防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   2010年6月15日号
-
1面 2面 3面 5面 8面 10面 12面

ソマリア派遣5次隊出発
《横須賀》
海洋の安全確保
1年2カ月で護衛回数130回超える
-

 5月10日、横須賀の吉倉桟橋で、ソマリア沖・アデン湾における派遣海賊対処行動水上部隊第5次隊(派遣部隊指揮官第1護衛隊司令(篠村靖彦1海佐)、護衛艦「むらさめ」(艦長・菅野正隆2海佐)の出港行事が行われた。
 出港行事には、楠田大蔵防衛大臣政務官をはじめ関係者ら約530人が出席した。
 楠田政務官は訓示で、「諸官に課せられた任務は、『人類共通の敵』海賊と闘い、海上交通に安全をもたらし、この海域を利用する全ての国の繁栄の礎を築くという極めて重要かつ崇高な意義を有しております。各国の部隊と緊密に連携し、平素の訓練の成果を遺憾なく発揮して、これまで派遣された部隊の成果と実績をしっかりと継承し、我が国の代表として、立派に任務を完遂して下さい」と激励した。続いて、自衛艦隊司令官(杉本正彦海将)が「派遣海賊対処行動水上部隊は、第1次隊が昨年3月末に任務を開始して以来、約1年2カ月が経過し、護衛回数は130回を超え、護衛した商船は約800隻に及んでおり、商船運航関係者を始め護衛対象船舶から多くの感謝の言葉を得ているところである。諸官は、各国から派遣されている部隊と共に、海洋の安全を確保するという重大な責務に強い使命感と確固たる信念を持って、篠村1佐の指揮のもと一致団結、その実力を遺憾なく発揮し、それぞれの職責を果たしてもらいたい」と訓示した。
 その後、花束贈呈などが行われ、最後に派遣部隊指揮官が「本日は盛大なる激励、お見送りを頂き、誠にありがとうございます。派遣隊員一同、この活動が我が国のみならず国際社会の安定と繁栄に寄与するとの、誇りと気合を持って任務に邁進します」と力強く挨拶した。
 護衛艦「むらさめ」は横須賀音楽隊の演奏の中、多くの基地隊員や関係者、家族らに見送られながら整斉と岸壁を離れていった。
 派遣隊員の家族らは、岸壁から離れていく艦に向かって涙を浮かべながら「お父さん、気をつけて行ってらっしゃい」、「頑張ってね!」と大きく手を振り、出港していく隊員を見送った。
 なお、護衛艦「むらさめ」は、5月8日に大湊を出港した護衛艦「ゆうぎり」(艦長・鈴木亨2海佐)と合流し、約3週間かけて現地に到着し、1月末に出港し現在任務についている第4次隊と交代、6月上旬から活動を開始する。
 今回の派遣部隊は海上保安官8人を含む約420名で編成されている。


ロンドン五輪
期待の星
〈シリーズ 5〉
レスリング女子48kg級
坂本日登美 2陸尉
(青森県出身、1981年1月生まれ)
《体育学校》
-

 5月1〜3日の間開催されたレスリング明治乳業杯全日本選抜選手権の最大の話題は女子48kg級に坂本日登美が復帰し圧倒的な強さで優勝したことだった。世界選手権6度優勝しながら、オリンピックには坂本の51kg級が採用されず、その舞台に上がることなく平成20年に引退した坂本の復帰に人々は感動した。
 だが、坂本の復帰はそんなに簡単なものではなかった。引退から1年3ヶ月、コーチとして毎日スパーリングしていたとはいえ体力は落ちていた。筋力を戻しながら、体重も落とさなければならない。これは体育学校にとっても一大事業であった。この一大事業を成功させるためにチーム坂本が結成された。筋力をアップして体脂肪だけを落とす筋力トレーニングについては太田暁央1空曹。また、世界トップレベルの48kg級の選手を想定したスパーリングは元アトランタ五輪代表、フリー主任コーチ笹山秀雄1尉が専任で担当。「楽な気持ちでやりなさい」とアドバイスを続けた和久井始空曹長の存在も大きかった。そして、アテネオリンピック日本代表ドクターとして井上謙二2尉等のケアにあたった筑波記念病院つくば体力医学研究所所長内田彰子医学博士から、直接食事メニューやプロテインの摂取、怪我や体のケアについて助言を仰いだ。大会1週間前に疲労がたまって股関節に激痛が走った時も内田博士の指導をもらった。坂本にとって同じ女性としての内田博士の存在は大きかった。
 坂本自身も食事を昼の弁当を含め自炊を行い、徹底した食事管理を行った。トレーニングを開始した1月12日の時点で55kgあった体重が3ヶ月後の大会1週間前には51kgに落ちていた。あとはきつめの練習だけで48kgはクリアできるところにまでになっていた。世界で戦って行くためには恒常的に48kg級で戦える体にする必要がある。だが、この肉体改造は、体重を落としただけでなく51kg級で戦っていた頃よりもパワーアップさせた。さらに48kg級はスピードもパワー以上に重要だ。スパーリングでは笹山コーチはより低い姿勢で構え、通常コーチは受けに終止するが笹山は坂本に対して先に攻めることを心がけさせ、スピーディーなレスリングを身につけさせた。こうした肉体改造とトレーニングによって坂本のレスリングは、以前よりも高度なものに進化した。全てがオリンピックで勝つためにはどうしたら良いかを前提に考え抜かれたもので、それが形となって現れた第一歩が今回の完璧なレスリングでの優勝と言える。
 紆余曲折しながらもレスリングを追い求めてきた坂本の視界に、漸くオリンピックがリアリティをもって現れ始めた。
 (体校渉外広報室・佐野伸寿3陸佐)


「大凧祭り」を支援
《座間曹友会》
-

 座間分屯地曹友会は、ゴールデンウィーク期間中の5月4日から6日の間、快晴の中「座間市大凧祭り」における大凧の引き手及び会場撤収支援の協力を行った。
 座間市の大凧揚げは、端午の節句に行う行事として、約200年の歴史を持つ伝統行事で、今年は5月4日、5日の両日開催され、曹友会の30名、曹友会名誉会長の第4施設群長平栗浩一1陸佐、芹田康之最先任上級曹長と、同市大凧保存会のメンバー他、約80名の引き手が風向きを読みながら「ひけー」の合図で一斉に綱を引くと、たたみ120畳分(重さ約1トン)の『薫風』(市民からの公募)と描かれた巨大な凧が勢いよく舞い上がった。
 会場には遠藤座間市長、ワーシンスキー在日米陸軍司令官も臨席し、大盛会の中、祭りを終了した。
 5月6日の撤収は、大凧保存会の皆さんと強風の中、整斉と実施し、昼食時は苦労話などの懇談も交え、地元住民との交流を深めることができ、地元の伝統継承に貢献することができた。


山口100萩往還マラニック大会
浦本2海曹がポスターに
-

 第22回山口100萩往還マラニック大会はゴールデンウィークの5月2日〜4日開催された。このポスターを飾ったのは自衛隊横須賀病院勤務の浦本みどり2海曹。
 浦本2曹はマラニック愛好家で各地の大会に参加しており、昨年同大会に参加時の写真がポスターに採用され今年も参加した。
 浦本2曹は熊本出身で看護師。体力に自信があり自分の力を試そうと第111期公募海曹に応募し、昨年10月横須賀教育隊に入隊、教育終了後は横須賀病院外科病棟に勤務している。
 この大会は、5コースに分かれており、浦本2曹は、昨年同様1番長い250kmに挑戦、ポスターのせいか、はたまた溌剌たる若さのせいかゼッケンNO A―1を付け参加者の半数が脱落する過酷なコースを走り抜けた。記録は115位46:43:33(昨年202位47:30:57)だった。


DVD『自衛官の人生』
全国地本などで配布中
-

 DVD「自衛官の人生」は、全国の地方協力本部及び募集事務所に配布されている自衛官募集説明用プレゼンテーションソフト(3枚組)の一つ。
 今まであるようでなかった自衛官という職業を選択した以降の人生をイメージアップできるDVDであり、「自衛官の職業としての魅力」を伝えたいという想いから作成された。
 主に適齢者、父兄、教諭、自治体担当者、募集協力者等の幅広い対象に分かり易く伝え、「自衛官の職業としての魅力」について、より多くの人に知って貰い、又、入隊希望者の将来への疑問や不安を解消するのが狙いだ。
 是非、一度視聴して、「自衛官の職業としての魅力」を感じてもらいたい。
 なお、このDVDは非売品のため、書店等では販売していない。
 視聴希望者は、お近くの地方協力本部及び募集事務所へお問い合わせ下さい。


3面へ
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc