防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年2月1日号
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第45回自衛隊高級幹部会同
鳩山首相訓示
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 おはようございます。自衛隊高級幹部会同の開催にあたりまして、一言、私の思いを述べさせていただければと思います。自衛隊が創設されて以来、皆様方がこの日本という国を愛する思いの中で、国民の命を守るために大変なご努力をされてこられたことに、日本国民の一人として、また、現在は総理大臣として、心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうこざいます。
 皆様方の献身的なご努力のおかげで、日本の国は敗戦後しっかりと立ち直り、今日経済的な繁栄を得るまでにいたっておりますが、その中で、皆様方がたいへんなご苦労をされてこられたことを、真の意味での市民権を得て今日まで頑張ってこられてきていることを、敬意と感謝に堪えないところでございます。まだまだ政治が行わなければならない皆様方に対する感謝を思いを連ねなければならないと思っておりますが、なお時日を要するものだとご理解を願いたいと存じます。
 私は新たな政権の発足以来、人の命を大切にする政治を心がけていきたい、そのように度々主張してまいっております。その人の命を、文字通り今日まで体を張って守ってこられたのは皆様方、自衛隊の皆様方であることは間違いありません。この国を守ること、この国の国民の命を守ること、万一の時に備えて、皆様方が常にご努力をされていることは、大変ありがたいことでございます。
 と同時に、日本という国は災害大国でございます。地震、その他大きな災害、さらには鳥インフルエンザなども最近はございます。このような大きな災害のときに、皆様方が嫌な顔ひとつせずに献身的に国民の命を救うためにご努力をされておられることを本当に人間の鑑だと思っております。
 また、ご案内のとおり、国際的な環境の中で、いわゆる国際的な平和活動、PKO活動にご努力をいただいていることも大変ありがたいことでございます。ご家族がおられる中で、こういう離れた地で、例えばゴラン高原、ネパール、スーダンなどで、国際的に活躍をされておられることにも感謝を申し上げたいと存じております。
 私どもはいわゆる旧政権とは政策的な考え方の違いがありますので、インド洋で活躍されておられる皆様に帰ってきていただくことになっておりますが、インド洋で給与活動をされてこられているお一人お一人の大変なご努力に対しては、どんなに感謝をしても感謝をし過ぎるということはないと思っております。本当にありがたいことだと思っております。
 また、ご案内のとおり、ソマリア沖などで海賊が出没する。これに対策を講じなければならない。こういうときにも皆様方がご努力をされておられる。ありがたい限りでございます。
 私たち政治家が本来ならば、もっと世界に向けて平和を外交的な努力のもとで達成させなければならないことは言うまでもありません。そこに外交の真価が問われるわけでございます。核を持たないと覚悟を決めている我が国が、だからこそ率先をして、核兵器廃絶のための先頭を切って行動をすることも当たり前の話だと思っております。しかし、世界の中でまだ紛争が消えたわけではありません。様々ないさかいが、まだ世界各国で起こっていることは残念でなりません。
 ならばこそ、私たちが万一に備えて、自衛隊の皆様方にいわゆる万一のときの抑止力として、それが起きないための抑止力として、皆様方が常に磨きをかけておられることは大変ありがたいことでございます。と同時に、核を持たない国として世界の中で核をまだ捨てきらずにいる国々、さらにはこれから核を持とうとしている国、こういう国がある中で日本だけですべて自衛できるか。この国を守るために日米同盟、日米安保というものが存在することも、私どもとすれば、ある意味で理解するべきであり、いや、むしろ理解というよりも感謝をすべきことだと思っております。
 今年は日米同盟、安保が改定されて五十年という節目の年を迎えます。なればこそ、私どもとすれば、日米同盟をさらに深化をさせていくことが肝要だと思っておりまして、そのための大変重要な一年だと私たちは理解をしております。このような中で、日本という国がアジア太平洋の地域において、経済的にも社会的にも安定して発展していくために、世界の国々と、特にアメリカとお互いに協力をしていきながら発展をし続けることが、何より求められていることだと信じております。
 そして、その活動の中心に、今日までの皆様方の活躍があることはいうまでもありませんし、だからこそ、私たちが毎日、安心して夜眠ることができる、平和な日本で有り続けてきたのだと思いますし、これからも有り続けていきたいと願う次第でございます。
 残念ながら、ここ数ヶ月、皆様方の大変なご努力がありながら、一部で事故が起きていることは大変残念でございます。皆様方のなかで命が奪われてしまうような事故が起きてしまっていることも、大変、皆様方にとっても辛い思いだと思います。ぜひこの国を想う心の中で事故が未然に防げるような状況をお作りいただくため、さらに万全を期していただきたいと思います。
 皆様方が今日までにご努力をいただいてきたことに、改めて総理大臣として感謝を申し上げながら、皆様方の職責の重さ、大きさ、十分に皆様方もご理解をいただく中で、これからも自衛隊の皆様方がこの国の平和と繁栄のために最善の努力をされんことを心から期待をいたし、私からの皆様方への言葉といたします。
 ご静聴ありがとうございました。
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北澤大臣訓示
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 本日ここに自衛隊の最高指揮官であります鳩山由紀夫内閣総理大臣ご臨席の下、自衛隊高級幹部会同を開催するにあたり、防衛大臣として訓示を申し上げます。
 私が防衛大臣を拝命した際、総理から、二つのご指示をいただきました。
 一つ目は、専守防衛の原則に基づき、シビリアン・コントロールを確保しながら、我が国の平和と安全を確保することであります。
 シビリアン・コントロールについて申し上げれば、諸君も十分ご承知のとおり、終戦までの経緯に対する反省に立ち、民主主義国家において軍事に対して政治が優先することをいいます。
 鳩山政権は政治主導の行政を行っております。これまでの4ヶ月間、私は、事務方と意見交換をするとともに、現場を視察し、現場の意見も大切にしながら、最終的には、政務三役で判断してまいりました。
 防衛省改革についても、こうしたシビリアン・コントロールの観点も踏まえ、改めてしっかりと取り組んでいくこととしておりますが、諸君には、この機会にあらためて、シビリアン・コントロールについて認識を共有していただきたいのであります。
 なお、私はじめ政務三役が知らないこと、聞いてないこと、あるいは判断してもいないことを、諸君が勝手に行うことや外に向かって言うことは、シビリアン・コントロールの観点からも適切とは言い難く、こうしたことは厳に謹んでいただくことは当然であります。
 総理からの二つ目のご指示は、防衛計画の大綱の見直しと次期中期防衛力整備計画の策定に向けて、関係大臣と連携することであります。
 我が国の防衛に関わる事項は、国家として極めて重要な政策事項であります。このため、その指針となる防衛大綱の見直しは、我が国が直面する様々な安全保障上の課題、すなわち北朝鮮のミサイル問題への対応、国際平和協力活動への取り組みなどについて、十分な検討を行うことが必要であります。
 今年は、防衛大綱の見直しと中期防の策定を行うこととなりますが、諸君におかれては、英知を結集して、複雑で流動的な安全保障環境や防衛力の現状などを的確に分析・評価し、防衛力の在り方について積極的に検討していただきたいのであります。
 これらを円滑に実施していくために私は、1月8日付で諸君の大先輩である西元徹也氏を大臣補佐官に任命いたしました。高い知見と豊富な経験、安定した人格の持ち主で、私を補佐し、大いに活躍されることを期待しております。
 次に日米同盟について申し上げます。今年は、日米安全保障条約改定50周年を迎えます。我が国の平和と安全を確保するためには、我が国自身の防衛力の整備とともに、日米安全保障体制の強化が必要であることは言うに及びません。日米間で様々な安全保障上の課題に取り組むことにより信頼関係を更に深め、日米同盟を一層強固なものとすることが必要であります。
 現在の喫緊の課題の一つとして、在日米軍の再編、特に普天間飛行場の移設問題があり、今後、政府と与党三党において検討を進め、米国及び沖縄県民の理解を得られる適切な移設先を決定してまいります。
 諸君におかれては、弾道ミサイル防衛態勢の構築、日米共同訓練、日米技術交流など、広範多岐にわたるそれぞれの分野毎に、日米同盟を強化するため、積極果敢に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、自衛隊が、日々行っている活動について申し上げます。
 まもなく阪神・淡路大震災から15年が経ちますが、諸君におかれては、国民の生命・財産を守るため、災害派遣を含む各種の活動に、引き続き万全を期していただきたいと考えております。
 また、海外における活動については、今月15日をもって、約8年間実施してきたインド洋における補給支援活動を終えます。これまで一生懸命この活動に取り組んできた隊員諸君に敬意を表する次第であります。
 また、海賊対処については、引き続き、ソマリア沖・アデン湾において民間船舶の防護活動を行っており、現場においては、着実に活動の実績を積み重ねております。諸君においては、引き続き、与えられた任務を全うすべく真摯な努力を継続していただきたいのであります。
 他方で、現在、自衛隊は、ゴラン高原、ネパールなどでPKO法に基づく活動を継続しております。我が国としては、国際平和協力活動を主体的に行っていくことが必要でありますが、諸君におかれては、他国との信頼醸成を図るための防衛交流活動と同様、これらの任務に引き続き邁進し、成果をあげていただきたいのであります。
 また、このような活動を実施していく際には、事故や不祥事のないよう、くれぐれも気をひきしめて職務に精励していただきたいと思います。
 以上、本年、防衛省・自衛隊が取り組むべき主要な課題について申し上げました。
 さる1月10日、第1空挺団の降下訓練始め及び特殊作戦群を視察いたしました。更に昨年は、各自衛隊の部隊を訪れ、それぞれの能力の高さ、国防に対する強い意味込みを感じ取りました。自衛隊の諸君に対する私の信頼は、日々高まっております。誠にありがとう。
 終わりに、諸君が、国民の期待と信頼に応え、全国約27万人の自衛隊員の中枢幹部として、我が国の安全保障を全うするため、各々の任務に全身全霊を尽くしていただくよう、強く要望して、私の訓示といたします。

『初心を忘れるな』
横教で第111期初任海曹課程修業式
3曹の自覚を胸に部隊へ勇躍
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 横須賀教育隊(司令・飯尾俊政1海佐)は12月17日、第111期初任海曹課程(男性170名、女性48名)の修業式を挙行した。当日はあいにくの冷たい雨模様となったが、横須賀地方総監松岡海将臨席のもと、部内外来賓及び学生家族が見守る中、課程修業の日を迎えた学生は充実感に満ちた表情で式典に臨んだ。
 課程修業にあたり飯尾司令は、「初心を忘れるな」、「リーダーシップとフォロアーシップを実践せよ」、「正しく、強く、さわやかに」の3点を要望するとともに、健全かつ計画的なライフプラン設計の継続を要望した。
 また、松岡総監は、「初心を忘れるな」、「チャレンジ精神を持って臨め」と訓示し、今課程で練成した強靱な気力、体力を礎とし、部隊の中核たる3等海曹として積極的に行動するプロ意識の発揮を要望し、部隊勤務へ復帰する学生達は一層身の引き締まる思いで聞き入っていた。
 壮行会は、海上自衛隊で現在総力を挙げて取り組んでいる抜本的改革の指針に基づき、修業学生自らが主体的に計画運営する形で実施され、昆野峰奈3海曹が中国舞踊を、森田真倫3海曹が日本舞踊を披露し参会者を魅了したほか、学生の楽器演奏に合わせて学生総員による大合唱を行なった。
 最後に学生を代表して松田翼3海曹が「今後は一日も早く部隊の中核として新たな時代を託されるよう日々研鑽し努力する覚悟です」と所信を述べ、盛況のうちに会を締めくくった。
 見送りは体育館での実施となったが、軍艦マーチに合わせて力強く行進する学生の姿は3等海曹としての自覚と自信に満ち溢れており、職員や家族に見送られ、意気揚々と次なる部隊へと向け巣立っていった。

銃剣道練成隊、出陣
《国分駐屯地》
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 第12普通科連隊(前田忠男1陸佐)は12月4日、師団銃剣道競技会に出場する選手の壮行会を実施した。
 駐屯地体育館では、壮行会に先立って壮行試合を実施して、競技会に出場する選手の実力を連隊のほぼ全隊員が目の当たりにした。壮行試合後の壮行会では、体育館の舞台上で師団銃剣道競技会に出場する監督・選手が自己紹介と意気込みを語り、選手の茅切3曹が力強く選手宣誓。応援する隊員から選手への激励「閧の声」では、第1中隊の万福2陸曹が上半身裸に袴姿で「荒ぶれ!」と拳を掲げて気合を入れると、選手と応援する隊員が一斉に「オー!」と叫び、体育館に声を響かせた。
 最後には、連隊長が銃剣道練成隊に、連隊長が使用していた「いまだ負け知らず」という木銃をお守り代わりに監督に手渡し、師団銃剣道競技壮行会を終了した。

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