防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年5月15日号
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ロンドン五輪
期待の星
水泳200m個人メドレー
高桑 健 3海尉 (新潟県出身、1985年4月生まれ)
《体育学校》
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〈シリーズ4〉
 高桑には足らないものがある。それはオリンピックでのメダルだ。2月末に行われたジャパンオープン(短水路)が終わると、高桑は恩師田中孝夫教授のいる鹿屋体育大学に向かった。
 田中教授は「来るからには、さすがは卒業生でオリンピック代表だと、模範となるくらい、学生以上の練習をしてもらう、できないなら来ないでくれ」と注文をつけた。だが、田中教授は、高桑にメダルを取らせるための練習メニューを準備していた。高桑の現在の自己ベストが1分57秒24。メダルを取るためには55秒台を、次のロンドンオリンピックまでの2年間で出せるようにしなければならない。そのためには今年度の後半、アジア大会の時期までには56秒台まで上げたい。そのためのメニューこそ、400m個人メドレーを午前中に8~9本行う、個人メドレーを泳がせながら持久力をアップさせるというものだった。通常持久力をあげる場合、自由形を長く泳ぐのが普通で、他の種目は集中的に泳ぎ、フォームを完成させていく。個人メドレーを何本も泳がせれば、疲労が蓄積されるだけではなく、故障の危険性がある。それを敢えて高桑に課した。田中教授は「オリンピックまでの長い期間を戦うためには、同じ練習を繰り返していても、壁を突き抜けることはできない。2年ないし、1年おきにがらりと変わった練習方法を取り入れて、常に刺激を与えることで新しい何かを掴むことができる」。1カ月間、高桑はこの過酷な練習メニューに取組んだ。田中教授との約束もあり弱音を吐くことは許されない。田中教授を信じて、必死に練習をこなした。
 日本選手権準決勝では北京五輪代表を勝ち取ったタイムを上回る2分00秒25を出しながら、全く疲労していなかった。鹿屋の特訓は間違っていなかった。そして日本選手権決勝、タイム的には1分58秒42、57秒台を狙っていた高桑には満足いくタイムではなかったが、試合は圧勝、今回の選手権で最初に派遣標準Tを突破し、アジア大会代表の座を勝ち取った。
 田中教授は「高桑に特別な泳ぎ方を教えている訳ではありません、高桑は元々才能のある子です。そういう子が試合に臨んだ時、勝てる自信を持たせるための練習をさせることが私の役割。高桑ならメダルが狙えます」
 個人メドレーは未だ日本人でメダルを取ったことのない難しい種目だ。だが、高桑なら、その壁を必ず突き破るであろう。高桑は今年3等海尉に任官、幹部自衛官になった。精神的にも肉体的にも成長をし続ける高桑に期待したい。 (体校渉外広報室・佐野伸寿3陸佐)

情報科職種を創設
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 陸上自衛隊情報科職種創設記念式典が3月30日、防衛省講堂で行われた。式には、高級幹部、情報科隊員、米軍関係者、各国駐在武官ら約300名が出席した。北澤俊美防衛大臣は訓示の中で、情報の重要性、必要性を強調しながら「日々、任務に邁進を」と激励した。また、火箱芳文陸幕長が「即応力の保持」「プロ意識の保持」「部隊の規律、団結、士気の強化」の3点を要望した。

ペトリPAC―3
機動展開訓練
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 4月25日22時から翌26日4時まで、ペトリオットPAC―3機動展開候補地である東京・新宿御苑にて機動展開訓練が行われた。これは、航空自衛隊入間基地所属の第1高射群第4高射隊員約55名・約15両の車両がBMD任務遂行能力の向上を図るために行われたもの。
 前回、一昨年1月の新宿御苑で行った際は主に通信の訓練だったが、今回は、ペトリオットPAC―3の布置及び撤去訓練も通信の訓練と併せて行われたため、発射機も持ち込まれた。発射機を自衛隊施設外に持ち込んで訓練したのは今回が初めて。

話題の新刊
海自レシピ お艦の味
元気が出る! 安くて美味しい力めし
協力・海上自衛隊
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 海自のごはんは三つ星だ!
 海上自衛隊が誇る自慢のレシピを一挙公開!

 陸海空三自衛隊の中で「一番美味しい!」と評判の海自ごはん。それもそのはず。唯一海自だけが調理の専門職を訓練育成している。旧海軍時代には「海軍割烹術参考書」なる料理本も存在したという。中でも「海自カレー」は各艦艇・基地が味を競い合い、更なる美味へと進化させたことは有名。また、「肉じゃが」が実は東郷元帥の好物ビーフシチューの日本版として作られた海軍発祥の料理だったことは驚きの事実。そんな奥深く美味しい「海自カレー」と「和・洋・アジアごはん」から厳選した51レシピと、え!こんなものまで?という各艦秘伝の隠し味を紹介!
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 今日は、護衛艦「やまゆき」の肉じゃがカレー、音響測定艦「ひびき」のマヨ明太だし巻き…それとも、どの艦のごはんにしようかな?(小学館刊、定価1155円税込)


HOME's English Class(防衛ホーム英語教室)
Working for a boss is never easy
ワーキング フォー ア ボッス イズ ネヴァー イージィ
平社員はつらいなあ
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 Hi!皆さん。いかがお過ごしですか。春爛漫。いろんな春の花が咲いていますね。つつじも咲き誇っています。シャクナゲの木にもピンクの大きな花がたくさんついていますね。今年は、つぼみから花開くまで楽しい観賞の時間を過ごすことができました。心に余裕が出来たのかもしれませんね。

 今回のフレーズは、“Working for a boss is never easy"、「平社員はつらいなあ。」です。日本的に言えば、宮仕えは厳しいということでしょうか。Working for a bossは、「上司に仕える」です。それが、not easy「簡単じゃない」どころか、never「簡単なんてもんじゃない」と100%打ち消す表現になっています。欧米では、人情ではなく、しっかりと評価され、査定されますから、ある意味日本より厳しいと思います。こんな表現が、お酒の席でぽろっとでると、割合、外国人とも意気投合する場合もあるかもですね。

 今年は色々な分野で変化が起きていますね。何かが新しく始まる年のようです。激しい流れに飲み込まれないように、足元を固めていきたいものです。楽しくストレスの少ない、陽気な生活を心がけていきましょう。
〈スワタケル〉


〈訂正〉前号(第786号)1面「更なる精強部隊へ」の記事中に誤りがありました。正しくは空自「連合准曹会」です。関係者の方々にお詫び致します。


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