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自衛隊ニュース   2010年9月15日号
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富士の裾野で総合火力演習
初めてインターネットで生中継!
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 平成22年度富士総合火力演習が8月24、26、28、29の4日間、陸自東富士演習場畑岡地区で行われた。富士学校(学校長・山本洋陸将)、富士教導団(団長・越智正典陸将補)を中核に、人員約2400名、戦車・装甲車約80両、各種火砲約80門、航空機約30機、その他車両約600両が参加した。
 24、26の両日は学校予行、28日は教育演習として実施。29日の一般公開には10倍以上(ハガキ応募は10倍・インターネット応募は11.5倍)の抽選倍率を経た一般市民が多数来場した。8月下旬の富士山ろくとは思えぬ酷暑のなか、北澤俊美防衛大臣をはじめ長島昭久・楠田大蔵両政務官、防衛省・自衛隊の高級幹部、全国各地から集まった自衛官、国内外の来賓とともに、約2万8000人が演習を見守った。
 90式戦車、99式自走150oりゅう弾砲、戦闘ヘリコプターAH―64D、F―2支援戦闘機をはじめ多種多様な装備が参加した前・後段の演習では、正確無比な射撃や、見事な連携を見せたヘリボン行動、大口径火器の轟音など息をのむ場面が続く。富士山形の同時着弾や、装備品が一度に集結し数え切れぬ着弾で視界が白一色の世界に染まる後段フィナーレの戦果拡張では、全見学者から津波のような拍手が沸き起こる。
 一方、視聴覚的には派手さの乏しい場面であっても、自衛官はもとより、一般観覧席からも、賛辞を込めた溜息がたびたび洩れていた。会場内外では各地のお国言葉も聞こえ、知識と情熱を持ち合わせた見学者が全国津々浦々から集っていることを伺わせた。
 前・後段演習の合間には東方・富士学校の共同音楽隊、在日米陸軍の軍楽隊による音楽演奏などが見学者を楽しませた。後段終了後には他装備品とともに観覧席前広場において、来年度以降部隊配備が始まる予定の 
 新戦車が初めて一般公開され、周囲には黒山の人だかりが出来ていた。
 また、今年度は、演習場の一角に備えられたパラボラアンテナから映像データを送信。市ヶ谷庁舎を経由したインターネット動画による生中継が行われ全世界に演習の様子が公開された。

防衛省で防災訓練
消火活動や起震車など体験
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 8月30日から9月5日の防災週間に合わせ、市ヶ谷庁舎では、自衛消防隊員を統括する防災応急対策本部(本部長=経装局庁舎管理室長・村形信睦事務官)指揮の下、「平成22年度市ヶ谷庁舎防災応急訓練」が行われた。3日午前10時には各棟各階から階段を下りグラウンドに集まる避難誘導訓練を実施。グラウンドいっぱいに集まった職員を前に榎本直樹経装局会計課長は、「今日は一斉にグラウンドに集まりましたが、災害時は、各棟ごとに避難場所が決まっています。ぜひ事前の確認をお願いします」と呼び掛けていた。
 午後からはA棟講堂に自衛消防隊員が集まり、応急対策本部の部隊編成、応急訓練の目的をはじめ、「避難誘導の要領」「消火器設備の種類」「懸念される地震について」などについて座学が開講された。終了後は引き続き、自衛消防隊員による屋内、屋外消火栓を使用した放水訓練。3人1組となって、消火栓の取り出し、火元付近までの運搬、放水の各種動作を汗だくになりながら行った。
牛込消防署も協力
 前日の2日には市ヶ谷地区を管轄する牛込消防署の協力により、午前11時から午後1時までの2時間、厚生棟前広場に起震車・煙体験テント・消火器体験コーナーが設けられ、全職員に自主的な参加を促した。
 足が向かいやすいよう昼休み前後の時間帯を設定した工夫も功を奏し、多数の職員が訪れた。村形本部長は「市ヶ谷庁舎では自衛官から民間人まで幅広い職域の人々が働いている。こうした体験をきっかけに防災について話し合う場面が増えれば」と語っている。

自衛隊サポーターズ
ブログで愛国心を発信
成田五十三
不自由な体への配慮に涙
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 青森県七戸町在住の成田五十三さんは74歳。地元の電電公社~NTTに長年勤務し、リタイア後の現在は、「毎朝欠かさず、you tubeから流れる君が代に合わせて歌っています」という。自身の愛国の想いや安全保障に対する考えをブログで公開もしている。先人から継承した「日本人のこころ」と、デジタル技術を併せ持つサポーターだ。
 ―愛国心はどのような背景から育まれたものなのでしょう。
 成田氏 私の父はシナ事変に2度出兵しました。恩給を頂くように薦めましたが、「国家に迷惑をかけてはならん」と、一切頂かずに亡くなりました。父の死後、箪笥の底から紀元2600年の叙勲の賞状が発見されました。それまで家族は全く知りませんでした。殊更声高に叫ぶことなく黙して国に至誠を捧げる父の下で育ちましたから、私にとって愛国心や「国を守ること」を大切にする考えは何ら特別ではなく、ごく当然に身に付いた習慣なのです。
 ―これまで自衛隊を応援するなかで、一番感激されたことは何でしょう。
 成田 今までに何人もの自衛官にお会いしましたが、非常に親切で立派な方ばかりです。私は飛行機に大変興味を持っていて、部屋の天井は飛行機の写真でいっぱいです。毎年、三沢基地の航空祭を拝見しているのですが、今年は病気を患い歩くことができません。 電話で事情をお伝えすると、担当の方のご好意で招待席に座らせて頂けることになりました。嬉しくて、涙がこぼれて、そのあと最後まで電話を続けるのがやっとでした。ご好意を思うと、今この瞬間も涙がこぼれてしまいます。幸せなことに息子も私と同じように愛国心を持っておりますので、三沢基地に同行してくれるそうです。
 ―現在の活動内容や今後の目標をお聞かせ下さい。
 成田 毎朝、君が代を歌うこと、国家の安泰を祈って合掌すること、国旗の掲揚を欠かさないこと、機会があるごとに日米安保の大切さなどをできるだけ多くの人に聞いてもらうこと、安全保障に関するブログは、なるべく毎日書くようにすること、等です。航空ショーには身体の動く限り足を運びたいと思っています。
 国防に関する有益な本は毎日、最低1時間は読むようにしています。新聞からも国防に関する記事があれば、参考にしてブログに書いています。下手な文章ですが、心を込めれば、人の心に通じると確信しています。

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