防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年3月15日号
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カレッジ・リクルータ連絡会議開催
陸海空募集担当者60名出席
一般大学出身の若手幹部が募集役割担う

陸幕
部外講師招き、質疑応答も

 陸幕主催によるカレッジリクルータ連絡会議が3月3日、4日の両日、市ヶ谷の防衛省で、カレッジリクルータ(以下、カレリクと略す)と陸海空の募集担当者約60名が出席して、開催された。
 カレリク制度とは平成3年から発足したもので、一般大学出身の陸海空自衛隊若手幹部の中から適任者をカレリクに指定し、出身大学等を対象に募集広報を実施させ、質の高い一般幹部候補生を募集することを目的としており、平成23年度は全国で154名が指定されている。
 初日、陸幕募集・援護調整官の大内田憲治1佐が説示を行い、「自衛官が思っている程、世間では自衛隊のことは知られていない。また募集を担当する地本には大学卒の者は少なく、カレリクの存在、支援が幹部候補生等の募集では大きな力となっている。地本を助けるという以上にこの組織のために良い人を集める、この組織を良くするということを考えて活動してもらいたい。カレリクの活動は、部隊等における勤務の都合から、地本の要望に応えられないこともあるだろうが、どんなことでも良いので何か1つでも活動してもらいたい。そしてそれは自分のためにもチャンスだと考えてもらいたい」と要望した。
 続いて、(株)リクルートの池野谷康充営業部長が近年の大卒者の求人動向、リクルート活動等について講演し、活発な質疑応答が行われた。その後、陸幕担当者より地本との連携要領の説明を受けた上で、地本の担当者と所要の調整を行った。
 翌4日は23年度募集広報事業の概要説明、先輩カレリクによる体験談を聴き、その後、カレリクとしてどのように活動するかについてのグループ討議とその発表を行った。討議後の各グループの発表においては、具体的な活動に対する活発な質疑応答が見られ、リクルート活動への意欲が感じられた。
 会議の最後に、陸幕募集班長から総括として、「本会議における教育等を通じてカレリクとしての素養は十分にあると感じている。この会議で学んだことを活かして、必ず活動することを期待する」との要望があり、閉会した。
 2日間にわたる会議を通じ、自らの役割を十分に認識したカレリクの活躍が期待される。


大学生が体験入隊
—釧路駐屯地—

 第27普通科連隊(連隊長・福永正之1佐)は2月17日から19日まで、釧路駐屯地及び釧路演習場で東京大学、京都外国語大学及び早稲田大学の学生19名で構成された「京都教育フォーラム国防学生北海道研修団」の訓練・隊内生活体験を支援した。
 このフォーラムは、カリキュラムの一環として極寒の厳しい環境の中で勤務する自衛官の姿を研修させ、自らも体験し国防に対する認識と理解を深めさせることを目的として行われ、今年で22回目。
 17日早朝、釧路駐屯地に着隊した研修団は被服交付を受けた後、担当中隊(第2中隊)との対面式を行い、午前は基本教練や導入教育、午後は施設見学、装備品展示、体験試乗、天幕設営及び夜間の宿営体験などを行った。
 18日は、積雪寒冷地部隊の真骨頂ともいえるスキー訓練を学んだ。学生達は、初めて装着する自衛隊のスキーに悪戦苦闘しながらも、若さとやる気で熱心に訓練に参加した。また、課業終了後には、訓練を担当した隊員、隊付教育中のBU幹部候補生を交えての懇親会が行われ、学生の自己紹介や余興など、終始和やかな雰囲気の中で、お互いに交流を深めた。
 最終日には、釧路演習場で戦闘訓練の一端を体験的に実施し、攻撃目標に対してカンジキを装着して突撃を行うなど、身をもって積雪寒冷地の行動を学んだ。
 修了式では、主任教官から労いの言葉と、学生一人ひとりに修了証が贈られ、学生達はこの3日間を終えた達成感に満足しながら、教官・助教との別れを惜しみつつ、駐屯地を後にした。


入隊予定者を祝福
八戸駐屯地

 八戸駐屯地(司令・吉田賢一郎1陸佐)は2月22日、市内のホテルで行われた三八地区自衛隊協力会主催の自衛隊入隊予定者激励会で八戸駐屯地八戸陣太鼓演奏を披露し、入隊予定者の前途を祝福した。
 激励会には93名の入隊予定者とその家族が参加し、和やかな雰囲気の中で実施された。吉田司令は、「入隊まで健康に留意され、これまで育ててくれたご両親に感謝し恩恵に報いるためにも、立派な自衛官を目指してもらいたい。また、友達の絆・家族の絆を大切にして、輝かしい未来に向かい失敗を恐れず立ち向かってもらいたい」と激励の言葉を述べた。
 八戸陣太鼓演奏では『噴火』『山彦』『大地』の3曲が演奏され、会場からは大きな拍手が送られていた。


ロンドン五輪 期待の星
アーチェリー・リカーブ
脇野智和 2陸尉 (福岡県出身、1976年生まれ) 体育学校
無心に射る
〈シリーズ14〉

 2月17〜21日の間、タイ・バンコクで開催された第1回アジア・アーチェリーグランプリにおいて自衛隊体育学校所属の脇野智和2陸尉が個人64人中9位、団体では、アテネ五輪銀メダリスト山本博、菊池栄樹とともに日本チームを組み、堂々の銅メダルを獲得した。この大会にはアジア諸国だけでなくフランス、ロシアの強豪国も参加し、オリンピック枠取りがかかる今年の世界選手権を睨んだ前哨戦という位置づけの緊張した試合が展開した。特に団体において日本チームが銅メダルをとれたということは、今年の世界選手権で五輪出場枠獲得が十分可能であることを示している。
 脇野がアーチェリーを始めたのは比較的遅く大学に入ってからだった。大学に入っても特別な戦績があった訳ではなかったが大学卒業後もアーチェリーを続けたいとの思いから自衛隊体育学校入隊を選んだ。
 実績がなかった脇野が入隊2年目、2000年の全日本選手権で優勝し、いきなり日本チャンピオンのタイトルを獲得する。文字通り"ぽっと出"の優勝だった。そのため、すぐにスランプを迎えることになり、その後3年間苦しい日々を過ごすことになる。その3年間、自衛隊体育学校という環境で自分自身をストイックに見つめて、日々怠ることなく錬磨に励んでいるうちにトレーニングとメンタルとテクニックが巧い具合に一致して行き、フォームが確立し、点数が安定してとれるようになった。脇野は自然とファイナル進出が当たり前となり、ナショナルチームの常連になった。そして2006年ドーハで行われたアジア大会で見事銀メダルに輝いた。
 「アーチェリーは決勝ラウンドで1対1の勝負に勝たないとトーナメントを勝ち上れないが、相手との戦いではない、自分をいかに高めて行くかを競う競技で、試合前に相手の研究などは必要なく、自分自身がいかに高いレベル、パーフェクトに近づけるかを考えれば良いスポーツだ」と脇野は考える。
 脇野が、今回の列強国が参加したアジアグランプリ団体で銅メダル獲得に貢献できたことは、大きな意味がある。団体は大きくぶれず高いアベレージを出せる選手でチームを組むことが重要だ。団体で五輪枠をとれば3人の出場枠となり、個人で出場枠をとる以上に意義がある。そういう意味で脇野の存在は日本がオリンピック出場枠を獲得して行く上で必要になって来るだろう。だが、五輪出場枠獲得がかかった世界選手権に出場するには、国内での世界選手権代表選考会を勝たねばならない。だが、人間的にも成長し、円熟してきたアーチェリー職人としての生き様を競技で表現できる今の脇野ならそれができるであろう。
 (体校渉外広報室・佐野伸寿3陸佐)


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