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自衛隊ニュース   2011年10月15日号
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清田団長が訓練検閲
1ヘリ団
本管中、野整備両隊の練度高める

 第1ヘリコプター団(団長・清田安志陸将補)は、9月6日から10日までの間、相馬ヶ原演習場で本部管理中隊(隊長・砂川佳一3陸佐)と第1ヘリコプター野整備隊(隊長・高田昌嗣2陸佐)に対する訓練検閲を実施した。
 今回の各訓練検閲は、年度当初、6月に予定されていたが、3月の東日本大震災発生に伴い、第1ヘリコプター団は、災統合任務部隊の支援及び福島第一原子力発電所の原子力災害派遣に対応していたため、実施が延期されていた。なお、現地での派遣活動は、7月22日をもって終了し、現在は、木更津駐屯地で原子力発電所における不測事態対応の待機任務を継続している。
 今年4月に着任した清田団長は、「任務を達成せよ」「常に敵を意識せよ」「命令の厳守及び規律の維持」「安全管理を徹底せよ」の4点を要望し、本部管理中隊と第1ヘリコプター野整備隊の訓練練度を確認した。
 本部管理中隊は、団本部機能を支え、駐屯地消防の任務を担う部隊で、今回の検閲においては、人員54名、車両13両をもって、隊長要望事項「考えて行動せよ」のもと、野外における各種状況の中、団本部の警戒及び団本部機能の維持運営に努めた。
 第1ヘリコプター野整備隊は、第1ヘリコプター団所属の各飛行部隊が保有する航空機のエンジンや大型ギアボックス等の整備や交換を担任する整備のスペシャリスト集団で、この検閲においては人員115名、車両27両をもって、隊長要望事項「飛行隊の要求に即応した補給整備の実施」「敵を意識した行動」「安全の確保」に添って臨み、航空機被弾等の各種状況に対して素早く対応し野外整備業務を確実に実施した。
 航空機の可動機確保のため野外においても普段と変わることなく整斉と整備作業を実施し、航空機の整備復旧に努めた。


ロンドン五輪 期待の星
オリンピックへカウントダウン
レスリング世界選手権大会
小原 金メダル 米満 銀メダル 齊藤 銅メダル
体育学校

〈シリーズ21〉
 9月12〜18日の間、トルコ・イスタンブールで開催されたレスリング2011年世界選手権大会において、女子48キロ級に出場した小原日登美1陸尉が優勝(金メダル)、男子フリースタイル66キロ級に出場した米満達弘3陸尉が準優勝(銀メダル)、女子59キロ級に出場した齊藤貴子2陸曹が3位(銅メダル)の成果を獲得した。
 小原は、取り組んでいた相撲トレーニングと体幹トレーニングの成果が実り、本世界選手権ではディフェンスが強化され、受けが強くなった。また、以前から定評のあったタックルにパワーとテクニックの調和がとれた攻撃力が加わるとともに、課題であった「低空からの高速タックル」に対するディフェンスもかなり向上している。小原の夢であったオリンピックでの金メダルを実力的にも確信させるレスリングを見せた。
 米満は初戦2回戦から準決勝までピリオド数2対0で第3ピリオドを踏まずに勝ち上がった。今年は怪我によリ本格的なレスリングの練習から外れることも多かった反面、体幹トレーニングを行うなど、総合力をどん欲にアップした成果が随所にあふれていた。世界2位になった今、オリンピックでは更に米満を研究して来ることは明らかだ。勝つためには一つ、常に自分のレスリングを進化させていくしかない。レスリングの申し子と呼ばれる米満には、それはいばらの道ではなく、自己探求の道だ。
 齊藤も、体育学校入隊以来コツコツと積み上げてきたレスリングに、入隊以前培っていた柔道を上手く絡めて、良い戦い方をした。今のスタイルが完成していけば、キッズ出身者が多数を占める日本の59キロ級では群を抜く存在になるだろう。オリンピック階級ではないが、齊藤の努力を評価すべきといえる。
 そして、この世界選手権の結果はロンドンオリンピックにつながる。小原はこの優勝により、後は今年12月の全日本選手権もしくは来年行われる全日本選抜選手権のどちらかで優勝すれば、オリンピック日本代表に内定。米満は全日本選手権で優勝すれば内定、優勝を逃した場合、3月20日に出場6選手によるオリンピック・トライアルが行われ、そこで優勝すれば内定。そこで優勝できなければ、米満と全日本優勝者、トライアル優勝者の3選手でプレーオフを行い、そこで勝てば内定、絶対的に有利な条件を得たことになる。とはいえ、小原にしろ、米満にしろ、国内ではずば抜けた存在であり、怪我やコンディションの不備がなければ、間違いなく12月の全日本選手権で優勝し、オリンピック代表に内定されるであろう。齊藤はオリンピック種目ではないが、自分の階級である59キロ級で世界一を目指して努力を続けることになる。


雪月花

 超円高に輸出企業は悲鳴をあげている。為替レート、つい先ごろまでは1ドルで輸出すれば100円がもらえたがいまは同じ1ドルでも77円しか入らない。日本で製造し海外で売る従来のやり方に転換期がおとずれている。さきごろ、韓国・羅州市の市長さんたちが日本企業の同市への誘致に来た。新宿のホテルで行われた説明会には約30社のトップが出席していた。1年前には1万円が9万ウォンだったが今は1万円で15万ウォンを手にすることができる、だれも予想しなかった円高ウォン安だ。この機会に羅州市に進出しませんかということだ。韓国は相手国が輸入する時に関税をゼロにしてもらうFTA(自由貿易協定)をインドやヨーロッパ各国、シンガポール等と結んでおりEUや米国との批准も近い。逆に韓国に輸入する時も適用するので2国間の税金が抑えられる。進出した日本企業にも適用されるから日本で輸出するよりも結果的には安くできる。さらに日本で不安を抱える電気代も約3分の1という、人件費も高くなったとはいえまだまだ日本の比ではない。進出企業の法人税、所得税は7年間ゼロ、従業員の施設費や生活面でも優遇されている。参加者の関心は高く沢山の質問で説明会は活況を呈した。こんな状況下で今年に入って東レや住友化学、三菱化学など大手企業もすでに韓国へ進出したり意向を示している。これが続けば日本の産業は空洞化する、企業が日本に存在しなくなる。そんなことになる前に手段を講じなければならない。外国からの攻勢はますます強くなっている。(所谷)


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