防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2009年4月1日号
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UNMIN 第3次要員が出国
陸自派遣半年延長を受け
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 政府は3月6日の閣議で国連ネパール政治ミッション(UNMIN)に参加している陸自隊員の派遣期間を9月30日まで半年間延長することを決定、これを受けて第3次ネパール国際平和協力隊員6名が3月13日、成田空港から出国した。3次隊は、第10次ゴラン高原派遣輸送隊の輸送班長を務めた経験のある遠藤祐一郎2陸佐が隊長を務める。
 また、3月23日には2次隊の派遣隊員6名が約1年間の任務を終えて帰国した。午後7時すぎ、防衛省で隊員の出迎えを受けた浅野2佐以下6名は、齋藤統幕長に帰国報告した。浅野2佐は現地の状況について「昨年4月に制憲議会選挙が終わり、新ネパールが設立したのが同7月。新しい国造りのために一生懸命改革しているところだ」と話した。
 UNMINは、ネパール政府及びマオイストの間で署名された包括和平合意に基づく和平プロセスを支援するために国連安保理決議に基づき設置され、武器及び兵士の管理の監視等を支援する。日本は2007年3月から軍事監視要員として自衛官を派遣している。

東京・練馬区入隊入校予定者激励会
小池元防衛相がサプライズ登場
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 東京・練馬区の入隊・入校予定者激励会が3月16日、同区役所で行われた。練馬区の志願者数は247名、入隊・入校予定者は29名で、家族が見守るなか記念品贈呈や懇談会などでその門出を祝った。激励会は父兄会練馬支部、募集連絡協議会練馬支部が主催し、区役所関係者のほか、東京地本から城北地区隊長・緒方一成2陸佐、練馬地域事務所長・高根弘子3陸佐と同所員らが出席した。
 激励会は海上自衛隊幹部候補生・迫幸司君をはじめに入隊・入校予定者が紹介された。一人ひとりの名前と入隊・入校先が発表されるたびに拍手が起こり、会場は温かい雰囲気に包まれた。みな緊張しながらも「入隊の理由は心の鍛錬」(佐藤千秋さん(陸2士))と言うように入隊等への気持ちは強いようで、防大に入校する四童子啓太君も「これから始まるという緊張とやっていけるのかという不安もあるが、まずは学生生活や訓練に頑張って、将来、成長した自分を親に見せたい」と今後の抱負を話してくれた。
 このあと来賓からの祝辞が予定されていたが、ここで思ってもみなかったサプライズ。高根所長の電話がなり「小池元防衛大臣がいらっしゃいます」との伝言に、一瞬の間をおいてようやく事態が呑み込めた出席者一同から驚きの声が上がった。満場の拍手で出迎えられた小池元防衛相は、興奮冷めやらぬ入隊・入校予定者に対して「日本の平和を守ると同時に世界の平和を守る礎となって日本に貢献できるように頑張ってもらいたい」と激励の言葉を送った。続いて入隊予定者有志によるミニ演奏会に移り、2曲演奏された。ボーカルを務めた海曹候補生三宅由佳莉さんは、「小池さんの前で緊張して声が出なかったけれど、楽しかったし良い思い出になりました」と演奏会の感想を話した。
 続いて小池元防衛相が公務のため退席したあと、練馬区長の祝辞が紹介されるとともに、今年秋に退官する緒方2佐が後輩に熱く激励の言葉を送った。その他にも激励会では記念品の贈呈や懇談会などが行われた。社会人になるにあたっての気負いからか、はじめは緊張した顔つきだった入隊・入校予定者も、小池元防衛相による嬉しいサプライズや練馬地域事務所員らが作る楽しい演出に、最後にはリラックスした明るい笑顔を見せていた。女性自衛官教育隊(陸2士)に入隊する坂上知佳子さんが「緊張していたが、楽しい会になって明るい未来が見えてきた」とこの日の感想を話してくれたように、これからの自衛隊を担う彼らにとって最高のはなむけのイベントとなったようだ。

埼玉地本
リベンジ&チャレンジ
予備2陸尉 小山洋子
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 身体能力の低下と両親の介護を理由に10年間続けていた予備自衛官をリタイアしたのはついこの間のことでした。しかし「解放された」と思う気持ち以上に「任務から逃げだした」という後ろめたさを感じている自分がいたのも事実でした。
 そんなある日、夫が埼玉地本勤務となったのをきっかけに、埼玉地本の予備自衛官担当者から再度の志願を勧められ、「今度こそは」と決意し再び志願してみることにしました。年齢制限ぎりぎりで体もやや太り気味だったので、駄目もとという気持ちで身体検査を受けましたが3ヶ月後に辞令書が届き、身が引き締まる思いでした。
 晴れて平成21年2月27日の招集訓練初日、「帰ってきました!」と心の中で叫びながら胸を張って朝霞駐屯地の正門をくぐりました。そんな私を待ち受けていたのは「予備中隊長」という重い任務でしたが、復帰した自分に与えられた最大のご褒美とポジティブに受け止め、本訓練に参加した予備自衛官の協力と訓練担当部隊の親切な指導で5日間の訓練を終えることができました。
 今回久しぶりに訓練に参加してみて、健康と体力の続く限り今後とも予備自衛官としてやっていく自信を持つことができました。埼玉地本の予備自担当の方や招集訓練を担当された32普連1中隊の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
徳島阿南市役所 山崎忠雄
山崎氏は平成19年4月、松山駐屯地業務隊長を1陸佐で定年退職。56歳。
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 庁舎から外に出る時、いつも「あっ!帽子忘れた」と1年が経っても、回れ右をしてしまう、未だ現役の習慣が脱けない今日この頃です。
 庁舎とは、四国最東端の市、徳島県阿南市役所です。皆様よくご承知のLED(発光ダイオード)の生産量世界の35%のシェアを占める国際的企業の本社工場があり、“光のまち阿南"として、全国的に情報発信を行うなど活力溢れる人口8万人の県南中核都市です。
 一方、今後30年以内に50%の確率で発生が予想されている南海・東南海地震で、当阿南市は沿岸地域を中心に莫大な被害が見積もられており、ハード及びソフト面の防災・減災対策が緊急の課題となっています。
 約5年前、休暇で郷里に帰省した時、現岩浅嘉仁市長から「経験を役立ててくれないか」と誘われました。
 平成7年、焦土と化した神戸地区で約60日間、人命救助・行方不明者の捜索・被害復旧等に従事した阪神淡路大震災での災害派遣活動、全国各地での自衛隊勤務等、市長からはそういった経験を含めてのお誘いがありました。「定年になったらお願いします」とその時は、社交辞令的に答えました。
 そして昨年4月退官し、阿南市企画総務部市民安全局の防災監として採用され、現在不慣れですが上司・同僚に恵まれ充実した日々を送っています。
 職務内容は、防災計画・実施、自主防災組織の設立促進等防災業務に関する事項です。現役時代、鍛えられた幕僚活動業務は、大いに役立っています。
 しかし、この1年順風ではなく、戸惑いばかりでした。地方自治体行政組織であり、毎日多くの来庁する市民の対応、又年4回の議会対応等加えて市会議員始め市職員の顔・名前もわからず失礼な事を何度もした事があります。(課長クラスは、高校の同級生が多く随分助けてもらっている)
 この様に、全国を渡り歩んできた私が、最後に愛する郷土に帰り、郷土の為に防災業務等危機管理面において、微力ではありますが一助となれている事は、私の本懐であります。
最後に、現役の皆様は何を目標(指標)に日々の訓練・業務をされていますか? 当然「我が国の平和と独立を守る」といった国防に対する崇高な使命感でしょう。私は、防災監として「市民の安全・安心を守る」を使命感として、日々の業務を行っています。己の座標軸を持っていれば、どの世界でも迷いは無いと思います。

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