防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2009年2月15日号
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自衛隊生徒 1次試験を実施
地本支援のもと全国一斉に
受験者の熱気に包まれた会場
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 自衛隊生徒1次試験が1月10日、全国一斉に行われた。少子化などの状況に加え、今回の募集では受付期間が例年より1ヶ月短かったため受験者の獲得が厳しい県もあったが、全国の志願者数は3599人に上った。試験は午前に国語・社会・理科の3教科、午後に数学・英語の2教科の筆記試験と作文が行われ、会場内は受験者たちの熱気に包まれた。

群馬地本
 群馬地本では前橋市の勢多会館で試験を実施し、25名が挑んだ。会場に集まった受験者は、それぞれに緊張した面持ちで自分の受験番号にある席に着いた。張り詰めた空気の中、試験官が試験要領の説明を始めると、一言も逃すまいと紅潮した顔が一斉に試験官に向けられた。試験が開始されると会場は一気にヒートアップ、試験問題に臨む受験生の「熱」が試験官にも伝わってきた。群馬地本では「これまで学校や家族らからの情報提供をもとに積極的に受験説明を実施してきた。それぞれの広報官たちの熱い思いを真剣に受け止め、国防や国際貢献・災害救助活動の中心にある自衛隊という組織を将来の職場として考え、受験した若者たち全員の熱い心にエールを送りたい。そして難関に挑んだ受験者の中から一人でも多くの合格者が誕生し、将来の自衛隊を担う優秀な隊員に育ってほしい」としている。

三重地本
 三重地本が行った試験には受験生60名に上り、昨年より15名増加した。増加率は133%で、これは中方管内第2位、全国でも第5位だった。今回の受験生増加については、各広報官が三重県下の全中学校等を地道に訪問し、自衛隊生徒について説明したことが大きな要因となっている。また、三重地本では「今年度、協力諸団体及び関係自治体等に適齢者の情報提供及び県内で対象者の方々が多く集う場所における広報用看板やパンフレット等の設置協力等の募集業務に係わる支援依頼を積極的に推進したことにより県内の自衛隊に対する関心が高まり、このような結果が得られたと考えている。今後も本部長以下全員が募集目標の達成に向けて精進し、将来の国防を担う自衛官を募集していきたい」としている。

岩手地本
 岩手地本は県内5会場で試験を実施した。試験日は悪天候が予想されたため、試験官らはそれぞれの会場へ前日移動し試験に万全の態勢をとった。幸いにして雪の影響等も少なく受験率は100%と、例年以上の意気込みが感じられた。試験開始の合図とともにマークシートによる学科試験と作文で狭き門の突破を目指した受験者たちは真剣な表情で黙々と問題に臨んでいた。 受験者たちは、「絶対に合格したい」との意気込みに満ちあふれていた。

新潟地本
 新潟地本は県内3会場で実施した試験に30名が受験、志願者減少が心配されていたが各広報官の努力が結実したものとなった。当日は生憎の雪混じりの悪天候だったが、予定通り午前10時に筆記試験が開始された。終了時間が近くなっても中途退席する者もなく、試験にかける受験生の熱意が感じられた。昨年度、新潟地本から3名の入隊者を輩出したが、今回はそれを上回る入隊者を予感させる試験となった。

青森地本
 青森地本では青森・弘前・八戸・むつ市の4カ所に会場を設置して行われ、130名の少年達が将来の技術部門を担当する自衛官を目指して試験問題に取り組んだ。受験者の一人は「ボーイスカウトで活動をしてきて、自衛隊の活動とつながりがあり、将来電子機器などの技術を身に付けたいと思い受験しました」。また、ある高校生は「昨年受験し不合格でしたが、自衛官と制服へのあこがれがあり今年も受験しました。試験は少し難しい問題もありましたが、全部回答でき、自信があります」などと話していた。試験終了後、青森地本は試験会場から届けられた解答用紙の確認、整理作業を夜遅くまで実施した。

宮崎地本
 宮崎地本では、県内2会場(宮崎・都城)で合計39名が受験した。今年度は前年度より18名少ない受験者となったが、宮崎地本では「過去に多く見られた受験者の力試しの「お試し受験」ではなく、真に自衛官を目指す志の高い受験生が多いと捉えている」と話す。試験当日は、この冬一番寒波に見舞われたが、受験生は早めに受付を済ませると試験直前まで参考書等に見入っていた。また、試験中の問題に取り組む真剣なまなざしは寒波を吹き飛ばすほどの熱気が感じられ、今回の受験者の高い意識が感じられた。

愛媛地本
 愛媛地本では新居浜、松山、宇和島の3会場で試験を行い、34の受験校から71名の生徒が受験した。今回の募集については、受付期間の短縮から志願者の著しい減少が予想されたが、協力者による積極的な対象者及び家族への広報並びに年度当初から各記念行事、体験航海、体験搭乗などの各広報を最大限活用した広報官の粘り強いつなぎ広報等により、例年に近い志願者を確保した。受験者の動機は、入隊して専門的な技術を身につけようとする者、家族の強い勧めによる者など様々だったが、全員が真剣に回答に取り組んだ。


防衛省市ヶ谷台見学ツアーに参加して
亀岡募集案内所 堀下曹長
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 1月13日、京都府防衛協会亀岡支部主催の防衛省研修に同行し、「防衛省市ヶ谷台見学ツアーに参加した。
 見学ツアーは最初に陸軍士官学校の大講堂として建設された「市ヶ谷記念館」にある極東軍事裁判(東京裁判)の法廷として使用された1階の大講堂を見学。東条英機をはじめ戦犯と呼ばれた人が裁きを受けた場所という以外、特に知識がなかった自分だが、正面奥の「玉座」から2階席を見渡すと、天皇陛下が人々を見下ろすような工夫が凝らされているほか、天皇陛下専用の階段など随所に陛下に対して心配りした講堂の作りとなっている。次いで、かの三島由紀夫が立てこもり、割腹自殺した当時、陸上自衛隊東部方面総監室であった2階の部屋を見学した。この立てこもった2階の部屋には彼が振り回した刀による疵がいくつか残されており、ここで彼は何を想い、果てたのか…。
 ツアー終盤、訓練や災害派遣などで命を落とした自衛隊員に敬意と哀悼の念を捧げる「殉職者慰霊碑」に頭を下げ、メモリアルゾーンを見学し、ツアーは終了した。
「戦争を知らない子供達」もすっかり高齢者。戦争を知っている方は、後期高齢者。今の私たちの年代で先の大戦の歴史をどれだけの方が認識しているだろうか…。私自身もこの見学ツアーに参加して、恥ずかしながら間違った認識をもっていた事柄が多く、広報官として知識のなさに猛省した次第であり、「日本の歴史」の一端を学ぶ非常に良い研修となった。

賀詞交歓会を支援
《鹿児島地本》
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 1月18日、鹿児島市与次郎にあるジャングルパークベイサイドガーデンにおいて、「平成21年防衛協力諸団体合同賀詞交歓会」が鹿児島県防衛協会の主催で行われた。
 この行事は今年で3回目。鹿児島県防衛協会が音頭をとり、鹿児島県内の防衛協力諸団体に声をかけ、例年、年始めのこの時期に開催しているものであり、意見交換の場として大変有意義な会となっている。鹿児島地本は、本会の盛会に向け毎回支援をしている。
 賀詞交歓会には、鹿児島県防衛協会の会長である伊藤鹿児島県知事をはじめ県内の防衛協力諸団体の長及び関係者、来賓として国会議員、鹿児島市長、自民党県議団防衛議員連盟の議員及び県内の自衛隊部隊長など、併せて約200名が参加した。
 会は防衛協会事務局の進行により、全員による国歌斉唱の後、伊藤防衛協会会長の挨拶、保岡衆議院議員、森鹿児島市長ほか来賓の祝辞・紹介が行われ、防衛協力に関する意見交換等が熱心かつ盛大に行われた。
 鹿児島地本では、鹿児島県でこのような意義ある会が盛大に行われることに対し本当に心強く感じるとともに、今後も支援・協力態勢を強固にし、各協力団体の方々との更なる連携強化を図っていきたいとしている。

1音コンサート開催
前日に演奏指導も
《山梨地本》
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 山梨地本(本部長・鈴木昌芳1陸佐)は1月18日、笛吹市スコレーセンターで開催した陸自第1音楽隊(隊長・土田和夫2尉)による音楽演奏会を支援した。
 演奏会の前日には音楽隊員による演奏指導も行われ、地元中学校4校から吹奏楽部員85人の生徒が参加した。12種類のパートに分かれ約2時間にわたって楽器奏法や練習方法などについて熱心に指導が行われ、生徒たちは感激した様子だった。
 演奏会では、「ふれあいコンサート」の名前通り来場者の幅広い年齢層に合わせ、NHK大河ドラマのテーマ曲や民謡メドレー、映画「崖の上のポニョ」のテーマソングなどの賑やかなステージとなり来場者からは拍手喝采が送られた。中でも実際のタイプライターを用いて演奏された「タイプライター」では、そのユーモアに会場は大いに盛り上がった。アンコールでは「武田節」が演奏され、来場者の多くが音楽隊の演奏とともに口ずさんでいた。
 今回の演奏指導及び演奏会を通じ、地元の生徒や市民の自衛隊に対する親近感を深めるとともに、自衛隊の認知度向上に大きな成果が得られた。山梨地本では、今後も演奏指導や演奏会を通じてさらに自衛隊のPRに努め、募集成果の向上につなげたいとしている。

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