防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2009年10月15日号
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寄せ書き

2連覇を遂げて
第12普通科連隊(国分)陸士長 岩元泰樹
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 6月6日、日本武道館において開催された第48回全自衛隊空手道選手権大会に参加して昨年に引き続き個人組手で優勝することができ、2連覇を達成した。これも日頃から連隊の皆様の深いご理解とご協力があっての成果であるという感謝の思いとともに、戦いにおいて常に勝利・任務完遂が要求される一人の自衛官としての達成感と喜びで一杯だ。
 昨年は初めて出場し、がむしゃらに優勝を勝ち取ったが、今回はチャンピオンとして多くの思いを胸に闘った。おごりではなく、もっと高いところに目標をおく私にとって、優勝して当然、通過点でこけるわけにいかないという思いが強かった。その思いから今回の試合を自分なりに評価すると30点。空手道だけでなく、一人の人間として成長していく上で、私が心がけていることがある。初戦から決勝まで全勝してはじめて自分に合格点が与えられる。世界を見据えるとはそういうことである。空手道のみでなく一人間としても現状に満足していては駄目だと私は思う。上には上がいる。私が勝つために努力する稽古は、種目は異なるが大リーグのイチローにしてみれば努力の内に入らないのでは? またこれ以上歩けないと思う行軍演習があっても過酷な訓練に耐えたレンジャー隊員にとっては限界の内に入らないのでは? そういった疑問を常にもち、高いレベルに近づくことで今まで苦に思えたことが難なく達成できるようになり自分自身の成長を肌で感じることができると私は思う。
 だからまだここで止まるわけにはいかない。実業団・日本・世界を視野に入れ、常に目標を掲げ、上を向いて歩ける隊員、人間を目指し努力したい。
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英語聴取の難しさ
第7普通科連隊(福知山) 陸士長 岡田祐輔
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 私は英語弁論大会「聴取の部」に参加しました。英語は中学、高校、大学と勉強していましたが正直苦手でした。英語で書くこと、聴くことは久しぶりであり、忘れてしまっていた単語や文章が多かったです。聴取は書き取るのがとても大変でした。発表者の英文を聴き、それを日本語に訳し、短い時間でまとめるのが難しかったです。この聴取の部で一番大切なのは、発表者が英語で何を伝えたいのか聞き取り、理解することだと思います。ただ単に英語を訳すのではなく、相手が何を伝えたいのか、またどのように返答するか、そこまでできなければ意味がないと思います。
 私は、今回、発表者の英文を半分くらいしか聴き取ることができませんでした。英語はこれからの訓練や行事の場で必要になってくるので、時間を見つけ勉強したいと思います。そして英文が訳せるように勉強し、日常会話ができるようになり、また、日米合同訓練などで相手が何を伝えたいのか理解できる隊員になり、部隊に貢献できるよう頑張りたいです。
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新隊員教育を終え
第304施設隊(出雲) 3陸曹 山崎 学
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 新隊員前期教育隊に班長として参加して、教育者として勉強になったことが2つありました。
 1つめは、班員の士気を保つことの重要性です。新隊員は今までまったく違う環境で生活しており、自衛隊の生活に順応させるのに苦労しました。とくに若い隊員は気持ちの浮き沈みが激しく、辞めたいと相談してくる隊員もいました。
 私が考えたことは、「やる時はやる、休む時は休む」ということを班員に徹底させることでした。そのためには自ら大きい声を出し、基本教練を妥協せず実施しました。そして休憩時間は積極的に班員とコミュニケーションをとるように心がけました。その結果、班員は徐々に大きな声を出し、メリハリのある生活ができるようになり、目の輝きが変わってきました。
 2つめは体力の向上です。最近の隊員は、私のころに比べて体力が低下していると感じました。腕立て伏せ、懸垂ができない隊員や、ボールが投げられない隊員が散見されました。体力練成を継続して実施させるため、毎日メニューを考え、各人に週ごとに目標を立てせ一緒に体力練成をしました。しかし、強制的にやらせる体力練成は効率が悪いと感じ、班員の中から体育係を指名し、班員でその日のメニューを考えさせました。その結果、土日も積極的に体力練成をするようになり、3キロ走のタイムの伸び率が教育隊で一番となりました。
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《家族の声》
息子の自衛隊入隊
了戒 一恵(久居駐屯地・了戒翔2士母)
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 4月7日、うららかな日差しが心地よく、桜の花が満開の中、入隊式を迎えることができました。
 息子が初めて「自衛官になりたい」と言ったのは、保育園の卒園式でした。小・中学校の卒業文集の「将来の夢」にも「自衛官」と書かれていました。
 私としては、息子がそれほど本気で自分の将来について考えているとは思わなかったのですが、高校3年になり、進路を決める際も迷わず「自衛官」を志望しました。高校で体育科を選択したのも、将来自衛官になるために少しでも体力をつけたいという本人の思いがあったことをその時初めて知りました。
 息子は幼い頃から自衛官として働く主人の背中を見て、尊敬と憧れを抱いていたのかもしれません。
 職務の厳しさを理解している主人は、初めて反対していましたが、息子の熱意に負け、応援してくれるようになりました。
 一般曹候補生も受験しましたが、二次試験で不合格となり、落ち込んだ時期もありましたが、なんとか立ち直り、この良き日を迎えることができました。
 入隊式で、宣誓をさせていただき、親としてこれほど息子を誇らしく思えたことはありません。
 これから前期後期での半年間、私の想像を超える厳しい毎日が待っていると思います。その中で、自衛隊内での上下関係を学び、仲間との信頼関係を築き、精神的にも成長していくことと思います。そして半年後、各部隊に配属された際には、この教育期間で学んだことを活かし、誰からも信頼され、人の心の痛みのわかる自衛官になってほしいと思います。
 最後に、今回のこのお話をいただいたとき、正直戸惑いましたが、今の自分の気持ちを書き留めるいい機会だと思い書かせていただきました。このような機会を与えてくださった広報の方に感謝しています。ありがとうございました。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOB シリーズ
千代株式会社 二瓶芳信
仁瓶氏は平成20年10月、佐世保海上訓練指導隊を2海佐で定年退職。56歳
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 昨年10月、海上自衛隊を定年退官し千代株式会社に再就職しました。社長以下12名の会社ですが、社長のご理解もあり、海自OBが私を含め4名在社しています。
 弊社の事業内容は、内装一般、トラック荷台の幌、重機座席シートカバー、艦船の側幕、椅子の張り替え、テントの販売修理等に携わる縫製事業、各種繊維、ワイヤーロープの加工販売に携わる索具事業、そして、生ごみ処理機販売、窓ガラスフィルム施工、インフルエンザ対策マスク販売等に携わる環境事業の3部門に分かれています。特に、座席シートカバーなどは、型紙から採る必要があり、オーダーメードのスーツと同じように、お客様の希望を製品に反映させ一つ一つ手作りで製造しています。弊社のモットーは「お客様に信頼され必要とされる会社」ですが、お客様から「ありがとう。良くできていますね」といった声を掛けていただけるのが何よりの喜びです。
 入社当初は、地上50メートルのクレーン上で命綱を付け、カバーの取り替え工事をするなど、現役時代とのギャップに驚きましたが、会社の皆さんの温かい支援もあり、何とかやってくることができました。現在は、管理課長として勤務しておりますが、顧客信頼性及び生産性の向上を目標に5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動の推進に努めております。
 自分の希望を援護業務課の担当者に伝えておくことが大切です。十分な期間があれば援護業務課の方も希望に見合った勤務先を探すことができると思います。
 現役の皆様にとって、再就職は不安と思いますが、自衛隊で培ってきたものは決して無駄にはなりません。特に、礼儀正しさ、規律正しさ、協調性等は十分自分の力になります。また、自衛隊時代の肩書きを忘れ、会社にとけ込むことも重要ですが、現役時代に培ったことを忘れずに、それを会社に適合させてゆくことが会社にとってもプラスになります。現役の皆さんも自信を持って第2の人生に臨んで頂きたいと思います。

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