防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年10月1日号
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沖基で"ちびヤン"大会開催
15旅団、沖縄地本、米海軍も支援

 沖縄基地隊(司令・伊東雅之1海佐)は7月31日、夏の恒例行事である「ちびっ子ヤング大会」を実施した。当日は、ぬけるような青空の中、米海軍の協力のもと、ホワイトビーチ米海軍施設の一部を開放して実施するなど、昨年を上回る1000名以上の入場者があり、会場は子供たちの元気な声で満ち溢れていた。
 第46掃海隊「あおしま」「くろしま」による体験航海及び一般公開では、大勢の家族連れが乗艇し、掃海艇の装備や艇内を興味津々といった眼差しで見学をしつつ、日頃は陸側からしか見ることのないコーラルブルーの中城湾を、心地よい潮風を受けながらの体験航海に乗艇者は皆、満足していた。また、沖縄水中処分隊の処分艇等を使ったボートクルージングは、開場直後から乗船待ちの列をつくるほど大好評で、多くの子供たちは水しぶきを浴びながら疾走するボートに歓声を上げながら楽しんでいた。
 そのほかにも、陸上自衛隊第15旅団の支援を得ての特殊車両等の展示、自衛隊沖縄地方協力本部による広報活動、米海軍福利厚生部の協力による遊具や売店出店など、例年とは違った趣向に来場者からは「来年もまたぜひ来たいです」などの声があがり、終始、明るく楽しいイベントの一日だった。


公務(通勤)災害を受けられた方々へ
職業能力開発センター57期生の希望調査を開始
中央病院

 部隊における訓練中の災害や通勤途中に災害に遭遇し、疾病等が治癒した後もなお身体に障害が残り、職務遂行能力に支障をきたした場合、じ後の勤務や退職後に役立つ何らかの職業技能を持つことができればと考えられるのは当然のことではないでしょうか。このような境遇に陥られた隊員の方々(障害等級に該当する隊員)に対し、国家公務員災害補償法に基づき防衛大臣の承認を得て、円滑な部隊復帰及び社会復帰の促進に寄与することを目的として、身体的機能・労働能力回復のための更生指導を行うために昭和31年に設置された部内機関が自衛隊中央病院職業能力開発センター(旧職能補導所)です。
 職業能力開発センターでは、公務(通勤)災害を受けられた方々に対し、平成24年度の入所希望調査を10月末まで行っています。平成21年度より新しい建物となり、車イス利用隊員や女性隊員の入所にも対応したバス・トイレ付の居室もできました。
 入所可能人員は20名、期間は平成24年3月下旬〜平成25年3月上旬の1年間(6カ月コースも有り)、所属は自衛隊中央病院付となります。入所資格及び職業能力開発センターの業務につきましては、パンフレット及び自衛隊中央病院ホームページの職業能力開発センターをご覧ください。現在実施している科目は、プログラム開発科、情報システム科、木工科、建築設計科、機械設計科、一般事務科(一般事務科のみ6カ月コースも有り)です。
 (※海上・航空自衛隊につきましては、部隊の相談窓口か又は直接自衛隊中央病院職業能力開発センター(8—61—6313)にお問い合せ下さい。)
 なお、陸海空自衛隊の部隊における相談窓口は、陸:駐屯地業務隊(賠償・補償担当)、海:基地業務隊(厚生担当)、空:基地業務担当部隊(厚生担当)です。


平家踊りに参加
市民と触れ合う
下関基地隊

 下関基地隊(司令・向井一馬1海佐)は8月21日、第34回「馬関まつり」平家踊総踊りに参加した。
 この祭りは毎年40万人以上が参加する下関市の最後の夏祭りで、基地隊は下関市民との交流を深め、あわせて、隊員相互の融和団結を図ることを目的として参加しているもので、今年で14回目の参加となった。
 基地隊隊員が参加した「平家踊り」は、平家終焉の地である下関地方に伝えられる平家一門の供養踊りに端を発したと言われている。踊りは「平家太鼓」と呼ばれる独特の演奏で、太鼓と空樽、「ニ上がり」の三味線伴奏に軽妙でありながらも哀愁を帯びた節回しの「口説き」が入るもので、テンポの速い独特のリズムの太鼓、奇数拍子を基にした勇壮な打ち方は、全国に類を見ないものとして人気を博している。地方公共団体、企業、小・中・高等学校、各自治会などが参加し、市を挙げて保存、育成に努めている。
 この日は、中心市街地の国道9号線を歩行者天国として「細江大通りステージ」が特設され、細江大通りの両側は多くの観衆で埋まり、向井司令以下27名の下関基地隊員、小月教育航空群先任伍長以下38名の航空学生らで構成された計65名の下関・小月合同チームは開始を待った。
 午後7時、太鼓と三味線の伴奏で「平家踊り音頭」の唄に合わせ、参加者は一斉に踊り始めた。下関・小月合同チームも会場のアナウンスに紹介され、ちょうちんを先頭に隊列を整え、約1時間20分にわたり、太鼓と三味線の伴奏による「口説き」にあわせて元気よく踊り続けた。会場には、飛び入りコーナーも設けられ、祭り好きの市民が大勢参加して祭りを盛り上げていた。
 フィナーレの午後8時20分には、3団体が団体賞として表彰され、万歳三唱で散会した。
 基地隊では来年も積極的に踊りに参加したいとしている。


新入社員5人が体験入隊
館山航空基地

 海上自衛隊館山航空基地第21航空群(群司令・山本敏弘海将補)では、8月3日から5日までの3日間、明電プラントシステムズ(株)の新入社員5人に対する体験入隊を実施した。
 初日の基本教練では、館山航空基地隊の警衛隊員が見本を示した後、体験入隊車に実施させた。最初は声が小さく姿勢や動作が緩慢だったが、訓練を重ねるにつれ徐々に改善され、大きな声で節度ある動作が取れるようになった。また、行進や駆け足の訓練においても、5人とも元気に声を張り上げ、歩調を合わせた。このような集団での訓練は、普段行う機会はないとのことだったが、5人とも信頼、協力といった集団生活において重要なものを各自実感していた。
 2日目は午前に隊内見学、結索訓練を行い、午後に火災消火法、体育を行った。隊内見学では、普段間近に見る機会のないヘリコプターに興味津々だった。結索訓練では、うまく索を結えるようになると、自然に笑顔がこぼれていた。火災消火法では、地上救難班員による説明の後、火災発生時の初期消火要領や消火栓の使用、防火に使用する防護服の着用の訓練を実施した。体育では、地上救難班員と一緒に防護服を着用してランニングを行った。その後、体験入隊者と地上救難班員でサッカーを行い、懇親を図った。
 最終日に、基地在隊員による見送りが行われ、体験入隊者は、初日と比べると別人のように引き締まった表情で、館山航空基地を後にした。


自衛隊サポーターズ
瞳の奥には芯の強さがある 大串充智余
尊い気持ちに心を打たれて

 長崎市在住の大串充智余さんは3年前から本格的に自衛隊について学び始めた。以前から旧軍に深い関心を持ち、各地の旧軍の資料館を巡る目的で自衛隊の駐屯地や基地に足を運ぶうちに、現代の防人である「自衛隊をもっと知りたい」と思ったことがきっかけだった。自衛隊には、「自らを顧ずに大切なものを守ろうという信念が脈々と受け継がれている」という。
 —自衛隊ファンになった経緯を教えてください。
 大串 昔は戦争や軍事に対して目を伏せ耳を塞いでいました。長崎という土地柄、子どもの頃から戦争について否が応でも学ぶ機会は多かったのですが、そのせいで寧ろ戦争を意識的に遠ざけようとしていました。
 気持ちが変化したのは20代になってからです。特攻隊のことを知ったことがきっかけです。特攻隊員の方が当時、親兄弟、恋人にあてた手紙などを目にして、「自分を犠牲にしても誰かを守りたい」という尊い気持ちに心を打たれました。
 まず最初に、特攻隊の資料館が鹿児島県の知覧にあると知り、足を運びました。その後、当時の資料を求めて鹿屋や入間、江田島の資料館に足繁く通ううちに、資料館のある駐屯地・基地などで自衛隊を身近に感じるようになりました。特攻隊の真実を知ったとき、今の日本人とはかけ離れた崇高な精神に感動しましたが、自衛隊の活動内容を深く学ぶにつれて、何かを守る、誰かを守るという一点において、当時も今もその思いは同じなのだと感じました。
 以後、駐屯地や基地の一般公開イベントをはじめ体験航海や、海外派遣の壮行会などにも積極的に参加するようになり、自衛官の知人・友人も増えてますます「応援しなくては!」という気持ちが高まっています。
 —自衛隊を応援するようになってから印象に残っているエピソードはありますか?
 大串 イベント関連だと海上自衛隊の展示訓練でイージス艦「こんごう」に乗艦できたこと。初めての体験ばかりで驚きの連続でした。陸上自衛隊の相浦駐屯地祭では、装備品のバイクの素晴らしいハンドルさばきに目が釘付けになりました。築城の航空祭で戦闘機を間近に見て、女ながらに"血が騒ぐ"という感覚を味わいました。
 —最後にメッセージをお願いします。
 大串 自衛隊に関心を持つようになってたくさんの隊員の方々と知り合うことができました。笑顔や物腰はやわらかく、けれども、その瞳の奥には芯の強さを感じます。隊員お一人おひとりが日本という国を背負い、私達国民の安全な暮らしを守るために日々厳しい訓練に耐え、頑張ってくださっていることに頭が下がります。私自身が実質的に携わることができない分、これからも自衛隊の皆さんを応援していきます。


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