防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年8月1日号
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東日本大震災災派部隊を労う
北部方面隊
千歳市、鹿追町など慰労会開催
地域との絆深める

 北部方面隊は、東日本大震災に伴う災害派遣では、約1万2000人の隊員が『被災者のために』を合言葉に、黙々とかつ愚直に、行方不明捜索、生活支援、瓦礫の除去、更に原子力災害対処任務に邁進してきた中で、現地の自衛隊に対するニーズの減少に伴い、任務を完遂した部隊が逐次に原所属復帰した。原子力災害対処任務にあたっている部隊は現在も支援活動を継続している。
 それに対し、派遣自衛隊に感謝するとともに隊員及び留守を守った家族の労をねぎらう行事が道内各地で開かれている。
 千歳市では、6月26日及び7月9日の2回に分けて「派遣自衛隊に感謝する市民の集い(千歳市主催)」が開かれた。第1回は、北千歳駐屯地に所在する部隊、第1高射特科団、第1電子隊、空自千歳基地等の隊員及びその家族を含み約1300名の市民が、第2回は、第7師団等の隊員及びその家族を含み約1900名の市民が参加した。集いは、開会式、玉入れ、綱引き、ふれあい会食、音楽隊による演奏が実施され、この間、災害派遣活動状況写真展示及び隊員による災害派遣活動状況の紹介が行われたほか、子供向けのアトラクションも開催された。
 開会式では実行委員長の山口幸太郎千歳市長が「皆さんが過酷な活動を立派に成し遂げたことは、国民、千歳市民の誇りです。きょうは家族の皆さんと一緒に楽しんでください」と挨拶した。また、岩田清文第7師団長が「我々が任務を完遂し無事帰隊できたのも、留守を守った家族の方々の支えがあってのことであり、その家族を地域全体、市全体で包み込んで助けて頂いた千歳市のおかげだと思っています。このように家族を含めての会は他に例がなく、まさに千歳市が自衛隊と地域の関係において日本一の証左であると思っています。この会を機に、更に千歳市と自衛隊との絆が更に強固になることを祈念します」と感謝の言葉を述べた。
 第1回・第2回とも天候にも恵まれ、参加した隊員及びその家族は、協賛団体の方々が準備した焼きそば、豚汁、ジンギスカンなどに舌鼓を打ち、家族との時間を楽しく過ごした。
 このほか、第5旅団管内の鹿追町においては、「東日本大震災災害派遣の労をねぎらう会」(鹿追町自衛隊協力会主催)が開かれ、隊員及び留守を守った家族の方々約120名と一般来場者を含め約230名が集い、盛大に行われた。
 また、倶知安駐屯地災害派遣慰労会、第2師団及び旭川駐屯地東北復興記念行事が予定されているほか、恵庭市及び真駒内駐屯地においても計画中。
 地域と自衛隊との絆は固い。


体育学校
女子チームが初優勝
〈全日本実業柔道団体対抗大会〉
快挙を讃え、盛大に祝勝会

 7月18日、全国自衛隊柔道連盟(会長・中江公人防衛事務次官)は、自衛隊体育学校が「第61回全日本実業柔道団体対抗大会」の女子1部で初優勝したことを受けて祝勝会を催し、体育学校の選手・監督ほか、首都圏の自衛隊柔道関係者ら有志計50名が参加した。
  自衛隊体育学校は、5月28日、愛媛県武道館で開催された同大会で、世界選手権メダリストを擁する強豪コマツ及び三井住友海上とのリーグ戦を全チームが1勝1敗という接戦のなかで、内容差でコマツの5連覇を阻み、初優勝した。
 中江会長は、この日、なでしこジャパンがサッカー・ワールドカップで初優勝し、日本中が湧き上がっていたことに触れ、「大変なことだとは思うが、なでしこジャパンに続いてこれからもどんどん活躍していって欲しい」と讃えた。
 監督の酒井英幸3佐は、「薄氷を踏むような勝利で、一人一人の最後まで勝負をあきらめない気持ちがつながって好結果をもたらした」と喜びを語った。
 8月23〜28日、パリ世界柔道選手権代表で、前日スペインでの強化合宿から帰国したばかりで参加した國原頼子3尉、池田ひとみ3尉らには、防衛大学校柔道部OBでつくる小原台柔道(会長・火箱芳文陸上幕僚長)から激励金が手渡され、國原選手は「パリでは、日の丸を一番高いところに掲げる」と力強く意気込みを語った。


窃盗犯を捕える
高久3佐に善行賞

 陸上自衛隊中央即応集団司令部(司令官・宮島俊信陸将、朝霞)勤務の高久直広3陸佐(36)は、このたび窃盗犯(賽銭泥棒)を取り押さえたとして朝霞駐屯地司令(山下裕貴陸将補)から善行褒賞を受けた。
 高久3佐は今年6月3日朝、朝霞市内の宮戸神社前を帰宅途中、同神社境内の賽銭箱に覆いかぶさるような人影を発見。声掛けをしたところ、賽銭箱の中から金銭を窃取していることを確認したため、被疑者を取り押さえ落ち着かせた後に諭して、警察に通報、被疑者は駆けつけた朝霞署の警察官に逮捕された。後日、同神社の宮司から感謝の挨拶があった。
 高久3佐は「社会の一員として、お役に立ててうれしい。これからも地域のために尽力したい」と語った。


東日本大震災
災派部隊に激励品

—市ヶ谷自衛隊友の会—

 6月28日、市ヶ谷駐屯地、基地に対する地元新宿区民による協力会である市ヶ谷自衛隊友の会(岡戸和夫会長)は、東日本大震災派遣の隊員を激励するためゼリードリンク4000本を派遣隊員に贈呈した。これは、会員から、「防衛省・自衛隊とともにある市ヶ谷地区住民として、国民のために過酷な任務を献身的に遂行している隊員さんに心から感謝しており、何らかの支援をしたい」との気持ちからなされたものであり、同会の岡戸会長から市ヶ谷陸・海・空司令が隊員を代表して激励品を受領し、JTF(統合任務部隊)司令部を経由して活動中の隊員に送られた。 


ハイチPKOに参加
3師団3施大2中 1陸尉 田畑貴人

 ここハイチでは雨季真只中で連日スコールのような雨が降っていた。そんな中、6月7日にテロシェIDP(避難民)キャンプに隣接する川が氾濫し堤防が決壊、IDPキャンプ内に濁流が押し寄せ施設の一部が流されたという情報が入り、災害対処の命令が下された。任務は、決壊した堤防の応急的な復旧であった。
 先行班の偵察結果から、油圧ショベル及び人力による作業を決心し、グアテマラ軍MP(軍警察)による警備のもとで前進を開始、主力が現場に到着したのは15:00頃であった。IDPキャンプの居住環境及び衛生環境は劣悪であり、またキャンプの住民が群集化し、その説得に時間を要したため、任務開始は16:00頃になっていた。20:00頃からは豪雨の予報であり鉄砲水が発生するという情報があったため、約4時間で実施可能な作業を現場において判断し任務を開始した。予定されていた資材が届かなかったため人力作業は実施できず機械作業のみとなったが、応急的な堤防を復旧することはできた。任務間は、気象状況、夜間行動の特性並びに隊員及びキャンプの住民の安全を確保することに留意して作業を実施した。2日前に湖の増水による孤立住民救出の任務を実施したばかりであり、また復興支援活動と並行しながらの災害対処であったが、事態に即応し士気高く黙々と任務を遂行する中隊の隊員を誇りに思った。今後もハイチ復興のため任務に邁進し、全員無事帰国を目標に頑張っていきたい。


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