して訓練を終えた。


地元マラソン大会「しじみ汁」で支援
第304施設隊(出雲)

 第304施設隊(=出雲駐屯地、司令・岡本宗典2陸佐)は2月11日、市など主催の「出雲くにびきマラソン大会」を支援、自衛隊の真摯な姿を広報した。
 野村晃1陸曹ら6名の隊員が真心を込めて、しじみ汁1600食を調理し出場選手などに配食。
 寒さが厳しい中、大量の調理、配食で大変な任務だったが、野村1曹は「選手たちから『おいしかったよ』と言われ、疲れを忘れて気持ち良く支援ができた」と話した。
 また大会実行委員会の要請で、賀須井浩之准陸尉ら7名がボランティアとして、視覚障害者が安心して走れるよう伴走支援を行い、無事目的を果たした。


福祉プロジェクトで活動
NPO法人副理事長・防衛事務官 湯下冨美子

 私は航空自衛隊幹部候補生学校(奈良基地)に勤務しながらNPO法人「総合福祉プロジェクトかかし」で活動している防衛事務官です。
 NPO法人かかしは主に福祉関係者の方々と連携して、高齢者の方のケアハウスへの引っ越しとその際の不用品処分、障害者の方の施設への引っ越し、遺品整理といった事業を行っています。
 また、ひとり親の家庭、生活保護受給者、DV被害者といった生活が困難な方に対して各種相談に乗り、対応する行政の窓口を探し、手続きに付き添ったりしています。このほか、障害者の方の就労に協力いただける企業を探すなど、様々な活動をしています。
 阪神大震災、東日本大震災の時は、災害ボランティアとして、傾いた家の引き戻し及び固定作業、撤去が必要な家の解体作業、緊急支援物資の輸送などを行い、被災者の方々に喜ばれました。
 現在は災害ボランティアとして参加するだけではなく、奈良県内において軽度の知的障害者の方を取り込んで自然災害復旧支援チームを組み、行政と手を結び障害者の就労支援として事業化しようと取り組んでいます。もし実現すれば、地域貢献できる素晴らしい事業になると思います。
 ぜひとも、この取り組みを皆さんに知っていただきたく思います。


伝統行事で米軍と交流
入間基地准曹会幹事 1空尉 樺嶋隆弘

 入間基地准曹会は役員有志を中心に入間管制群本部の協力を受け、在日米空軍横田基地第374作戦支援中隊と日米下士官交流の一環として、日本の伝統文化である門松の製作及び餅つき行事を横田基地内において実施した。

〈門松製作〉
 昨年12月16日、横田基地内での門松製作当日は、基地准曹会から役員7名が参加した。門松製作の経験がある基地准曹会幹事が、門松や使用する花材それぞれの意味や由来を説明し、実技指導した。
 竹の切り方、門松の左右の微妙なバランスなどに注意し、管制群本部隊員の通訳支援を受けながらの作業となり、参加者一人ひとりが言葉の壁を乗越え共に協力し合った結果、日米合同製作により高さ約170センチの見事な門松が完成した。
 この門松に使用した花材は入間基地航友会会員の方から提供して頂き、基地准曹会の有志で門松に使用できる松、竹、梅、南天の見極め及び切出しに奮闘し確保した。
 我々は「来年の年神様をお迎えする依代(よりしろ)となる門松を自分達で製作した」という大きな感動を米軍側隊員と共に共有できたこと、また協同で製作した門松を目にした多くの米軍人及びその家族の方々に、大きな感動を提供できたことの喜びを噛み締めた。
 横田基地の皆様の今後の幸せを願うとともに、微力ながら日米の今後更なる友好への架け橋となることができたと感じた。米軍のウイリアム上級曹長から「更なる親善となる行事を一緒に実施しましょう」と提案があり、年明けの日米友好の餅つき行事の開催となった。

〈餅つき〉
 1月9日、成人の日の餅つき行事当日は天候にも恵まれ、日本側は基地准曹会有志及び家族など老若男女約40人が参加。米軍側は家族を含む大多数の参加となり、日本側がもてなすスタイルでの行事となった。
 特に印象深かったのは、米軍側が初めて体験する日本の伝統文化の餅つきを、日本側が言葉は通じなくても力加減までも身振り手振りで一生懸命伝え、米軍側全員に体験して頂いたことと、日本の食文化の一部紹介も兼ねて基地准曹会の男達が一生懸命作った、たこ焼き、焼きそば、お好み焼き、豚汁を振舞い、日本側の婦人達や子供達までも片言の英語で一生懸命にコミュニケーションをして、いま自分たちにできる最大限の日米親睦を行ったことである。
 行事の最後に、同部隊長のスタウワーズ大尉は「このたびの友好の門松や餅つき行事に私達は大変感謝しています。これからも我が部隊との友好を深めて頂きたい。また我が部隊を通じて入間基地と横田基地、更には日本とアメリカの友好へと発展することを願います。必要であれば私にできる精一杯の尽力をしますので今後とも、よろしくお願いします」と締めくくられた。
 我々基地准曹会一同はスタウワーズ隊長はじめ、これらの行事に参加して頂いたアメリカ人の方々に最近の日本人が忘れかけている日本人の心ともいうべき「義理・人情」を感じ、より親近感を覚えた。
 後日、横田基地内で勤務している入間管制群本部の梅野曹長から「基地准曹会の活動のおかげで、横田基地内で勤務する管制群本部の隊員と米軍との人間関係の構築が、更に深まった」とのコメントを受けた。
 本活動は大成功のうちに幕を閉じた。


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