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自衛隊ニュース   2009年7月15日号
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大震災に備え総合演習
《14旅団》
災害対処能力向上図る
14旅団
海自のLCACで上陸した救援部隊が被災想定地に向かう
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 第14旅団は6月6、7の両日、高知県総合防災訓練と連接し南海地震訓練を実施した。本訓練の目的は、旅団「東南海・南海地震対処計画」の検証・災害対処能力の向上である。
 当日は、第14旅団長の鈴木陸将補を統裁官として、第50普通科連隊等、約250名が参加した。訓練に先立ち、旅団長は、「実状況をよく考え訓練、検証せよ」と訓示した。
 訓練は、四国沖の南海トラフを震源としたマグニチュード8・4の南海地震が発生し、室戸地域が揺れ、津波等により孤立したという想定で実施した。本訓練の目的を達成するため、偵察隊による孤立化の概定訓練、ヘリ・徒歩・LCACによる孤立化地域の進出訓練、孤立化地域からの住民の救出訓練、NTTドコモと連携した孤立化地域との通信訓練を実施した。また、海自輸送艦「しもきた」、海保巡視船「とさ」へのヘリの着艦(沖合では初めて)、LCACによる第50普通科連隊1コ中隊の上陸、室戸市住民のヘリによる住民救出、NTTドコモからの災害携帯電話借用と職員の空輸等、関係機関等と密接な連携を図った。(写真=海保から陸自へ救援物資のリレー)
 併せて、本訓練の隊員家族の訓練研修を実施し、旅団の任務等について広報し、家族の即応意識の高揚に努めた。
 訓練終了後、旅団長は、「統合態勢で、自治体、消防、警察等と連携するのが重要であり、今後も南海地震に備え、積極的に訓練していく」と講評した。

フラッグ隊訓練開始式
《東北方面隊》
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 東北方面隊は5月26日、仙台駐屯地において「平成21年度広報基幹要員(フラッグ隊)集合訓練」の訓練開始式を行った。今年は東北管内各駐屯地から15名の女性自衛官が集まった。
 開始式では、担任部長である総監部総務部長が「明るく、仲良く、美しく」「今回集まった15名で幾多の困難を乗り越え、東北方面フラッグ隊らしい華やかで一糸乱れぬ美しい演技ととびきりの笑顔で、多くの皆様に感動を与えてもらいたい」と訓示した。また、参加した隊員は「フラッグ隊に入るのが夢でした。皆様に感動を与えられるようこの15名で頑張っていきたい」と意気込みを語ってくれた。
 陸上自衛隊でフラッグ隊を毎年編成しているのは東北方面隊だけ。今年も全員が初めての隊員ばかり。当初は東北夏祭りの最後を締めくくる「仙台七夕星の宵祭り」への参加を目標に錬成を重ね、全国から集まる観光客の前で演技を披露する。また、秋の東北方面音楽フェスティバルや自衛隊音楽まつりにも出演する。

雪月花
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 ズーッと昔、わが家の大家族時代の食卓。母親が嬉しそうに「ご飯が全部なくなった、残らなくてよかった」と空になったおひつをのぞいている。炊飯器や冷蔵庫があるでもなく夏場でのご飯の保存はたいへんだった、竹かごに入れて風通しのよい所に吊していた。主婦の実感だったのだろう。が、すぐに祖母が「ご飯は余るほどに炊くものだ、みんなが遠慮してるかもしれないし誰かが来るかもしれない」。母親はなにも反論しなかった。さきごろ公正取引委員会は大手コンビニ本社が加盟店に販売期限が迫っても弁当などを値引きしないように強制したとして独禁法違反で排除命令を出した。各店は値引きしてでも在庫をなくしたいが「優越的な地位にある」(全国紙)本部の意向には逆らえない。軌道に乗りかけたら近くにもう一軒出す、お正月には1万5000円のおせち料理を何十個も割り当ててくる、季節により高い弁当も来る、家族中で24時間の体力勝負になった。あるコンビニに加盟している友人のこんなぼやきをよく聞かされる。こうして廃棄処分になる食料品はコンビニ関係だけで年間12万トンになるそうだ。飢餓は依然として死亡原因の1位といわれ、毎日2万5000人が亡くなっている発展途上国の状況は、食べ物を金儲けの手段にしか考えない日本にも訪れる可能性がゼロとは言えない。このニュースに触れるたびに半世紀以上前11人で囲んだ食卓での会話を脈略もなく思い出す。(所谷)

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