防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   2011年3月1日号
-
1面 2面 3面 4面 5面 6-7面(PDF) 10面 12面

震災対処演習を実施
後方支援焦点に初の大規模訓練
東部方面隊

 陸自東部方面隊(総監・関口泰一陸将)は2月14日から18日の間、東海地震を想定した大規模震災対処兵站演習を実施した。この演習では、地震発生時に隊員が東海地区で活動するために必要な食料や燃料を各部隊の活動地域に実際に輸送・集積・配分することで、東部方面隊が保有する東海地震対処計画を検証することが目的だ。陸自では、食料・燃料の輸送や配分といった後方支援に焦点を当てた大規模演習は初めて。
 演習には車両約520両、航空機約20機が使用され、約3400隊員が参加した。2月14日、小規模地震が群発し東海地震の可能性が気象庁から発表されたとの想定で状況を開始。東部方面総監部に指揮所を開設し、静岡県庁に現地調整所が置かれた。次いで隊員約11万人が4日間活動するために必要な食糧約250t(大型トラック約70台分)と車両や航空機の燃料1730kl(ドラム缶約3250本)が駒門駐屯地と浜松基地に一時集められた。東海地震が発生したとする同16日以降は、被災状況等を確認するなどの情報活動とともに、静岡県内の大規模運動公園など約25ヶ所に物資が輸送された。
 物資の主要な集積所となった駒門駐屯地では、積み上げられた食糧やドラム缶に入った燃料をフォークリフトで次々と大型トラックに積み込まれた。また、衛生・通信器材、タイヤ、施設器材の交付所も設置され、震災が起こった際に、多様な状況に対応できるような態勢が整えられていた。


東海地震に備えた総合防災訓練に参加
33普連

 第33普通科連隊(連隊長・鬼頭健司1陸佐=久居)は1月22日、三重県鳥羽市小浜地区の漁業協同組合前埋立地で行われた鳥羽市防災訓練に、重迫撃砲中隊長の大塚和弘3陸佐以下12名が参加した。
 訓練では、小浜地区の住民約400名も参加し、500食分の非常食及び豚汁の炊き出しと装備品展示を実施した。地域の女性部と協力して、準備した非常食でおにぎりを作り、豚汁の配食を手際よく行った。配食のアナウンスが流れると、一瞬にして試食を楽しみにしていた人たちの長蛇の列ができた。「とても美味しい」「寒いから体の心から温まる」といった声が笑顔とともに聞かれた。
 装備品展示では、初めて見る自衛隊の車両や人命救助セットを熱心に見たり、実際に手にとって操作する市民もいた。また、鳥羽市の防災関係者や参加者からは、「今回の防災訓練では、自衛隊の災害派遣における能力がよく分かった」「これからも地域との協力を密接にお願いしたい」との話も聞かれた。


魚沼市で災害派遣
2普連

 5年ぶりの豪雪に見舞われた新潟県では2月2日、雪崩の発生や集落の孤立、交通混乱の恐れがあるとして第12旅団長に対し魚沼市における災害派遣を要請、同日旅団長は受理した。
 災害派遣命令を受けた第2普通科連隊(連隊長・大橋秋則1陸佐=高田)は、直ちに第3種非常勤務態勢に移行、連絡幹部と第3中隊長以下の先遣部隊を魚沼市入広瀬地区へ派遣した。市の要請を受けて協議した結果、活動内容を公共施設の除雪、雪崩防止のための雪堤(雪崩が起きる可能性のある場所に作る雪の壁)作りなどとし、翌3日早朝、副隊長の藏野2佐以下の主力が駐屯地を出発、先遣部隊を掌握して魚沼市での活動を開始した。派遣された部隊は4日も公共施設の除雪、雪堤作りなどの作業を続けた。
 2月5日午後、豪雪被害を掌握するため松本龍防災担当大臣が現地を視察、連隊長が災害派遣部隊の作業内容及び進捗状況を説明した。その際、防災担当大臣に同行していた泉田裕彦新潟県知事から同日夕をもって魚沼市での派遣について撤収の要請があり、所定の手続きを経て、今回の派遣活動を終了した。


第7回アジア冬季競技大会
冬戦教が大活躍!

 1月30日から2月6日にカザフスタンで開催された第7回アジア冬季競技大会で、陸自冬季戦技教育隊(=真駒内)から出場したスキー・クロスカントリー競技の吉田圭伸2陸曹は男子15kmフリーと男子10kmクラシカルで優勝し2冠を達成。また、バイアスロン競技の永井順二2陸曹も男子20km個人で優勝し、3つの金メダルを獲得するなど、冬戦教隊員が活躍した。


雪月花

 テレビドラマ「坂の上の雲」の中で海外留学に選定された若者が拳をにぎって喜びをあらわしていた。貧しい小さな国のスタートだがこの気持ちは筆者の若いころにも残っていた。「アメリカに行きたい、イギリスに留学したい」とても叶えてもらえる状況は家庭的にも国家的にもなかったが、時代をへて日本経済の発展にともない2000年ごろには5万人を超える人たちが海外留学をしていた。しかし先ごろ米国の教育研究所が発表したデーターでは日本人の米国への留学生は前年度比15%の減だという。日本経済の失速も原因に挙げられるかもしれないがそれ以上に若者の意欲の低下が大きいのではないか。留学先での友情の醸成・親交が近い将来の国同士の交流に絶対有効なものになる。戦前に日本に留学したアジアの政治家が日本通としていま活躍していることは事実、防衛大学校でタイやベトナムなどの学生を受け入れていることも将来必ずや日本のために役立つはずだ。日本を背負って立つというと大げさだがこれからの若者には短期間でも海外生活を勧めたい。米国やロシアは海外留学に無関心といわれるが大国意識で海外に学ぶものがないからだということらしい、人ごとではあるが本当にそれでいいのだろうか。中国は前年比30%増の13万人が昨年米国に留学している、日本人は2万5千人だった。経済力だけの違いではないような気がする、前を向く姿勢の違いでは。(所谷)


Home
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc