防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   2009年3月15日号
-
1面 2面 4面 5面 6面 7面 8面 9面 10面 12面

東京音楽まつり開催
入隊・入校予定者を激励
12
会場を沸かせた東部方面音楽隊のアニメソングメドレー
-

 東京地本協力10団体が主催する「自衛隊東京音楽まつり」が3月8日、日比谷公会堂で開催された。この音楽まつりは入隊・入校予定者を激励するとともに、音楽を通じて都民との交流を図るため毎年開かれている。
 第1部では、はじめに浜田靖一防衛大臣、石原慎太郎都知事からのビデオレターが流された。浜田大臣は「入隊後の自衛隊での生活や訓練に誰しも不安はあるでしょうし、時には厳しい訓練に挫折しそうになることもあると思います。しかし、皆さんの周りには必ず仲間が一緒におりますし、また部隊では皆さんのことを親身に考えてくれる上司や先輩が必ず支えになってくれることと思います。どうぞ皆さん、未来に向かって、限りない可能性に向かって前進を続けてください。我々と共に高い使命感を保ちながら一丸となって重要な任務に取り組みましょう」と将来の自衛隊を担う若者に熱く語りかけた。
 また、入隊予定者らを激励するイベントとして、陸海空それぞれ2名ずつの先輩隊員が舞台に上がり、入隊予定者からの質問に答えていった。『入隊して良かったことは?』との問いに「心を割って話せる友人を持てたこと」と答えたほか、『入隊して心に残っていることは?』という質問には「戦闘訓練をやり終わったあとの達成感や楽しさが大きかった。無我夢中でやったのが私の思い出」と話すなど、自らの経験談を語ることで入隊者らを勇気づけた。
 続いて音楽演奏が始まり、第1施設大隊の朝霞振武太鼓、第1普通科連隊らっぱ隊、ゲストバンドとして東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部がそれぞれ特徴ある演奏を行い、会場を盛り上げた。休憩をはさんでの第2部は、お待ちかねの東部方面音楽隊が登場、行進曲など8曲を披露した。中でもタイプライターやサンドペーパーが出す音を巧みに取り入れた曲では、コミカルな演技をアクセントとして加え、来場者の笑いを誘った。そのほか“人が支えあうことの大切さ"の思いを込めて音楽隊員が作詞・作曲した「伝えたい想いがある」、アニメソングメドレーでは「ヤッターマン」「キューティーハニー」を歌に踊りにと心躍る演出で披露して万雷の拍手を受けていた。
 今回の音楽まつりでは随所に会場を楽しませる趣向が凝らされ、また、音楽演奏もバラエティに富んだ曲が選ばれるなど拍手と歓声が絶えない充実の内容となった。祭りのあとは寂しいというが、この日の来場者たちは皆、楽しそうに感想を語り合いながら家路につく姿が印象的だった。


雪月花
-

 「仰げば尊し」が日本中から消えようとしている、卒業式といえば「…我が師の恩」が定番だったはずだが。歌詞が現代にマッチしないとか、いまの生徒には教えにくいとかの理由もあるみたいだ。特に2番の「身を立て名をあげ」が一部の人によれば問題だという。競争をあおり利己的なニュアンスがあるのだそうだ。「青雲の志」といえばおおげさだが昔も今も、将来は何になろうか、何をしようかということは卒業式の感情と併せてみな考えたはずだ。入隊する時に地元の人たち何人にもお餞別をもらった、防大に入るとき汽車の中まで大勢が見送りにきてくれた。自衛官と話しているとこんな話がよく出る。この期待を裏切るわけにはいかない、故郷に錦を飾るというほどではないが精いっぱいやろうの気持ちになるのは至極当然だし日本の風土だった。司馬遼太郎「坂の上の雲」では日本中の若者、特に維新で前面に出ることのなかった藩は「身を立てる」ことに必死だった。貧しさのために赤ん坊を養子に出そうとする父親に「ウチが勉強してお豆腐ほどお金をこしらえるぞな」と説得して秋山好古少年(後の陸軍参謀)が弟の真之(同日本海海戦の参謀)をかばった下りをよく憶えている。こどもや孫も卒業して学校行事にはほとんど参加しなくなったが「仰げば尊し」はこの時期になるといつのまにか口にしている。昂揚のなくなった民族には衰退しか残らない。(所谷)


Home
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc