ハイチ派遣国際救援隊第5次要員(隊長・橋本功一1陸佐)は、ハイチ共和国での復興支援活動を開始して約1カ月が経過し、MINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)司令部からの要請に基づき、様々な復興支援活動を実施している。最近では、WFP(世界食糧計画)敷地造成作業、首都ポルトープランス市内の道路改善作業(Friendly Hands Operation)などを実施した。
WFP敷地造成作業 8月1日〜9月21日
WFPの貯蔵能力向上のため、倉庫建設準備場所の敷地造成作業を第4次要員から引き継いで、第5次要員で完成させ、引き渡しを行った。
現場指揮官の渕竜一2陸尉は、「移動経路や現場にでは、子供達が笑顔で手を振ってくれたり、現地住民が笑顔で挨拶を交わしてくれたり、感謝の言葉を聞くことができます。また、『東日本の震災は大丈夫なのか?』と心配の声さえ聞くことができます。出国前に参加した東日本大震災の災害派遣時、被災地の方々から『頑張ってください』という温かい言葉をかけて頂いたことを、日々の活動の中で思い出しています」と活動間の感想を語っている。
引き渡しを終え、その仕上がりを見たWFPの担当者から、固い握手とともに感謝の言葉があったという。また、作業間は、ヨルダン軍による警備支援を受けつつ、任務を実施した。MINUSTAH参加各国とは、警備支援を受けているほか、作業支援などで共同作業を実施しており、お互いに連携して任務を遂行している。
ポルトープランス市内道路改善作業 9月19日〜23日
この任務は、交通量が多いポルトープランス市内の幹線道にもかかわらず、土砂が道路脇の歩道を閉塞しているため、土砂を除去・運搬して市民のスムーズな交通促進を図るもので「Friendly Hands Operation」と名付けられ実施された。
日本隊は、早朝から活動を開始するハイチの住民及び現場の交通事情を考慮して朝5時から行動開始。現場に赴きバケットローダー、油圧ショベル、ダンプトラックを使用して約450立法メートル繧フ土砂を除去した。
作業間には、地元ラジオ局が「日本隊がハイチのために頑張ってくれている」「空港前の道路を綺麗にしてくれて感謝している」など、感謝の放送があり、また、スムーズに通行ができるようになった市民から「Good job!」やクレオール語で「Mesi!(ありがとう!)」と声が掛かり、任務に従事した隊員は、やりがいと充実感を覚えるとともに、次の任務に向けて力をもらっていた。
現地の隊員は、「各種任務を通じて、我々日本隊の丁寧な作業は、ハイチ国民の皆さんから良い評価を頂いていると実感しています。依然としてハイチ国内には、倒壊した建物が残っており、その解体工事の要請もあります。こうした中、施設解体や瓦礫の除去といった復興支援において、『日本人らしく・自衛官らしく』、『相互に信頼し、助け合い、感謝して』『健康に留意し、安全確実に行動する』ことを合言葉に、ハイチの人々の目線に立った丁寧な仕事に心がけています。時に、摂氏40度を超える酷暑の中、ハイチの皆さんの早期の生活の回復を願って、今後も汗を流し、声を出し、知恵を絞って復興支援に当たっていきます」と感想を寄せている。 |